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オーストリア滞在記⑭~マスターズ世界選手権当日~

明けて9/4(土)いよいよレース本番だ。

Telfesに来て3日目。
連日天気が良い。
先週のレースと違い、雨の装備は全く不要。
むしろ暑くなりそうな気配だ。


抗原検査

朝食をとりレースオフィスへ。前日に受けたPCR検査の結果はメールできたのでホテルでプリントしてもらった。しかし、日本帰国の際は所定のフォームに記入してあることが入国の要件となっている。心配性な僕はこれをどうしても満たしておきたかった。

レースオフィスにて事情を話し、フォームと記入例を持って説明。フォームへの記入についても了承してもらい、検査を受けた。

このテストは結果が15分で分かる。あたりを散歩して15分後に確認に行くと陰性の報告。ホッとして、改めて所定のフォーム記入してもらう。これで帰りの心配事が解決した。晴れてレースに集中することが出来る。

ちなみにヨーロッパなら大半のお店は土曜は午前のみか早い時間、日曜は基本休み。僕のように月曜帰路につく場合はこの書類を取得するのは相当ハードルが高いのではないだろうか?行く時から帰る時のことまで頭が回らないかもしれないがこの情勢が続く限り、そこも前提に旅程を組んだほうが良い気がする。海外渡航のためには訪問先の感染状況、対策、検査の容易さなどは大切だ。今回、渡航時は渡航の書類までしか頭が回らず、帰りが近づくにつれ厚労省の海外からの帰国者についてのページを見て苦労した。今後渡航の予定がある方は少なくともそこにしっかり目を通してからの方が安心して旅ができるだろう。

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年齢順にスタート

街中では10時にオープンレース(20代が主)がスタートし、その後は11時40分までスタートがない。

10時半頃からケーブル中腹駅ではシニア層のスタートが年第5歳刻みのカテゴリーごとに約20分間隔で行われる。

僕のレーススタートは12:20(日本時間19:20)なので、時間は随分とあった。そこでオープンレースのスタートを見送りスタート周辺のコースを再確認。

ホテルはスタートのほぼ目の前、荷物預けは各部門スタート30分前なので、慌てずに過ごす。会場と隣接したところに宿泊できる場合どこに泊まるか?はレースの大事な要素だと思っている。リラックスしやすいし、もし大人数の場合でもトイレも慌てずに行けるし、補給などもしやすいから。


いよいよ僕の番

12:20

いよいよ僕の番、M40のレースだ。なお、同じ時間にW40はケーブル中腹駅からスタート。

レース序盤は1kmほど街の中を一回り。そこから山へと向かう。街中も道幅はそんなにないのだけど、山に入れば前で出るのが難しくなるのでスタート直後から隊列は長く伸びる。

僕は元からスピードがないので、ここは焦らずというか先頭にはついていけないのでついていける集団で最初から飛ばす。

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山道に入るとさらにその隊列は伸びた。大抵のレースは序盤に無理をする選手が一定数いるので(前に出るにはこれも大切な作戦)、それらの選手が溢れるのを待ちながら自分のペースをキープしながら少しづつ少しづつ前へ出る。そんな調子で3~4kmも行くと、大体の配置が決まる。極端に後半型の選手や出遅れトラブルなどがなけれべ、自分が崩れない限り大きく抜かれることはない。けれども自分が1人でも抜かして前へ行きたいと思うのと同様、全員が同じ思いなので絶対に気が抜けない。

レースも中盤に入ると1人旅に近い状態が増えてきた。こうなるとはっきり言ってキツイ。自分では頑張っているつもりでも、前が見えないと実はペースが落ちていることもあるからだ。その意味では本当は上位集団についていける走力があれば展開はまた違ったものになる。しかし、残念ながら僕にはその力がない。できることは今持てる力を最大限発揮すること。気持ちを切らさなければ、チャンスは常にあると強く信じること。

レース中盤から後半にかけてはペースの近い選手が1人いた。僕が中盤で抜かして、その後、後半にかけて盛り返してきて一緒に行こうと言わんばかりに身振りで引っ張ってくれた。最終的に徐々に僕はこの選手から話されてしまうのだが、この区間は彼に助けられた。一方でその前の中盤で僕が結果として彼を引っ張ったからなのだが、勝負の中には言葉を超えたコミニュケーションがある。

ラスト3kmを切り、その彼の姿が徐々に離れていくのを必死に追いながらひたすらに登る。終盤はつづら坂。ラスト2km地点くらいからはフィニッシュのアナウンスもよく聞こえ、遠くに見えているのだがその2kmが遠かった。つづらなのでいやでも後続が視界に入ってくる。いつの間にかすぐ後ろまで選手が1人迫ってきていた。フィニッシュ手前にそびえる走るのが困難な急勾配をしがみつくように登り、どうにか逃げ切ってフィニッシュラインを超えた。

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もう動けない。

順位は?

タイムは?

どうでもよかった。

それよりも今持てる全てをぶつけて走ることができて満足でいっぱいだった。なんとも言えない幸せな気分だ。達成感だろうか。

ともかく全てがどうでもよく思えた。自分がこれ以上は無理と断言できるくらい必死になれたからだ。

周りにいる選手たちとお互いの健闘を称え合う。さまざまな年代の選手がこの後も続々とフィニッシュにたどり着く。表情は皆清々しい。

死ぬほど苦しかったけど、それでもレースは楽しい。
2年後越しの思いを叶えることができたのだと改めて思った。


ちょっと長くなったのでアフターレースの話は別の項で。


【今後の予定】
9/26(日)第6回NAGANO Jr TRAILRUN in 富士見高原
10/10(日)トレイルシンポジウム2021

10/17(日)第13回TOKYO Jr TRAILRUN兼-U15ジュニアトレイルランチャンピオンシップ
11/7(日)逗子トレイル駅伝2021兼U-12ジュニアトレイルランチャンピオンシップ
11/23(火祝):Duo Espoir 20周年記念リサイタ(8/28から延期開催)
11/28(日)大楠山ミニマウンテンマラソン2021(予備日2022/1/30)

「RUNNING ZUSHI」
逗子市内池子の森自然公園内400mトラックを拠点にしたランニングチームです。
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2017-04-28 18.07.02 のコピー


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