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上野公園のハト

タイトル写真のように「東京・春・音楽祭」開催中の上野公園、そこに生息している鳩が以前に比べて減ったようです。

私の知り合いの、そのまた知り合いが個展を開くことになり、よかったら寄ってみてください、と、控えめなおすすめを受けて、せっかく声をかけていただいたのだからとコバヤシチエコさんの「平行ダンス(Parallel dance)」という個展へ行ってみました。

個展が開かれる「納戸&ギャラリー」は、東京で一番沖縄料理の店が多い杉並区の通称「沖縄タウン」にあります。ギャラリーの入口から木造建屋のニ階へ木の階段をミシミシと登ってゆくと、そこは8畳くらいの真っ白な部屋の画廊となっていて、壁には作品の木製パネルが十数点、目の高さに合わせて等間隔で並んでいます。

テーマは「ハト」、そのハトと付かず離れず共に歩むから「並行ダンス(Parallel dance)」というタイトルです。

木製パネルに描かれているのはハトのイラストレーション、パネルの右側がちょうつがいで壁に固定されていて、パネルの左側を手前に引くと、裏面にも絵や文字があり、

おもてのイラストを見て、裏を見て、次の作品へ移り、絵本を見るように鑑賞しました。

「ハト」といえば平和の象徴、

でも、それは、元々は一部の信仰、一部の地域だったそうで、世界的に広まったのは1949年以降、世界平和評議会のポスターがピカソの描いたハトを採用したから、

ピカソにとってハトは個人的にも政治的にも重要なシンボルで、その後も数多くのハトの作品を残し、切手にもなっています。

といっても、この図はピカソの肖像画部分が切手でハトの絵は切手の枠外なのですが、あらら・・・。

そして、楽しむというより苦しむ感覚の「並行ダンス」といえば、

私が思いつくのはノルウェーの画家ムンク(1863-1944)が描いた「生命のダンス」、白、赤、黒のドレスを着た女性が、婚前、夫婦、未亡人となるまでを表現しています。

この絵を見ていると、ダンスの思惑、優劣、駆け引き、上手下手、好き嫌い、快不快、まじめ不まじめ、うそほんと、などなど、いろいろなことを考えさせられます。でもそれは過去と未来の間のほんのつかの間、音楽が奏でられ踊らされている一瞬の出来事なのですよね。

中心の男がガイコツみたい?
まるで亡霊のよう?
実はムンク本人?

(深い考察はこちらにあります)

私がこの絵を見たのは、もう十数年前の上野の国立西洋美術館でした。(絵にはいくつかバージョンがあり、私が見たのは1899年版ではなく1925年版)

それで、上野公園の鳩についてですが、

この本によりますと、東京都が2005年からエサやりの自粛を呼びかけていて、上野公園にいたエサをやる人が減り、エサを売る売店もなくなり、鳩が減ってきたようです。

ちなみに本の中では、上野公園にいるのが「クルッポークルッポー」と鳴くドバトという種、孤独を愛して「デーデーポーポー」と鳴くのがキジバト、歌でおなじみの「ポッポッポー」と鳴くのが埼玉県の県鳥となっているシラコバトではなかろうかと紹介されています。


読んでいただき、ありがとうございます。

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