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ギガスクール構想の背景とは?

 国のギガスクール構想、小中高でのIT利用の教育普及は、すばらしいことです。ところで、ギガスクール構想の背景とはそもそも何なの?と考えられたことがありますか?
 今年夏、奈良県生駒市教育委員会が行った、いこま教育フォーラムにリモート参加させていただきました。その際、登壇されていた、小﨑誠二さん(奈良教育大学)のスピーチの一部をまとめさせていただきました。
 
 文部科学省の「教育データの利活用に関する有識者会議」のメンバー、ICT利活用教育アドバイザーでもある小﨑さんによると、ギガスクール構想の背景とは、「人口減少」とのことです。

上の図は、日本の人口の推移ですが、急激な減少、高齢化率の高さは、日本独特のものです。家族のモデルは、
「おじいさん、おばあさん、お父さん、お母さん、子ども」
から、
「ひいおじいさん、ひいおばあさん、おじいさん、おばあさん、お父さん、お母さん、子ども」
に変化していく。これで、社会をまわしていかなければならない。
 様々なサービスが人手不足で低迷していく。現代人の豊かで便利な暮らしを維持する。それには、子どもに、ICT教育を提供しておかなければならない。ここが原点の考えだそうです。
 コロナ前の2018年のデータで、先進国(OECD38国)の子どもの調査で、日本の子どもは、「ゲームで遊ぶ時間」は最高でした。「コンピュータを使って宿題をする」は最下位でした。逆じゃないの?と思ってしまいますよね。学校で、共同作業で使う頻度も、38国中、最下位でした。これは、成人後のビジネスに必要なスキルです。
 「コンピュータを使って説明できない」だから、世界で敗け続けている、、、

 小﨑さんは、情報化社会の教育では、ネットワーク環境が必須と説きます。
明治大正の教育は「解答を学ぶ」というやり方、昭和になると「正解を探す」というやり方(知識を得る)、平成は、これもいい、あれもいい、正解ではなく「最適解を求める」やり方。では、いろんな情報が飛び交う令和の教育はというと、「納得解を求める」やり方と説きます。
納得解とは、この子はあのやり方、あの子はこのやり方、それぞれのやり方(情報化社会での情報選択)で、納得しながら正解に至る。あるいは正解はないかもしれない。みんなで、合意し、納得することが必要になります。合意のためには、ICTという手段と学校(ギガスクール)という場が必要になるということです。
 ギガスクールでは、学校に高速通信環境を、子どもに一人一台の端末を提供しました。
 住んでいる地域や学校の規模や家庭の環境に関係なく、すべての子どもたちに、最新の、質の高い、学習環境を整える。
 この誰一人取り残さない取組は日本独特のものです。
 私たち自治体関係者、大人は、未来への責任として、人口減少高齢化社会を生き抜く子どもたちのIT学習環境の整備の拡充、バージョンアップを、不断に進めていかなければと思います。

 

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