12月24日の日経新聞で、「ニトリ純利益12%減 3~11月、初の2年連続減益」というタイトルの記事が掲載されました。円安が痛手となって、海外生産の費用が膨らんだことによる影響だということです。
同記事の一部を抜粋してみます。
一般的に、円安は輸出企業にとってプラスの効果があり、輸入企業にとってはマイナスの効果があると言われます。同記事を見ると、そのことが改めて見てとれます。
1円の円安で年約20億円の減益要因ということは、10円円安で約200億円の減益となります。海上輸送の運賃上昇の影響も、年間で100億円以上減益要因になっているとあります。急激に円安が進んでいた環境下では、為替予約をするのは利益確保のための経営判断だったと言えると思います。
冒頭の段落からはネガティブな印象を受けますが、決してそんなことはないと思います。売上高6317億円に対して営業利益は950億円です。営業利益率は15%を超えていて、減益後でも超優良企業であることは変わりません。売上高は、コロナ禍の数年間も含め対前年比で伸び続けています。商品への価格転嫁もコントロールできていて、グローバルな視点からもトータルで適切にマネジメントされている状態と言えるのではないかと想定されます。
同日付の記事に、次のようにありました。(一部抜粋)
20年も連続でベアを実施できている企業は、他になかなかないと思います。4%というのは、最低でも消費者物価上昇分を上回る規模という意味合いでしょう。従業員対応もかなりしっかりなされている印象です。
そして、転勤のない人事制度や休み方の選択肢を広げるなど、多様な働き方を可能にする仕組み化を目指していることが注目されます。(詳細な制度内容は存じ上げませんが)同社と言えば、拠点異動を含む配置転換を通して行う「配転教育」を人材育成のテーマのひとつとして掲げてきています。上記記事内容からは、従来の良い部分も残しつつ、より多様な人材の活躍の場を広げる新たな段階に入ったのかもしれないと思われます。
前回、企業側の人材獲得、働く側の能動的な能力開発・仕事選びの動きが、ますます盛んになっていくであろうことを考えました。そのことも彷彿させる記事内容だと感じます。
<まとめ>
環境変化を想定し、自社の取り組み施策に落とし込む。