西粟倉村訪問
真庭市を後にした私は西粟倉村へ。同じ岡山県の山間部同士ですが、90kmも離れているので移動が結構大変。ここで活動しているMistletoe仲間にお会いしました。西粟倉に来るのは5年ぶり。前回来たときと同じ宿に泊まります。
この宿はいわゆるゲストハウスですが、夕食にジビエ料理をいただくことができたり、部屋の前の庭で焚き火することができたりしてほっこりします。ここで友人と夜更けまでお話しました。
翌日はこの友人に村内をご案内いただきました。最初は芝桜の公園。
地元の有志の方々が少しずつ手を入れて作っている公園だそうで、景観や休憩所など、年々育っているそうです。
続いて、村北部の山林へ。
第一印象は「明るい!」
とても丁寧に間伐されていて、木々が間隔を開けて育っており、地上まで光が届いています。村の方々が頻繁に手入れされているそうです。さすがです。
友人から「この山の特徴に気づきますか?」と訊かれ、すぐには分からなかったのですが、「ヒントは、もののけ姫」と言われ、あ、それ蒜山の大岩さんも言ってたぞ、と思い出しました。
そう、この辺りは昔「たたら場」だったのです。足元を見ると製鉄の名残りがそこここにありました。
そして、明るい林の中では、この時期ミツマタがたくさん咲いていました。和紙の原料になる木ですが、その名の通り、枝が3つに分かれています。
続いて、村中心部へ。その中でも重要なのが、これ。
近寄ってみると、こういう掲示があります。
そう、木質バイオマスを活用した地域熱供給システムのボイラーなのです。ここから周囲の行政施設や学校・保育園などに温水を供給しています。
ちなみに、電気は小水力発電で賄っているそうです。村内に1966年から働き続けている発電所があります。
そして、最近もうひとつの落差のゆるやかな発電所が稼働しています。
このバイオマスボイラーが熱供給している図書館に行って、もうひとりの友人にお会いしました。
図書館と役場が入っている建物も木造で素敵です。この日はホールで地域おこし協力隊の交流会が行われていましたが、数十人ものメンバーがいらっしゃって驚きました(村の人口は約1,300人)。
ちなみに、この日はなんと山椒の花も咲いていました。一年に1週間ほどしか咲かない時期に当たるとはラッキーです。採っても大丈夫な場所を教えてもらって収穫させていただきました。友人が「白洲正子が山椒の鍋が好物で、葉を摘みすぎて木を枯らしてしまったんですよね」と呟いたのですが、今回の旅では偶然にも初日の倉吉市の書店で白洲正子さんの本を買ってたんですよね。奇遇。このあと花山椒は東京に持ち帰って佃煮にしてご飯のお供にしました。最高。
最後に家具メーカーの「ようび」に立ち寄りました。
5年前に伺ったときはできたてだった新社屋は、良い具合に渋い色に変わっていました。そこでは今回の旅の話や私の大学でのプロジェクトの数々をお話したりしたのですが、特に変人類学研究所のことはみなさん興味津々だったようで、とても話が盛り上がりました。
西粟倉村はこじんまりした村で、村議会議員選挙期間中だったこの日はどこに行っても選挙カーに出くわしてしまうくらいでしたが(笑)、「木と暮らす」ということや四季を味わうことの豊かさを感じられるところでした。
これにて今回の旅はおしまい。西粟倉村から鳥取空港までレンタカーを駆って再びコナンたちに挨拶して帰京しました。
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