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N響定期公演のシベリウスと映画「SISU/シス 不死身の男」

2023年10月20日(金)19時、

この日NHKホールで行われたN響定期公演の指揮者は高関健さん、プログラムはニルセン作曲のアラジン組曲 Op.34 (約13分)、と、シベリウス作曲の交響曲第2番 ニ長調 Op.43(約43分)。

いつものようにE席1600円の当日券チケットを購入し、3Fまで上り、そこで見たこと聞いたことは、

リュックサックを背負いアウトドア用の服にハーフパンツ姿の中年男性客、サンドイッチで腹ごしらえをする親子、チケットを紛失したけれど入場させてもらった(と推測される会話を係員としている)女性客などなど、

皆様いろいろ事情があってのこととは思いますが、FMラジオに生放送で中継されるようなせっかくのクラシック音楽のコンサートに、アウトドアのスタイルとか食べ物とかチケットの紛失はいけません。

そうこうしているうちに演奏が始まり、

1曲目ニルセン作曲のアラジン組曲は、異国風の踊っている感じがテンポよく楽しくて、私は3Fのいちばん後ろの席に座っているというのに、N響の演奏が気持ちよく響いてきます。

2曲目シベリウス作曲の交響曲第2番は、私のようなクラシック初心者向けに「はじめてのクラシック」というイラスト付き解説書が用意され、(pdfはこちら

この解説書にあるとおり、シベリウスの交響曲第2番に「北欧の作曲家らしい、雄大なスケール感と、最後の輝かしい賛歌」を楽しみました。


アイノラについて

そして、イラスト付き解説書のコラムには「アイノラ」という言葉についての記述、

私は以前「日本シベリウス協会」の存在を知ったとき、その北海道支部が「アイノラの窓@Hokkaido」とされているのを見て「アイノラとは何だろう」と思っていました。

解説書のとおり「アイノラ」というのは、シベリウスが都会から離れ地方に住み着いた頃、その場所を、シベリウスの妻「アイノの居場所」という意味で「アイノラ」と呼んでいたそうです。


シスについて

シベリウスといえばフィンランド、そのフィンランド語に「シス(SISU)」という言葉があり、他の言語にはない訳しにくいフィンランド人の気質を現すような独特の用語ということで、あえて訳してみると「勇敢で粘り強い魂」という意味、

この「シス」の典型を主人公としたフィンランドの映画を見てきました。

舞台は1944年、主人公は老人、元フィンランド特殊部隊にいた伝説の凄腕、戦争で何もかも失い、そのことを忘れようとするかのように1人でもくもくと金鉱の発掘に励み、掘り当てるのですが、

掘り当てた金を目当てに終戦直前のナチスの部隊に目をつけられてしまい、さて、どうなることやら、といった話。

主人公は「シス」と言えるのでしょう、何が合っても諦めず、不屈の精神で乗り越えようとします。

最後に、

映画を見終わって少し思ったことなのですが、シベリウスの交響曲第2番が演奏されるコンサートに、勇敢にもアウトドア用の服装で行く、とか、場所をいとわず食事する、とか、チケットを紛失しても諦めない、というような行為はフィンランド発祥の音楽を聴くには案外ふさわしいかもしれません。


読んでいただき、ありがとうございます。

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