Blenderで映像素材を合成してみよう。 コンポジット編
Blenderは3DCGソフトとして名が知られているが、そのBlenderで映像どうしの合成ができる。海外のチュートリアル動画では、人物とのクロマキー合成の方法がよく載っているので、ご存知の方も多いのではないだろうか?
人物との合成ができるのなら、炎や土砂、爆発の映像素材と合成することもできるのではないかと考えた僕は、気が向けば集めていた映像素材を駆使し、ついに合成をする方法を編み出した。
この記事では、どのようにすれば素材同士の合成ができるのかを紹介していきたい。
それではまず、Blenderのスタート画面にある新規ファイルからVFXを選び、ツールバーの「Compositing」をクリックしよう。
その下にあるコンポジターにある「ノードを使用」にチェックを入れると、レンダーレイヤーとコンポジットのノードが表示される。
今回は写真に映像素材を合成するので、レンダーレイヤーを削除し、「追加」(Shift+A)にある「入力」から「画像」を、「出力」から「ビューアー」を出し、図のように繋げる。
ファイルから画像を開くと、ご覧の通りノードの背景に画像が表示される。
こうしてノードをつなげていくことで、映像に変化を加えていくのである。
今回使った写真は解像度をかなり大きめに撮っていたため、一部分がアップ気味に表示されていた。
そこで、「変形」の「スケール」を追加し、小さくすることにした。
「相対」を「レンダーサイズ」にして、レンダリング画面にピッタリとはまるようにしよう。(画像ではパラメーターをいじってしまっているが、本来はその必要はない)
それでは、この写真素材の上に映像素材を合成しよう。
今回使った素材は、下記にあるサイトで無料で配布されているものを使った。
こちらで調べる限り、商用利用もできるようだ。
こちらにある炎や爆炎の素材は透過されていないみたいなので、ノードの「入力」にある「動画クリップ」で画像を開き、「コンバーター」の「アルファ設定」「HSVA分離」をこの図のように繋げておく。
これで黒味が抜き取られ、爆炎のみが画面に表示されるのだ。(アルファチャンネルで既に透過されている素材の場合は、「HSVA分離」をする必要はなく、「画像」と「アルファ」同士を繋げるだけでいい。)
この二つを「カラー」の「アルファオーバー」で繋げれば、街の中に爆炎が上がる映像ができる。
ただ、これだけでは物足りないので、この爆炎の素材に、「カラー」の「露出」、変形の「トランスフォーム」を繋げ、炎の雰囲気をそれらしくした。
さらに、同じ写真素材をPhotoshopで一部分を切り抜いた素材を用意し、「画像」と「スケール」、その間に「アルファ設定」を繋げ…
アルファ同士を繋げている部分に「フィルター」から「ぼかし」を追加。
これで爆炎による光の反射を表現する。
これらを「アルファオーバー」に繋げれば、今度こそ、街中に爆炎が上がる映像の完成だ。
サイドメニューで出力方法を設定し、ツールバーの「レンダー」から「アニメーションをレンダリングする」をクリックしよう。
このとき、「出力」の字の下にある入力欄で保存先をちゃんと設定しておかないと、どこに保存されたのかわからなくなるので、お忘れなきように。
こうして完成した映像がこちらである。
いかがだっただろうか。
After Effectsの気軽さに比べて、「この素材からこの色を抜くにはどうすればいいか」「このノード同士を繋げたらどうなるのか」などを日夜研究し、理解しておく必要があるが、ノードの組み合わせによって、思いもしない効果が生まれてくるかもしれない。
この機会に、Blenderで映像素材の合成に挑戦してみてはいかがだろうか?
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