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念ずれば花ひらく(2)

前回は、坂村真民氏の著書「詩人の颯声を聴く」(致知出版社)の教えから、自分の軸を持つことの大切さについて考えました。

同書には次のようにあります。(一部抜粋)

男は誰にでもできないことを一つでもいいから持て、というのがぼくの生き方。ぼくは誰でもできないことを一つしていますからね。それは夜が明ける前に起きるということ。目が覚めたら夜が明けていたというのがいっぺんもない。

一道を行く。僕はこの言葉をよく本の扉書きにします。僕はそういうタイプの人間です。頭のいい人は愚直に一筋のものに賭けるということをしませんね。しかし、花は一瞬にして咲かない、大木も一瞬にして大きくはならない。一日一夜の積み重ねの上に、栄光を示すんです。

坂村氏は「男」と表現していますが、個人的には性別関係ないと思うので、私は「人」と読み替えて読んでいます。自分にとっての軸を「一道」としてもつことの大切さを示唆しています。

年明けというタイミングで同書から感じたことの2つ目は、「大宇宙大和楽」の視点をもつことです。「大宇宙大和楽」について、同書で次のように説明されています。

世界のあらゆる宗教、あらゆる学問を一緒にして大宇宙は大和楽である、そういう想念を皆さんの中に、黒い人にも白い人にも持つことができれば、ぼくはこの地球はよくなると思います。

ぼくは最近「大宇宙大和楽」ということをよくいうのです。地球はいまも時速十万キロで回っている。しかも、10万キロで回転していても、地球の重力、宇宙の引力で微動だにしない。そういう力を自分が受けとって、自分の病気を治していくというのが、いまの私の生き方なんですね。

事業も自身の行動も、宇宙の生成発展の法則に沿って行うべきということは、松下幸之助氏や稲盛和夫氏も言われていたことです。

自分自身が大宇宙に生かしていただいているという思いをもって、日々物事に当たっているか。私はこれまで不十分だったという振り返りです。自分目線の生活ではなく宇宙の視点でよき一日を送れているか。これから、日々問いかけながら行動を変えていきたいと思います。

宇宙の生き方に自分の生き方を合わせるために、毎日明け方に呼吸をしていると坂村氏は言っています。毎日明け方に起きるかは別ですが、、その背景となっている視点はとても示唆的だと思います。

だから呼吸は大事です。ぼくもしょっちゅう、腹式呼吸をする。象の呼吸なんか非常に長いんです。だから長生きします。猛獣は胸で呼吸しますから、早く死にます。百獣の王の獅子や虎でも三十年ぐらいです。だから、息を長くするというのが一番大事。夫婦喧嘩なんかしよると呼吸が乱れて短くなる。そうすると、どっちも早く死んでしまう。で、今の人は皆、胸で呼吸しています。だから、すぐに怒って、すぐ喧嘩して、単細胞的な犯罪が出てくる。

未明っていうのは、この宇宙が電波のように動いて行くときです。暗い世界から明るい世界、院の世界から陽の世界、あらゆるものが動いて行く。そこに、じっと身を置いて、その電波を受けて詩が生まれてくる。

3つ目は、決めたことを徹底してやり抜いたうえでの「念ずる」ということです。

坂村氏は、毎日欠かさず未明混沌に宇宙の光を吸う、そのエネルギーで詩国を発刊する、それを一回も休まなかったと言います。私は、坂村氏が夜明け前に自然と目が覚める人なのかと思って読み進めていましたが、あとがきでそれは違うと思い知らされました。

「本当は遅くまで寝ていたいけども、起きて宇宙の光を吸う。だからこそ、人々の心に響く詩が書ける」とあとがきにあります。

思いついたように念ずればそれで花がひらくかというと、決してそうではない。一道を極めるためにやり抜くと、自分と約束したことを徹底して日々実践したうえで念ずるからこそ花ひらくのではないか。坂村氏のメッセージに込められた真意を、私なりにはそのように汲み取りました。

坂村氏は、「明治、大正、昭和、平成と生きてきて、今が一番悪い」と言っていました。社会全体がはたしてそうなのかは別として、以上の3つの視点でかかわりあう人が増えれば、世の中がより良くなっていきそうだとイメージできます。

自分にとっての一道、その基軸となる日々の実践行動を定義し取り組む、そして日々念ずる。今年を、そのような習慣を少しでもつくって大切にしていく元年にしたいと思います。

<まとめ>
「大宇宙大和楽」の視点をもつ

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