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頭痛キャラメル 第四話【タバコとおばあちゃん】

父方のおばあちゃんは、小学生の僕に世の中に起きる、事件や事故、そして大人のつまらない考えや行動を説明してくれた。「こんな、大人になってはダメだ。」と。おばあちゃんは、タバコを美味しそうに吸いながら、何度も同じ話をしてくれた。僕の家に来たとき、いつも同じ話をしてくれたおかげで、心に残り、そして、おばあちゃんが言いたいことが、だんだんわかってきた。子供ながらに、おばあちゃんが大事にしている考え方や、人間関係などの人生観を知ることができたことには、とっても感謝している。そして、同時に、大人は体に悪いとわかっていても、タバコをやめることができない弱さがあることも、知った。

母方のおばあちゃんは、タバコは吸っていなかった。どちらかと言えば、タバコを嫌っていた。しかし、おばあちゃんの子供(僕の母親)は、隠れてタバコを吸っていたことを、母親から教えてもらった。子供は、親の思い通りには、言うことも聞かないこともあるものなのだと、知った。

そんな、僕の母親は、おばあちゃんと同じように、痴ほう症が進行してきた。「それは、おばあちゃんと同じようにならないで良かったのに。」

子供は親を見て育つ。しかし、時に、反抗し、時に見習い、同じようにしたりする。

人生の終盤は、親に習い、親に感謝する、良い子に戻るのだな。みんな、最後は子供に戻り、人生を振り返って行くのだな。

第五話につづく

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