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競売入札シミュレーション 大阪地裁本庁編R2.12.8開札①

さて、今回取り上げるのは「一戸建て」をチョイス!

今回は、投資用としてシミュレーションをしていますが、どちらかというと実需でご自身が住む。もしくは買取再販として販売する。

そちらの方が向いている物件です。

また、今回こちらの物件を取り上げたのが、現在、任意売却で並行して売却活動もされておられるようなので、そちらの金額も交えて見ていきたいと思います。

大阪地裁本庁

土地が2件・戸建てが25件・マンションが13件で、合計40件の開示です。

前回の公示と比べ1件増えました。

入札物件の期間は、

入札期間は11月26日~12月2日

開札期日は12月8日です。

では、早速見ていきましょう!

事件番号 令和02年(ケ)第296号
売却基準価額 8,280,000円
買受申出保証額 1,660,000円
買受可能価額 6,624,000円

種別:土地
物件番号:1
所在地:東大阪市日下町八丁目
地目(登記):宅地
土地面積(登記):101.64m2
用途地域:第一種低層住居専用地域
建ぺい率:60%
容積率:150%
種別:建物
物件番号:2
所在地:東大阪市日下町八丁目
種類(登記):居宅
構造(登記):木造スレートぶき2階建
床面積(登記):
1階:57.51m2
2階:43.74m2
間取り:4LDK
敷地利用権:所有権
占有者:債務者・所有者
築年月:平成19年7月

■ポイント■

★物件明細書より
3.買受人が負担することとなる他人の権利
【物件番号1,2】
なし

4.物件の占有状況等に関する特記事項より
【物件番号2】
本件所有者が占有している。

5.その他買受の参考となる事項より
なし

★現況調査報告書より
1.建物所有者が本建物を住居(空家)として占有している。
2.ソーラーパネル及び温水器が設置されているが、稼働及び購入(ローン購入等)状況は確認できなかった。
3.雨漏り及び腐食箇所、ドアの損傷、内壁のクラック及び内壁の穴(補修箇所)が認められた。
4.電気は無計量であった。
5.立ち入り調査後、お知らせ文書を差し置きしたが、相当期間経過後、権利主張する者はいない。

※関係人の陳述等より
【近隣住民】より
1.目的建物は、空家です。

※執行官の意見より
1.目的建物は所有者が住居(空家)として使用、占有しているものと認める。

※間取り及び室内写真より
1.間取りは4LDKの2階建てになっているようです。
2.電気温水器が見受けられます。
3.室内にはほとんど残置物は見受けられません。
4.雨漏り及び腐食箇所の写真が掲載されています。
5.エアコンが数台残っているようです。
6.ソーラーパネルの写真も掲載されています。

★評価書より
1.最寄駅から約1000m。徒歩約13分。
2.接面道路の状況|南東側、幅員約4m市道(建築基準法第42条2項)
3.ライフライン|上水道、ガス配管、下水道すべてあり。
4.経済的耐用年数|約17年となっています。
5.保守管理の状態|やや劣る。
6.建築確認あり、検査済み証有。
7.基礎となる価格として約1478万円が評価額として算出されています。
8.評価人の算定した想定賃料がないため近隣相場より算出すると8万円/月。年間で96万円となります。

【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

計算式1【売却基準価額での計算】
96万円÷828万×100=11.59%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
96万円÷1478万×100=6.49%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
96万円÷1182万×100=8.12%(表面利回り)

上記のようになりました。

ご覧頂くとお分かりいただけるとおり投資用物件としては利回りは低いです。ただ、築年数が比較的新しいことがプラスでしょう。

★入札時のポイント★

冒頭でも書きました通り、不動産投資物件ではなく、実需、買取再販向きの物件です。

また任意売却で長らく販売されていますが、現在もレインズに掲載されています。

任意売却で活動されているのに、所有者は執行官と連絡が取れていないことは凄く不思議な感じがしますよね。

ちなみにこのブログ掲載時の価格は1180万円で債権者の抹消同意が必要として販売されています。

評価人が算定した価格よりも低い金額で、売却基準価額よりも高い金額。

もしかして売れていないのは、室内のコンディションが問題なのかもしれません。

買取再販事業者が、内装と雨漏りの補修をすれば、売却もスムーズに進みそうな感じもします。

ただ、場所柄、山手にあるため、遠方からのお客様よりも近隣でのお客様がターゲットになろうかと思います。

さてさて、こちらの物件はいくらで落札されるのか?

不動産会社であれば、現在の販売価格も知っておられるので、その金額を見たうえでどのような価格になるのか?

とても参考になると思いますので、開札結果をお楽しみにお待ちください!

※注意しましょう!
現在、入札する添付書類が増えています。
「陳述書」です。
せっかく調査して、振込して、提出する入札書です。
くれぐれも書き間違い、書き損じ、書き忘れなどがないように注意してください。
これから入札検討される方は、「陳述書」の添付気を付けて下さいね。

※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

現在は、自身でも入札をしています。
個人的に入札するのは、表面利回り20%以上の見込みがる物件のみです。
なので、ビギナー向けではありません。
これから不動産投資を始めたい、競売で購入したいとお考えの方はビギナー向けの物件から始められるのがよいでしょう。

個人的には1R,1Kタイプがお勧めです。収入は低くなりますが、マンション全体の管理を管理会社がしてくれるので、御自身の負担は少ないです。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


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