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今日の手術

今私は病院のベッドに横になっている。
頭部瘢痕の手術だ。
頭蓋骨を切り取り血腫をとり、人工骨をいれる。
そんな1年半前の手術に比べたら大したことはない。

19日朝、5時50分に目が覚め
6時までに2本の経口補水液を飲み干し
8時50分、手術室に向かう。

面会禁止のため、エレベーター前で
母に会い、エレベーター内で
他愛ない会話をし
バイバイといって手術室に入る。

今回で4回目の手術。
恐怖心などもうない、そう思っていた。
手術室独特の冷たい風が流れる。

名前を伝え中へ入る。
細い手術台の下に小さな黒い台。
登って仰向けになる。
『あー、手術がはじまるのか。』
そう思った瞬間少し恐怖心が芽生えた。

点滴から流れる麻酔。
口を覆う酸素マスク。
歪む視界。
目が覚めるとまだ手術室だった。
今までは病室で目が覚めていたので
少し驚いた。
看護師や担当医と少しの会話をし、
エレベーターへ向かう。
母と父がいる。
何を話したかは覚えていない。

病室に着く。
頭の痛みと喉の渇き。
ドレーンという管が頭からでている。
ああ、またこれか。

12時に手術が終わり
16時には飲水ができた。
ただただ痛みに耐え眠るだけだ。
やっぱり手術なんてしなくて
済むならしたくないと思った。

18時、ご飯の時間だ。
それまではお腹が空いていたはずなのに
いざご飯が来ると気分が悪くなり
ほとんど口にすることができなかった。

それからもただただ痛みと
気分の悪さに耐え眠るだけである。

今、やっと気分の悪さがなくなってきた。
お腹が空いた。
朝ご飯まであと4時間。

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