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大親友の彼女の連れが作ったパスタってどんなパスタだ?

大親友の彼女の連れ 美味しいパスタ作ったお前

この歌詞を聞いたことがないという人はいないと言っても過言ではないほど有名な、J-pop史に残る名フレーズ。


湘南乃風の名曲「純恋歌」

24年の人生の中でこの曲を何度聴いたことだろうか。フジノシン調べでは、野球部がカラオケでよく歌う曲第2位だ。ちなみに第1位は同じく湘南乃風の「睡蓮花」


野球部の中でも一際外野手が歌うことが多いのが特徴的。そしてその外野手は部活を引退してからボロボロのダメージジーンズとセカンドバッグを愛用しがちだ。


さぁそんな野球部のバイブルとも言える純恋歌ですが、その歌詞にはツッコミどころが多い。皆さんも一度は「大貧民で負けたくらいでマジギレすんな」と思ったことがあるでしょう。

そんな純恋歌の中で私が1番気になるのは、そう、

大親友の彼女の連れが作ったパスタってどんなパスタなんだ?

ということ。

家庭的な女がタイプの俺が一目惚れしてしまうほどのパスタ。それはとんでもない家庭的なパスタなのでしょう。今回はそれが一体どんなパスタなのか考えていきたい。


まずは純恋歌の登場人物から整理していこう。

・家庭的な女がタイプの俺(以下、甲)

・大親友の彼女の連れ美味しいパスタ作ったお前(以下、乙)

・大親友(以下、ダイ)

・大親友の彼女(以下、キャサリン)


恐らく甲くんの家に、乙ちゃん、ダイくん、キャサリンが遊びに来ることから物語は始まる。一目惚れと歌詞にあることから、この時が甲くんと乙ちゃんのファーストコンタクトだ。

物語を時系列でザックリまとめるとこんな感じ

甲くんの家にみんなが遊びに来る

乙ちゃん美味しいパスタを作る

家庭的な女がタイプの甲くん一目惚れ

大貧民で負けてマジギレするダイくんを見て笑う(楽しい)

乙ちゃんの優しい笑顔に癒されベタ惚れ

おぼろげな月を見つめる乙ちゃんに釘付け(スキップをしながら)


ここで1つ純恋歌のストーリーに矛盾点があることに気が付きました。それは「一目惚れ」という部分です。

一目惚れとは読んで字の如く、一目見た瞬間から好きになってしまうこと。乙ちゃんが部屋にやってきた時点で一目惚れするなら問題ないが、若旦那はあの低音ボイスで「家庭的な女がタイプの俺一目惚れ」と歌っている。

ということは家庭的な一面を見せる時までこの2人は出会っていない。

家庭的な一面 = 美味しいパスタを作ったということなら、パスタを甲くんに提供したタイミングがファーストコンタクトだったということになる。

つまり正しいストーリーはこうだ


乙ちゃんがなんらかの方法で甲くんの自宅のキッチンに忍び込む

甲くんの自宅にダイくんとキャサリンが遊びに来る

大貧民をしている途中で乙ちゃんが美味しいパスタを作り、甲くんのもとに持ってくる

家庭的な女がタイプの甲くん一目惚れ


これならなんの矛盾もない!登場人物の異常性に目を瞑れば完璧な考察と言えるだろう。

見知らぬ男性の部屋で美味しいパスタを見事に作り上げた乙ちゃんの料理の腕前は称賛に値する。家庭的な女の称号は伊達ではなかった。


そして驚くべきは、見知らぬ女性が突然自宅のキッチンから美味しいパスタを持ってくるという人類史でもかなり稀な状況に置いて、パニックになるでも警察に通報するでもなく

「この女は美味しそうなパスタを持ってるな〜。恐らく俺たちが大貧民をしている間にこっそりキッチンで作ったのだろう。どれどれ、味の方は…美味しい!家庭的な女がタイプの俺一目惚れダァ!」

となった甲くんの胆力でしょう。自宅に不法侵入した女性を犯罪者でなく恋愛対象として認識することは常人には決して真似できない芸当。戦国時代に生まれていれば歴史に名を残す武将になっていたに違いない。

純恋歌のストーリーと登場人物に対する正しい認識ができたところで、本題である乙ちゃんが作ったパスタはどんなパスタなのかという考察に移っていこう。


家庭的なパスタとして思い浮かんだのが

・ミートソースパスタ

・ナポリタン

の2つだ。

しかしこの2つのパスタには問題がある。まずミートソースパスタだが、これを作るには最低限トマトソースと挽肉が必要だ。

断言しよう。独身男性の冷蔵庫にそんな食材はない。

いや、世の中には当然その食材を用意している独身男性もいるんだろうが、少なくとも甲くんの冷蔵庫には絶対にない。性格から考えるに、甲くんは学生時代野球部に所属していた可能性が非常に高い。

断言しよう。元野球部の冷蔵庫に挽肉とトマトソースはない。

ない。ないんだ。以上の理由からミートソースパスタといことはありえない。

2つ目のナポリタンだが、材料については揃っていてもおかしくない。ソーセージやベーコンなどの肉類と、適当な野菜、ケチャップがあればできるので材料面のハードルはかなり低いだろう。

しかし、果たしてナポリタンを美味しいパスタと表現するだろうか?

ナポリタンはあくまでナポリタンでしょう。

ナポリタン目ナポリタン科ナポリタン属だ。

パプリカをピーマンと表現しないように、ナポリタンをパスタと表現するのはかなり考えづらい。

以上の理由からナポリタンでもない。

完全に手詰まりだ。歌詞からはこれ以上パスタの情報を探ることができない。なんで甲くんは「美味しいパスタ」としか言ってくれないのか。もうちょっと具体的に「美味しいカルボナーラ作ったお前」とか言ってくれれば解決するのに。


いや、待てよ…

甲くんはパスタの料理名を”言わなかった”んじゃなく


”言えなかった”んじゃないか?

恐らく甲くんは乙ちゃんが作ったものをパスタだと認識できたが、その料理名までは分からなかった。

例えばカチャトーラやコンタディーナを出されても、事前知識がなければそれを「パスタの一種」としか認識できないだろう。

乙ちゃんが作ったパスタはまさにそれなんだ。

甲くんの家にある材料で作れる、甲くんが名前を知らないパスタとなると答えは1つ____





アーリオオーリオ・ペペロンチーノだ___




これならニンニク、塩、オリーブオイルがあれば作れる。恐らくオリーブオイルはなかっただろうが、そこはサラダ油で代用可能だろう。


乙ちゃんはパスタを振る舞ったときにこう言ったに違いない

「昨日の晩から隠れてキッチン漁ったんだけど、冷蔵庫に全然食材がなかったからアーリオオーリオ・ペペロンチーノ作ってみたの♡」

横文字が苦手な甲くんは一目惚れの衝撃も相まってアーリオオーリオ・ペペロンチーノという名前を覚えられなかった。彼の中でそれはあくまで”ペペロンチーノ”ではなく”美味しいパスタ”なのだ。

家になんの食材もないことは家主である甲くんが1番わかっていたはず。そんな中で美味しいパスタを作った乙ちゃんを家庭的な女と認識するのは至って自然なことだろう。

解決した。俺の長年の疑問が今解決した。

これを読んだ人は明日職場や学校で

「大親友の彼女の連れが作ったパスタってペペロンチーノらしいよ」

ってドヤ顔で言ってみてください。

頭がおかしいやつと思われること間違いないでしょう。












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