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■ダンサー人生[第八話]

あなたは、自分の中の「本当の姿」を知っていますか?そして、その本当の自分に変身する鍵を手に入れましたか?誰も知らない、本当の自分に会いたいですか?yesであれば、この話(ストーリー)をヒントに、本当の自分に会う鍵を見つけてください。■■■

 全ては、「あの日」がきっかけで、私の人生にとってのターニングポイントとなった。 あの平日の夜を振り返ってみると、あの時、インストラクターからの告知があり、その直後にTさんから誘われた。私は、その全てをまるで予想してたかの如く、即日、参加を決断してきたが、しかし、この会場内の大人数の景色は想像すらできなかった。私達はエアロビクスの女性インストラクタを会場内で必死に探した。なんせ、私達はこの会場内で唯一面識があるのは、そのインストラクターだけなのです。この会場で今から何が始まるのか、私達はどうすればよいのか。そして、ここにいる人たちは誰なのか、何の目的で来たのか、私達と同じなのか違うのか。私達はこの会場に何を求めて来たのかさえ、見失いかけてきた。            

 そういえば、ここ最近は、このインストラクターのレッスンに参加することが習慣化してきた。インストラクターのスタジオレッスンは、とても人気があった。フリー契約のインストラクターで、複数のジムで指導していた。そして、エアロビクス、サーキットトレーニング、ファンク、ヒップホップなど様々なジャンルをこなせる、いわゆる大人気インストラクターで、いろいろなところから引っ張り凧だった。ご当地CMの振付師も経験していた。ヘアスタイルは、ショートカットで、こんがりと日焼けした明るい笑顔で、いつもみんなに明るさを振りまいていた。このインストラクターのスタジオレッスンに参加すると自然と身体の動きが軽快になっていく。そして、元気がみなぎるような身体の変化を感じた。私はあっけなくインストラクターの魔法にかかる。このインストラクターのレッスンに参加しているのは、ほとんどが女性会員だったが、その理由は、きっと憧れからだと容易にわかった。女性も憧れるほどの、ボーイッシュなインストラクター。そしてスタジオ内の皆をけん引する魅力と、カリスマ性をこのインストラクターは持ち合わせていた。このインストラクターのレッスン前には、スタジオの入り口が混雑するほどだ。真っ先にインストラクターの近くから立ち位置が埋まる。ほぼ常連の会員さんである。ときに、スタジオが溢れ、入場制限がかかるほどだ。

 さて、引き続き会場内を探せど、インストラクターとは会えなかった。後で分かったことだが、インストラクターは、この会場に来る前に、別会場でスタジオレッスンを指導しており、この会場への到着が遅れていた。インストラクターに会えないまま、会場内での説明が始まった。会場内の前の方で、スタッフの方々が集まり、何やら説明が始まったらしい。そんな雰囲気を感じたが、遠くにいた私達には、声が届かず、説明の一部が聞き取れなかった。スタッフの方々が説明の最中に、入り口の扉が開き、あのインストラクターが入ってきたことに気づいた頃には、説明が終わろうとしていた。私は、説明の8割も理解できていない状態で、その男性会員Tさんに確認した。「これ、何の創作ダンスですか。」その問に、不思議そうな顔をして、そしてニコニコ笑顔でTさんが答えた。

「よさこいですよ。」

そのこたえに私は、「すごい人数だけど、どんなダンスなんですか」私は、何も分からずこの会場に来ていた。おそらく、私ぐらいだろう、よさこいのことを知らずに、この会場に乗り出したのは。

◆本当の自分に会うポイント◆      ① 「この人なら」という人に出会ったら、自分の直感を信じて、仲良くなろう。

② 自分を愛し、人を愛する。

第九話に続く

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