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橋梁と景観

少し車を走らせて市内にある土木遺産を見に行った。

煉瓦と石によるアーチ橋で昔は農業用水の送水用に使わていた構造物。自動車専用道路の新設にあたって、移設・保存されている。大正時代に出来た橋で機能と材料の美しさが見て取れる。

ただ、残念なことがある

視点場が無いこと

視点場とは景観に関する用語で、景観とは”景色”と”観るところ(人)”があって初めて成立する。

清水寺の本堂にある大舞台がなぜ有名なのか?それは奥の院が視点場として作られているから。つまり、”観られるもの”と”観るもの”の関係性をちゃんとデザインしているから。でも、残念ながら歴史ある橋梁に視点場は作られていなかった。

土木構造物はつかって初めて生きる。ましてや、用水路としての役目を終えた構造物はその歴史的価値を保存するために存在するのであれば、なおさら「観られる」という行為に価値を見出し、その価値に見合うデザインをすることが大切だと思う。

土木を身近なものにする
それは観る人(使う人)の立場でデザインすることだと思う。

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