見出し画像

日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?を読んで

我が家には2歳の息子がいるのだが、僕もこの本の典型的な日本人像よろしく息子の将来をとても心配している(きちんと成長させてあげられるだろうか?同じくらい楽しみでもあるけど)。

副題である「結婚・出産が回避される本当の原因」について、スポットをあてその理由を説いているのだが印象的なくだりがあったので幾つか。

第3章 少子化対策における「欧米中心主義的発想」の陥穽 より抜粋

日本のはまった落とし穴~日本固有の価値意識をスルーしてしまった~
①「リスク回避傾向」
②「世間体重視」
③ 子どもへの強い愛情

大雑把に言うと、結婚や子育てには高いリスクがつきまとうのでそれらを回避しようとし、どのような人と結婚しどのような子育てをするかという周りの関心を気にかけ結婚相手の職業や年齢へのこだわりとなり結婚が抑制され、子どもにはつらい思いをさせたくないという思いからより良い条件で育てる目処がなければ出産や結婚を抑制するということだそうだ。

第4章 「リスク回避」と「世間体重視」の日本社会 より抜粋

「つまり、現代の日本の若者の多くは、若い頃から、老後までの生涯にわたる生活設計を思い描いている。そして、人生をその生活設計が予定するレール通りに進めることを目指しているように見える。」

日本の若者は、恋愛は恋愛、結婚は結婚、子育ては子育て、子どもの教育費は子どもが大きくなってから、老後は老後、と別々に考えているわけではない。

レールから外れないようにリスクを回避して暮らしていくには今の日本ではとても難しく、そもそも日本人はリスクを回避する傾向が強い。また、欧米社会に比べやり直しがききにくい社会であるためなおさらリスクは回避される。

まとめというか、希望的観測というか

というわけで、世の中の経済状況が結婚して、出産して、安心して子育て出来ると若者たちが感じられるようにすることが鍵だと説いている。それはおっしゃる通りで僕も子どもたちが将来大きくなってそういう不安を抱えたり、しなければならない苦労は少ないに越したことはないと思う。多分、これは親心としては当然じゃないかと思う。

それを僕が感じているということは若者たちが不安に感じるのは至極当然。

・「色々な人がいるよね。人それぞれだよね。」と寛容になること
・失敗しないで生きていくほうが難しいから失敗を生きているうちにするのは普通だし、誰しもどこかでそういう経験をしているし、と笑い飛ばしてしまえるようになる。一方で人の失敗を笑わない(というかチャレンジを称賛する)。

著者の提言とは異なるが、少子化対策に限らず、気になったことがある時に一歩を踏み出す敷居が今よりも少し下がったり、好奇心を持つことを大切にしてチャレンジを応援し、失敗に寛容な社会を目指すことが明るいムードを作り、結果として少しづつ良い方向に世の中を向かわせてくれるんじゃないかと思う。甘いと言われるかもしれないけれど。



この記事が参加している募集

#読書感想文

189,330件

最後まで読んでくださりありがとうございます。僕の経験や感じていること考えをいろいろと書いていきます。noteの記事を通じて一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです!「スキ!」や「サポート」はとても励みになりますので、宜しければ応援の気持ちも込めてよろしくお願いします!