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2016年7月17日 旅18日目 ロッキーマウンテン国立公園:アメリカのガソリンスタンドで僕も考えた

 義父はロッキーマウンテン国立公園を楽しみにしていたので、早めに出発したがっていたのだが、僕とy嫁、息子2人はかなり疲れが溜まってきており、結局起きられずにデンバーの宿を8時過ぎに出発。

 y嫁は今日ずっと体調も機嫌も悪く、途中で「今日の予定は全部任せたって言ったでしょ!」と義父と険悪なムードになってしまい、今回は僕が仲裁役に。もともとこの旅の言い出しっぺはy嫁であり、義父のための企画でもある。僕はどちらかというと、その金額を使うのであれば、一口馬主にでもなれるのではないか、とか、新しいパソコンや車も買えそう、というのが本音だし、7歳の長男はあまり興味がわかない大自然に投げ込まれ、話し相手は2歳の弟だけ、という状況に困惑しており、もうすぐ2歳の次男は、車のシートで「ごはん〜」と「降りる〜」を繰り返している。

 なぜ僕がこの2人の旅行推進派の板挟みになっているのか……と自分でも不思議なのだが、まあ、なんというか、「他人が争っているのをみると、とりあえず、『まあまあ』って言ってみないと気がすまない」のだよな、僕の場合。他人が争っている場にいるのが苦痛なのだ。

 それは、争うべきときに、ちゃんと自己主張できない、という弱さでもあるのだけれど。

 ……とか偉そうなことを書いたが、まあ、この状況だと、10人の夫・父親がいたら、8人くらいは仲裁するよね。

 とりあえず、今日は両者の接点を減らしたほうがよさそう。

 スーパーマーケットで買い物をして昼食を済ませ、スプレイグ湖へ。湖のまわり一周800mのトレッキングコースがあり、ほぼフラットなコースだったので、次男を少し運動させたかったので、息子たちと回ってくることにした。

 ところが、1歳9ヵ月の散歩というのは実に難儀なもので、目の前に湖やロッキー山脈があるにもかかわらず、地面に座り込んではアリさんをずっと眺め、トンボを追いかけて、せっかく進んで来た道をバックしようとする。そんな弟のあふれる興味をサポートし、さらに前に進むペースを落としていく兄ちゃん!

 まさか、800m歩くのに、1時間以上かかるとは……(しかも、一部僕の抱っこによるショートカットあり)

 義父は時間がこんなにかかったので、次の予定地のベアー湖に行くのはやめよう、といいはじめたのだが、どちらかというと有名なベアー湖のほうが第一希望だった僕は、なんとかお願いしてベアー湖にも行ってもらった。

 ただ、実際に行ってみた感想としては、ベアー湖のほうが人気みたいだけれど、スプレイグ湖のほうがよかったような気がする。

 ベアー湖はあまり歩かなかったので、息子2人に振り回されたほうをよかったことにしたい、という贔屓目はあるのかもしれないが。

 そのほか、朝晩には動物がみられる、というポイントに行ったもののネコの子一匹見当たらず、滝を見に行こうとすると、ずっと車のなかで泥のように寝ている僕と義父以外の3人に、2.6kmのトレッキングは難しそうという結論に至った。

 要するに、何をやっても空振り、という一日で、「もうちょっと何か見る?」という義父に「今日はもう早めにホテルに帰りましょう」と進言すると、いつもはスケジュールを詰め込みたい義父も、今日はホッとしたように「そうだな」と同意してくれた。

 たぶん、今のわれわれに必要なのは、休養なのだ。

 みんなそれがわかっていたのに、どこへ行っても、「せっかくここまで来たのにもったいない」という意識が先に立っていたのだ。

 というか、あれもこれも見ようとすれば、どんなに長い旅でも、いや、長ければ長いほど、ましてや子連れなら、疲労が溜まっていくのは当たり前のことだよなあ。

 帰りにガソリンスタンドで給油したのだが、燃料計から推測し、5ガロンほど入れたかったので、スタンドに併設された売店のレジで、20ドル札を出して、「12ドル分ください」と言ったら、強面の店主が「10ドルか20ドルにしてくれ」とムスッとした表情で答えた。

 自分の英語力に自信がないので、「12の発音が悪いから聞き取れなかったのかな……」と、もう一度「12ドル」と言い直してみたのだが、相手の「10か20」という姿勢は変わらず。

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