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債券の利回りはどんな時に動くか教えて欲しい【お客様からの質問シリーズ㉑】

こんにちは
ウェルスパートナー(https://wealth-partner-re.com/)で富裕層向けIFAをしている藤村大星(https://twitter.com/wp_fujimura)と申します。

利上げ期待の後退によって米国債利回りが低下してきているため、社債の利回り変動が大きくなってきました。相場が大きく動く中で「債券の利回りはどんな時に大きく動くか教えて欲しい」とご質問をいただいたので書いていきます。

(1)どのような時に利回りは変動するのか

債券の利回りは金利変動があった時と発行体の信用リスクが高まったときに変動します。
発行体の信用リスクが頻繁に高まることはないので、金利変動があった時の方が多いです。

(1)金利変動があった時

債券の利回りの大きな要因は金利変動です。
金利と債券単価はシーソーのような関係です。要は金利が低下すると債券単価は上昇し、金利が上昇すると債券単価は下落します。

例えば持っている債券の金利が1%だったとします

もし市場金利が2%となった場合、保有している債券の金利は市場金利より低いため、人気が無くなります。人気が無いということは、債券価格が下落してしまうということです。

反対に市場金利が0.5%となった場合、保有している債券の方が金利が高いため、人気になります。
人気があるということは、債券価格は上昇するということです。 

金利変動には中央銀行の金融政策も大きく関係しています。

経済の基本として景気がいい時やインフレが進んでいる時は利上げをすることが多く、金利が高いことが多いです。
景気が良いということは企業業績も良く、株価も高い可能性が高いので、リスク資産に資金が集まり、安全資産の債券は売られて価格が低下する(利回り上昇)ことが考えられます。現在のアメリカはインフレを抑制するために利上げを継続していますが、インフレが減速しているデータなどが揃ってきているのでこれからは「利下げがいつから行われるか」に焦点が移りつつあります。利下げが行われたら現在ある債券の価値が高まるので価格が上昇し(利回りが低下)していきます。

一方で不景気やデフレの時は利下げをすることが多く、金利は低いことが多いです。
景気が悪いということは企業業績も悪化している可能性が高いので、株式のようなリスク資産ではなく安全資産の債券が買われる(利回り低下)ことが考えられます。

(2)発行体の信用リスクが高まった時

金利以外の理由だと発行体の信用リスクの高まりが挙げられます。
信用リスクとは、発行体が財政難や経営不振などの理由により、債務不履行(利息や元本などを決められた条件で支払うことができなくなること)が起こる可能性を言います。

債券の1番のリスクは「発行体の債務不履行」です。信用リスクが高まってきたら「債務不履行になる前に債券を手放したい」と考える投資家が増え、売却が増えるため債券価格は下落します。

最近の例だと楽天グループが挙げられます。携帯事業による赤字が拡大していることで信用リスクが高まり、債券はかなり売られてしまいました。

(3)まとめ

今回は債券単価がどのような要因で変動するかでした。現在は信用リスクは高まっていなく、金利が高いので債券単価が下落していて利回りが高いという状況になります。比較的安心感のある発行体でも高い利回りで投資できるので債券投資は前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

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