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円安で米ドル建て債券投資をするべきか悩んでいる【お客様からの質問シリーズ①】

こんにちは
ウェルスパートナー(https://wealth-partner-re.com/)で富裕層向けIFAをしている藤村大星(https://twitter.com/wp_fujimura)と申します。

最近は「金利は高いが円安で米ドル建て債券投資をするべきか悩んでいる」というご質問をいただくことが増えました。
結論から言うと「債券は為替で悩むよりも金利が高いうちに買うべき」だと思っています。今回はその理由について書こうと思います。


(1)インカムゲインの機会損失が発生する

債券は株式と異なり保有日数に応じて利払いがされます。
例えば、1億円で利率5%の債券を買った場合は500万円(税引前)のインカムゲインになりますが、購入するか悩んでしまい半年経ってしまった場合はどうでしょうか。
1億円×利率5%×1/2年=250万円(税引前)になり、半年分の約250万円が機会損失になります。
今後の為替や金利水準がどうなるかは誰にも分かりません。 相場展開で確固たる自信がある方はタイミングを図って投資してもいいと思います。

(2)投資を継続することで損益分岐為替は下がっていく

債券は買った時に毎年のインカムゲインと利回りが確定するので、保有日数が長くなる程、インカムゲインが確実に積み上がり、損益分岐為替は下がっていきます。
以下の図は為替が150円のときに、利回り5%の債券を買った場合の損益分岐為替です。5年後は117.52円、10年後は92.08円まで円高に耐えられる計算になります。

経過年別損益分岐為替

為替が今後どのような動きをするか分かりませんが、長期的には円安に行きやすいので、100円を割る円高が続く可能性は低いと思います。また、金利が高いうちに期間が長い債券の比率を高めることで利回りを長期間固定することができ、その間は損益分岐為替は着実に下がっていきます。現在(2023/7/3)の利回り水準であれば、10年間の運用利回りが5%の債券ポートフォリオを構築するのは難しくないです。

(3)円高になる時はアメリカの金利水準も下がってしまう可能性が高いから

円高かつアメリカの金利が高い時に債券の購入ができればベストですが、現実は甘くないです。
金利と為替は連動して動くことが多いです。円高になる理由は「アメリカの金利が下がることによる日米金利差縮小で円が買われるから」で、金利が高い時は為替も高く、為替が安くなっている時は金利も低くなっている場合が多いということです。簡単に言うと片方がいい時はもう片方は悪いという関係性になります。

ここ1年でそれを象徴するような出来事がありました。以下の図はドル円とアメリカ10年国債金利の1年チャートです。

ドル円とアメリカ10年国債金利(1年間)
出典:Trading View

昨年の11月のことは記憶に新しいと思います。アメリカ10年国債金利が4%台をつけ為替が150円だった時です。債券の利回りが高まり買い場だったかのように思えますが、150円まで円安に進み債券を買うべきか悩んだ方も多かったのではないでしょうか。

例外としては、日本独自の要因で円高が起こるパターンです。上のチャートだと昨年の12月から2月頃です。アメリカの金利はそこまで動いていないですが、為替は日銀がYCCの修正等の発言をして一気に円高に振れました。 こういう時は「円高かつアメリカは高金利」という良い条件で債券が買えます。
しかし、日銀の金融政策転換のタイミングを当てることは困難ですし、日本要因での円高が来るのを待つのは機会損失にもなってしまいます。
いつ来るかわからないものを待つよりも、投資をすることで損益分岐為替は下がるので高い利回りのうちに固定したほうがいいと思います。

(4)最後に

今回は、円安が進む中での米ドル建債券投資についてお客様から頂いたご質問を例にしてみました。難しい局面での債券投資の一助になれば幸いです。

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