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【ともに、鞆の浦(後編)】まちと出会い、関わりを見つけて“また行く理由 ”をつくる旅|広島県福山市

「ともに、鞆の浦。」は、鞆の浦と関わりを見つけたい藤本和志(ふじもと かずし)さんが案内人となり、クリエイターとともに旅をしながら、地域に対する想いや考え・地域との関係性を可視化するためのアウトプットをつくる試みです。後編は、藤本さんが考えたい鞆の浦との関わりや、参加クリエイターの感想をお届けします。
(文・並河杏奈 写真・橋野貴洋)

前編はこちら:
【ともに、鞆の浦。】まちと出会い、関わりを見つけて“また行く理由  ”をつくる旅(前編)

ひとりの鞆の浦ファンとして、まちの外からいい流れをつくりたい

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--イメージされているのは、一方通行ではない地域との関わり。

藤本:関わりは見つけたいけれど「鞆の浦がこんなまちになってほしい!」とか「まちに対するインパクトをつくりたい!」とは思っていないんだよね。つなぎ役として、鞆の浦の魅力を見つけて、地域内外に伝えていくようなことができたらいいなって。そういう意味では、広報の役割が近いのかな。鞆の浦の広報屋さんです、僕は(笑)。

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藤本:少なくとも僕にとって、鞆の浦は帰りたくなる場所なんだよね。何か刺激をもらうというよりは、心を整えてくれるような、パワーをもらっているようなイメージかな。だからこそ、一時的にたくさんの人が押し寄せるような観光ではなくて、訪れた人がまちのファンになって、2回、3回リピートしたくなるような目的や関わりをどうつくれるかなんだと思う。

--「整う」でつながる銭湯と鞆の浦!今後、藤本さんがチャレンジしてみたいことはありますか?

藤本:宿泊施設と一緒にワーケーションのプログラムや、企業向けのフィールドワーク・研修などの滞在型パッケージがつくれないか模索しているところ。地域側にも都市部側にもどんな需要があるのかは、やってみないとわからないしね。まずはちょっとずつ、僕のまわりにいる人たちにも滞在してもらう機会を増やしていけたらいいな。あとは、鞆の浦の魅力を僕が名刺がわりに伝えるための、鞆の浦の生産者とコラボした商品がつくれたらなと思っています。

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--何度かキーワードに出てきましたが、藤本さんがさまざまな人を混ぜていくような「関わりづくり」や「交流」を大切にしているのはなぜでしょう。

藤本:多様なコミュニケーションや場から何かが生まれていくことが多いよね。限定的なコミュニティやグループで固まるよりは、世代も仕事もごちゃ混ぜにしていく方がいいし、思いがけないところで新しい気づきや発見がある。わからないもの同士が話していくうちに、肩書や境界を超えていける楽しさがあるからだと思う。そういう自分自身と鞆の浦の資源をどうかけ合わせていけるのか、かけ合わせた先にどんなことができるのか、これから見つけていけるといいな。

2日間、旅をともにした参加クリエイターの感想

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藤本:実際に滞在してみて、それぞれのまちの印象はどうだった?次に訪れるならどんなことをしてみたい?

並河:私は、鳥井さんに案内してもらった「NIPPONIA」に泊まりたいですね。お話にあった鍛冶の体験のように、そこでしかできない体験をしてみたい。あとは、鍛冶屋のオーナーが運営する「さくらホーム(※1)」もゆっくり訪れてみたいです。福祉とまちづくりのお話を聞いたので、滞在しながらじっくり理解することで鞆の浦の一員になれる気がする。あとは、保命酒の文脈で養生に特化したリトリートプランがあったらぜひ参加したいです(笑)。

(※1)さくらホームとは・・・江戸時代の商家をリノベーションした、地域密着型多機能ホーム。「家族と結ぶ、地域と結ぶ」という理念のもと、地域と福祉の距離を近づけるべく、駄菓子屋やゲストハウスの運営も行っています。
HP:http://www.tomo-sakurahome.net/

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▲「NIPPONIA 鞆 港町」の宿泊棟。

橋野:次に来るなら、お話を伺った羽田さんや佐藤さん、鳥井さんのような地域で事業をしている以外の人たちとも話してみたい。例えば、喫茶店にいるような地元のおじいちゃん、おばあちゃんとか、暮らしの延長をゆっくりじっくり体験してみたいかな。一週間くらい滞在してみたら、鞆の浦がまた違って見えるのかもしれないな。山好さんの天ぷらも食べたいし。

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▲826年に弘法大師・空海によって開基された「医王寺」からの風景。

川浪:普段、福岡に住んでいると、リフレッシュしたくてカフェに行っても、人が多くて逆に疲れてしまうことがあって。2日間、鞆の浦を歩いているだけで幸せを感じたし、吹く風や流れる時間を感じるだけで心地が良かった。住んでいる人にとっては日常だし、当たり前かもしれないけれど。今回はふじもんに案内してもらえたことで、次に友だちと来たら案内したくなるポイントがいくつも見つかりました。

橋野:これまで、誰かにまちをアテンドしてもらうことはあまりなかったけど、こういう旅もいいよね。あと、今回は写真や映像を撮る目的があったので、制作をする視点からまちを巡れたのはとても新鮮だった。見聞きした魅力をどう伝えるのか、考えながら巡るのはおもしろかったです。

川浪:マップを制作するために、もう一度地域のことを調べたり滞在を思い返したりしていたので、すでに2回目の旅しているような気持ちになっていて(笑)。風景や人を巡るなかで、どういう目的の人に来てもらえるといいのかを考えながらマップをつくりました。

藤本:2回旅をするっていいよね。案内させてもらった人がまた次の人を案内するような、いい連鎖が生まれていくと僕もうれしいです。今回のようにクリエイターのみんなが、滞在からそれぞれが制作物をつくっていく過程を通して、僕自身もまちに対する解像度が高まったし、完成した記事や映像やマップを通して、僕が伝えたい鞆の浦の魅力を届けられたらいいなと思います。

何度も訪れたい「ともに、鞆の浦」オススメMAP

“鞆の浦、いいなあ。”が高じて、マップをつくりました。ふじもんが何度も訪れてしまう理由を探り、「場・食・風景」の3つのポイントから鞆の浦の巡り方を提案しています。
(制作・川浪ひかり)

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