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モノによる好奇心が開封率を上げる!海外のDM事例

こんにちは。ワキです。
封書DMを送った相手に開けてもらう、中身を見てもらうための仕掛けのことを「ドアオープナー」と言います。受け取った封筒が、いつもと厚みが違っていたり、さわった感触で何か異物感があったりすると、興味がわいたり、中を開けて確かめたくなったという経験はありませんか?
そういった人の心理をうまく利用してDMの開封率を上げることに成功したドアオープナーの海外事例をいくつかご紹介いたします。

最強のキューブ送付でファンが夢中になるDM

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2016年9月に、Netflix限定で配信スタートしたマーベルのドラマシリーズ「ルーク・ケイジ」。主人公のルークは、人体実験により無敵の皮膚を手に
入れたヒーロー。銃で撃たれても、ドリルで削られても、ビクともしない驚
異の身体の持ち主です。そんなドラマの公開に先駆けて、無敵のヒーローの
特徴を活かした遊び心溢れるキャンペーンをフランスで実施し、大勢の人々
の注目を集めました。
 ドラマ公開の1 ヶ月前にフランスのメディアやマーベルファンのインフル
エンサー宛てに、まだどこにも公開されていないシーズン1のエピソードが
入ったUSBを送付。実はこのUSBには仕掛けがあり、透明のキューブで覆わ
れていてキューブを壊さないと取り出せなくなっております。しかも、この
キューブは、銃で撃っても、ドリルで削っても、燃やしても、壊れない最強のキューブ。まるでルーク・ケイジの皮膚のような強さです。
 なんとかキューブを壊そうと、チャレンジの様子はSNSに投稿され瞬く間に拡散。マーベルファンを中心に大きな盛り上がりを見せました。同社が用意した50個のキューブが元となり、SNSで数千件ものインタラクションを獲得し、様々なメディアで合計150万インプレッションを獲得しました。

色褪せた顔写真で紫外線ケアを煽るDM

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 日本人女性の間ではもはや常識となっている日焼け対策ですが、海外では小麦色に焼けた肌は健康的でセクシーというイメージがあります。紫外線はお肌の大敵なのですが、積極的に日光浴をする人も多いそうです。化粧品メーカーVichyは、ブラジル人女性たちに紫外線のケアを大切さを伝えるためのキャンペーンを実施。「日焼け=クールでおしゃれ」という考えを変えるためには、美容に対して意識の高いオピニオンリーダーに紫外線が肌に与えるダメージを理解してもらうことが重要だと考えました。
 そこで、200人のパワーブロガーに自社の日焼け止めクリームをサンプルとしてDM送付。その際、それぞれのブロガーがSNSに投稿した写真をプリントしたフィルムで商品を包装し、さらに箱を1週間外に置いて、日光に当てた後に送付しました。
 商品を受け取った人が箱を開けてみると、片側の写真は普通にプリントされたものですが、反対側には長時間太陽に当たったせいて色褪せた写真が・・・。ダメージを受けた自分の顔写真を見せることにより、紫外線ケアの大切さを視覚的に訴えかけたというわけです。このプロモーションはブロガーによってSNS上に広く拡散され、ブランド価値を87%も高めるきっかけになったようです。

「 半分だけ」のおもちゃで予防接種の大切さを訴求したDM

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 インドでは子供のワクチン接種率が低く、毎年50万人以上の子どもたちが予防可能な感染症により命を落としているといいます。感染症についての正しい知識を周知し、一人でも多くの子どもに予防接種を受けてもらうため、ユニセフは政府の協力のもとユニークな啓発キャンペーンを考えました。
 国内でも特に接種率の低い10の都市で配布したのは、「半分だけ」の可愛らしい木のおもちゃ。あとの半分は、街の広場で行なう感染症についてのレクチャーに参加すると貰える仕掛けになっており、親子での参加を促しました。おもちゃは凹凸のピースになっており、DMで受け取ったものと広場でもらったものを1つに組み合わせることができます。
 狙いは功を奏し、会場には多くの親子連れが集まって、定期的な予防接種の大切さを認識したようです。おもちゃが欲しいという子どもの気持ちと、我が子の命を守りたいという親心、その両方に訴求ができたキャンペーンDMでした。

セキュリティーシステム会社の衝撃アラームDM

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 日々膨大な量のDMを受け取っているビジネスオーナー達に、どうしたら自分たちの広告に注目してもらえるのか。スウェーデンのセキュリティーシステム会社Sector Alarmは、開けて出すと突然アラームが鳴り響くDMを考案。それを中小企業のオーナー向けに送付しました。
 DMを受け取った人が封を開けて中から手紙を取り出そうとすると、アラームがけたたましく鳴り響くので誰もが驚きます。このDMによってインパクトを植え付けておくことで、その後の電話勧誘がスムーズにいくだろうという目論見です。
 実際に売り上げは28%も伸びたそうで、狙いは大成功。まずは封筒を開けてもらうという第一関門があるものの、目の付けどころがユニークなDMでした。

飼い主よりも猫をターゲットにしたDM

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 巷に溢れる大半のダイレクトメールは開封されることなく捨てられてしまいますが、カナダで猫用トイレを販売するBulk Cat Litter Warehouse社は、飼い主よりも猫をターゲットにしたDMを制作し、見事開封率を上げることに成功したようです。
 同社が用いたのは、猫が大好きなイヌハッカ(英名:キャットニップ)の芳香。これを紙に染み込ませオリジナル「キャットニップ紙」を作り、この用紙でDMを制作しました。ポストに届けられたDMは、多くの猫がこれに反応し、DMを噛んだり、DMにほおずりしたりしてDMを離しません。その様子を見た飼い主は、もれなくDMを手に取り、その結果DMの開封率が劇的に向上しました。

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どの事例も、送った相手の手元に届いて、五感に訴えかけることで、惹きつけることに成功しています。何より、受け取った人の想像を超えたサプライズ感あふれたアイデアが素晴らしいですね。

まとめ

■ドアオープナーは、封筒に膨らみを持たせて相手の関心を高める仕掛け
■受け取った相手が次にどんな行動をとるか想像できるシナリオが必要
■DMはモノで五感を刺激し、感情を揺さぶることができるメディア

<参考・引用>
LUKE CAGE - The Netflix Unbreakable Preview
Facing The Sun
Half Toy - UNICEF
An alarming letter
Direct mail targets your kitty
PR EDGE

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