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クラゲちゃんを降臨させてみよう。(Photoshopで巨大生物を合成する)

 ふと、僕が高校時代に作り、noteの記事としても紹介した自主怪獣映画「M-09 首都防衛前線」に登場させたクラゲの怪獣をゆるキャラ化し、このような絵を描いた。

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 梅田にあるビルから撮った風景にこのクラゲ怪獣「クラゲちゃん」を一筆書きで書き込んだものではあるが、この呑気な雰囲気が思いのほかいいと感じたので、今回はこの絵のように、クラゲちゃんを街のど真ん中に降臨させてみよう。

 今回使うソフトはPhotoshopのみであるが、CLIP STUDIOなどのお絵かきソフトでも、操作方法に違いはあれど、同じようなことができるので、参考にしてみてほしい。

 では、始めてみよう。

 まず、Photoshopを起動させ、『新規作成』から『フィルムとビデオ』→『HDTV 1080p』を選択しよう。

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 僕はいつも、大きめのサイズ比で写真を撮っているので、今回は写真内の良さそうな部分のみを切り取って使いたいと考え、このような方法を使うことにした。
 写真データそのものをPhotoshopで開いて、そのまま使う手もあるが、画像を拡大することによる解像度の劣化を防げるので、大きめのサイズ比で素材写真を撮影している方は、是非やってみてほしい。

 ちなみに、TVサイズにしているのは、今まで映像の勉強をしていた関係で、個人的にこのサイズが作りやすいからである。

 用意ができたら、別で素材写真を開き、『レイヤー』→『レイヤー複製』でコピー、『拡大縮小』『回転』(command+T)でサイズを、『レベル補正』や『明るさ・コントラスト』などで色味を調節する。

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 お好みの背景ができたら、新規のレイヤーを追加し、いよいよクラゲちゃんを描いていこう。
 クラゲちゃんを書くときは、頭の形やポーズなどを、納得がいくまで何度も一筆書きをしながら描き直すのがコツなので、何度も何度も『command+Z』で戻しながら描いた。

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 今度はこのスケスケのクラゲちゃんの頭や手に白色を塗っていくのだが、今回は、『投げ縄ツール』などを使って、クラゲちゃんの頭と手を囲み、背景の白地をコピーし、レイヤーマスクで切り取るという手法を使った。
 頭と脚、手の境界線を『ブラシツール』で微調整すれば、クラゲちゃんの完成だ。

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 ここで、素材写真をクラゲちゃんのレイヤーの前にコピーし、脚部分の建物に沿ってマスクを切り取ると、ただ描いたような姿ではなく、ちゃんと街中に立っているような雰囲気になるので、是非とも試してほしい。

 さて、これで一応完成ではあるのだが、クラゲちゃんがガラスのビルを見つめているので、ガラスの写り込みを表現しようと思う。

 まずは、クラゲちゃんの線だけのレイヤーと、白い体表を『command+E』で統合し、反転させてビルの前に載せる。
 それだけでは反転しているのが丸わかりなので、目と手をコピー(『command+C』)とペースト(『command+V』)で増やし、反転して写る左手と左目を描き、右手やガラスのビルからはみ出した部分を『消しゴムツール』で消した後、また『command+E』で統合した。
 こうすることで、後々、かなり自然な写り込みを描くことができるのだ。

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 それができたら、反転したクラゲちゃんのレイヤーを反転し、『多角形選択ツール』でこのように選択範囲を決め、『delete』で削除する。

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 こうしてできた二つのレイヤーの塗りを15%にすれば…

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  ガラスに写るクラゲちゃんが完成する。

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 実際はもう少し複雑な写り方になるのだが、これ以上は作業が複雑になる上、クラゲちゃんが自分を見ているように演出したいところなので、今回はこれでOKとしよう。

 最後に、クラゲちゃんと先ほどマスクで切った建物部分のレイヤーの間に、新規レイヤーを追加し、『ブラシツール』や『ぼかしツール』でクラゲちゃんの脚元に煙を立て、巨大感を演出しよう。
 ネットなどで無料で配布されている、雲を描けるブラシをダウンロードして描くと、さらに良いだろう。

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 ここまで仕上げれば、ようやく完成だ。

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 実景の中に、ガラスに写った自分を見つめる巨大なクラゲ(絵)がいるという、みるからにシュールな光景を、怪獣自身は絵ではあるものの、手前に建物があることや、土煙が上がっていることで、巨大感を出すことができ、結果として、ここまで鮮やかに描けたのではないかと、僕なりに感じている。

 ガラスの写り込みに関しては、今回はこのように、形が単純で、まるっきり絵とわかる怪獣を使ったので、、かなり単純な手法で表現したが、もし、怪獣のフィギュアなどでやる場合、右側から撮れば左側、左側から撮れば右側から見た姿を撮影する必要がある。(鏡を立てて撮るという方法もあるが、別で写真素材を撮った方が、後で加工しやすい)
 怪獣やウルトラマンを街中に合成してみたいと考えている方は、それを踏まえ、事前に撮影計画を組んでおくことをお勧めしたい。

 今回の記事が、誰かのお役に立てたなら、とても嬉しい。

 ついでに、このクラゲちゃんが好評であれば、今後も描いていきたいと考えているので、応援していただけると、さらにありがたい。

 ここまで読んでくれてありがとう。
 次回も、お楽しみに!

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