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雨男の楽しみ方

最近、驚くほど雨に降られる。

家を出る時は「今日は心配ないっす!安心してお出かけください!」と空は言っている(気がする)のに、いざ出先で用事を済ませて帰る時にはザーザーのザーである。

この前なんか傘をもたずに出たものだから大変だった。ずぶ濡れで自転車を漕いでいるところを近所の友人に見られて恥ずかしい思いをした。

今日は最寄りのカフェでアイスカフェオレを飲みながら村上春樹の「一人称単数」を読んだ。手にとってから1ヶ月以上経つ短編集だが、半分読んだところから進捗がなかった。他の小説に浮気を重ねていたからだ。ここ1ヶ月くらいは色々と取っ替え引っ替えしながらも常に3冊の小説と同時に交際していた。3人ではない。あくまで3冊である。

その中でも「一人称単数」はずっと手元に残っていた。「つまらないから」でも「読むのにエネルギーがいるから」でもなく「短編集だから」である。一つ一つの物語に明確な関連性がないから、長編とは違い気持ちが途切れることも物語の内容を忘れることもない。気が向いた時に読めばいい。そういう気軽さが短編集の良いところである。さっきまで「浮気」とかいう言葉を使っていたせいで自分がとんでもない畜生のように聞こえるが、決してそうではないことを覚えておいて欲しい。

…脱線が過ぎたので話を戻そう。

「一人称単数」を読み終わり18時ごろ。カフェを出て駐輪場まで向かう。そしてその道中、ポツポツと雨が降り始めた。強くなる前にさっさと帰ろう。そう思った次の瞬間にはザーザー降りだった。

雨男の自覚はあったが、ここまで露骨なのは初めてだ。天候操作能力(雨限定)が身についたのかもしれない。そう思う次元だった。

一応折り畳み傘は持っていた。だが、傘を持っていても外を歩くのが憚られるくらいの強雨だった。止むを得ず雨宿りである。

ただ雨宿りをして過ごすのもなんだかな、ということでリュックからカメラを取り出した。さすがにカフェにいくのにカメラは必要なさそうだが、普段使いのリュックがカメラバッグを兼ねているので意識せずとも持参していた。

そういうわけでカメラの時間である。

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そのカフェというのが商業施設内のカフェなので、近くには被写体になりそうなものがいくつかあった。1枚目なんかはとてもいい被写体だった。できれば雨の跳ねる様子なんかを写したかったが、材質の問題もあり少し難しかった。

2枚目はシンプルに水の跳ねる様子を写した。ちょっと絞り過ぎたかも。

大型商業施設でカメラをパシャパシャする奇行おじさんごっこをして時間を潰しているうちに、雨もだいぶ弱まったので帰宅する事に。

雨男というのもなかなか困り物だが、工夫次第で意外と楽しめるかもやも。そんなことを思った1日であった。


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