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2016年8月5日 旅37日目 イースター島(3日目):振り返ればヤツがいる海

 イースター島3日目。

 今日は午前・午後ともガイドツアーの予定だったのだが、昨夜から次男が熱を出してしまったため、y嫁がホテルで留守番をすることに。大変申し訳ないのだが、僕や義父だと次男は延々と「ママ〜、ママ〜」と言い続けることになるため、自分が面倒をみるよ、とも言えず。

 ホテルのレストランにいた、ちょっとすました感じの若いイケメンに朝ご飯を部屋まで持っていってもいいか、と頼んだら、「いいよ。でもお盆は返してね」と優しく答えてくれ、お盆を返しにいくと「ありがとう」と日本語でお礼まで言ってくれた。人を見かけで判断してはいけないよなあ。

 それにしても、外国人の中には、困っている人をみつけると、相手にいちいち訊ねたりせずに手助けするのが当たり前、という人が少なからずいることに感心してしまう。

 日本人の場合は、まず、「これは自分がやるべきことだろうか? 自分が手出しして、相手は不快にならないだろうか?」みたいなことを考えているうちに機を逸してしまうことが多いのだが、ごく自然に飛行機の荷物入れから、他の人の荷物も一緒に取り出してくれるのだ。

 イーズター島観光2日目は、Akahanaという場所から。

 肌寒い風が吹き、ときどき小雨も降るあいにくの天気。

 ただし、イースター島の天気はけっこうかわりやすくて、雨が降っていたのに、小一時間も経てば(あるいは、島のなかを少し移動すれば)強い陽射しで首のあたりがヒリヒリしてくることもある。

 南半球なので8月は冬なのだが、朝晩はウインドブレーカーが必要なほど冷え、陽が出ている日中はTシャツでも暑いくらいだ。そりゃ、次男が体調を崩してもおかしくない。

 まず、Akahangaは、多くのモアイがゴロゴロと倒されているところ。モアイ倒し戦争の悲劇を伝えるために、このまま保存してあるとのこと。ただ、倒れているモアイというのは、研究者でもない僕にとっては、なんだかもったいないというか、石の塊にしか見えないところもあるのだよなあ。


 続いて、ガイドさんも「本日のメインイベント」と言っていた、15体のモアイが並ぶ、Tongarikiへ。

 入口近くに、「旅をするモアイ」というのが展示されている。

 このモアイは来日したことがあって、モアイの修復作業への援助をもとめるため、東京と大阪で公開されたのだそうだ。

 ちなみに「大阪万博のときに来日し、公開された」と誤解されることが多いらしいのだが、大阪万博のモアイはチリ本土でつくられたレプリカ。

 この本物のモアイは1980年代に来日していて、そのときに、まだバブルで景気がよかった日本企業が、修復用のクレーンと資金の援助をしたのだとか。

 当時のチリの人たちは、「日本はモアイ像をちゃんと返してくれる。信用できる国だ」と日本に好意を抱いたとのこと。

 そんなの、返すのが当たり前、だと思うのだが、大英帝国にモアイを1体持ち去られた歴史がある国だけに、不安もあったのだろう。

 こうして修復された15体のモアイが海辺に並んでいるのは、まさに壮観。

 ただし、写真的には、15体というのは多すぎてちょっと収まりが悪いところもあるのだけれど。

 写真ではなかなか見られない、モアイの裏側などもみられて満足。

 こうしてみると、15体もそれぞれ個体差があるのだ。

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