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フジマルがアピアランスケアについての請願書を川崎市に提出するワケ

こんにちは♪
フジマルママです!
2024年3月、フジマルは川崎市議会へアピアランスケア助成金についての請願書を正式に提出いたしました!

なぜ、一介のビール屋の私が行政に向け請願書を提出することになったのか?

また、現在住んでいる自治体にアピアランスケアについての助成制度がなく、困っている方の参考になればと、請願書提出までの道のりについてお話しします。

フジマルユーザーが乳がんに

アピアランスケアという言葉をつい最近、知りました。アピアランスケアとは、国立がんセンターが2012年に造った造語で、「がん患者の外見の変化に起因する苦痛を軽減するケア」を指すそうです。

2023年10月、フジマルの常連さんますみっちから、乳がんを患ったと打ち明けられました。

そんな折、何度もフジマルやプロパガンダ(フジマル2号店)に来ていた由美ちゃんも2022年の秋、乳がんに罹患し、現在も治療中だと知りました(ご本人達の希望で、公表しています)。

ますみっちと由美ちゃん

彼女達とお話ししている過程で、全国的にアピアランスケアという言葉が認知されていく中で、川崎市にはアピアランスケアに対する助成金がないと知りました。

これまで毎年、児童や女性への支援を行ってきた経緯がフジマルにはあります。
実際、病気になったご本人が行政相手に行動を起こすのは、体力的にしんどいと想像します。
私だったら、家事や仕事をしている以外の時間は、なるべく身体をいたわるために休んでいたいと思うでしょう。
そんなことから、ご本人達に代わってフジマルが、アピアランスケア助成金を川崎市に作っていただけないかと動くことになりました。

医療用ウィッグがなぜ必要か?

抗がん剤治療による脱毛は最短でも1年、長い場合には数年以上にわたります。
最近では、通院による抗がん剤投与や相対的に職場環境が改善されたことなどから、がんに罹患しても仕事を継続することが可能となりました(もちろん例外もあります)。

しかし、がん患者に対する偏見や理解不足も未だ強く、がんに罹患したことを周囲にさとられないよう医療用ウィッグを使用して、生活する方が多いのも事実です。

また、周囲にがんに罹患したと伝える場合も、職場でのこれまでの関係性に変化をもたらさないために、多くの患者さんが医療用ウィッグを利用しています。

脱毛対応策として帽子やウィッグ付き帽子を着用する患者さんもいますが、それらの着用が職場規律により認められていない事業所も多いようです。

例えば、制服着用が義務化されているスーパーや外食チェーン、営業職などに従事している方は、これまでと変わりなく働くために、医療費ウィッグが必要となるのです。

美容室でカット後の医療用ウィッグ

医療用ウィッグの目的とは?

医療用ウィッグは、

1.患者の社会参加
2.患者のQOLの向上
3.患者の職業、学業の継続

を目的とします。

市内5か所のがん拠点病院(聖マリアンナ医科大学病院、川崎市立井田病院、関東労災病院、川崎市立川崎病院、新百合ヶ丘総合病院)では、抗がん剤治療計画を患者さんに説明する際、脱毛の対応策として患者さんの希望により医療用ウィッグを準備する旨を伝え、ウィッグ専門店のパンフレットの配布を行っています。

なぜアピアランスケア助成金が必要なのか?

医療用ウィッグは大きく分けて2つに分別することができます。
1.人毛、手植えの高額商品
(メンテナンス費用含め15万〜30万円以上)

2.人工毛、機械植えの低額商品
(5000円〜15000円程度)

その他にウィッグハンガーや専用のシャンプー、トリートメントなどメンテナンス用品やウィッグずれ防止のヘアキャップなど付属品も必要となります。

長期的な治療計画に取り組む方は、使い続けても傷みの少ない人毛を、短期的な治療に取り組む方は、人工毛か混合毛などの比較的低額な商品を選ぶ傾向があります。

しかし、使用頻度が高くなると傷みが激しくなることから、低額商品を購入する場合は、複数購入するケースが多く、どちらを選択しても患者さんにとって医療用ウィッグ費用は大きな負担となります。

また、医療用ウィッグは保険適用が効かず、医療費控除の対象外。医療用ウィッグ助成が交付されることは、患者さんの経済的負担を少しでも軽減すると期待できます。

がん患者の経済的負担について

製薬会社のEisaiが2012年に乳がん経験者400人を対象に行ったWEB調査(楽天リサーチ、複数回回答)では、
「乳がんになって辛かった悩みは?」との問いかけに400人弱が、「治療や生活に関連する費用がかさむ」と経済的負担について回答しています。

また、57%の者が、「医療用ウィッグが高額」と医療用ウィッグの負担を指摘しています。

全国医療用ウィッグ助成金交付制度について

現在、乳がん患者のSNSグループ内から、「都内では多くの自治体が助成金を交付しているのに対し、川崎では医療用ウィッグの助成制度がない」とアピアランスケア助成金を望む声が多数上がっています。

県内では、横浜市、相模原市、鎌倉市、大和市、寒川町などが医療用ウィッグの助成を行い、全国規模で見ると20政令指定都市中、15の都市で助成金交付が行われています。

政令指定都市である本市は、財政が豊かな大規模都市でありながら、アピアランスケア(外見の変化に起因するがん患者の苦痛を軽減するケア)に遅れをとっているのは否定できない気がします。

全国619の自治体に医療用ウィッグ助成制度が存在し、県全体でアピアランスケアの助成金交付に取り組んでいる県は、福島県、茨城県、岐阜県、三重県、島根県、鳥取県、広島県、山梨県、香川県、宮崎県の10県にものぼります(2024年1月現在)。

本市もホームページの中で、神奈川県立がんセンター内のアピアランスセンターを紹介していますが、助成金申請について本市は対象外となるので、市内在住のがん患者のアピアランスケアは現時点では不十分だと言えます。

以上のことから、川崎市がアピアランスケアについての助成金を前向きに早期検討していただければと請願書を提出することになりました。

住んでいる自治体にアピアランス助成金がない場合、どうしたらいいか?

私は今回、請願書を提出するにあたり、まずは現職の市議会議員さんにご相談いたしました。

現職市議会議員のかがみまさひこ氏に
ご相談にうかがいました。

一般市民が行政に対して要望がある場合、いったいどうしたらいいか?
多くの方が行動を起こす以前に諦めてしまうのでは?と感じます。
川崎市に限らず、すべての行政は、市民の声を聞く窓口が設置されています。

例えば市長への手紙や質問箱、役所の相談窓口、現職市議会議員さんへの相談、嘆願書や請願書がそれにあたります。

市役所へ相談することもできる

内容が市民全体の利益にならず、偏ったものは市議会で取り上げてもらうことはできませんが、公平性のある意見であれば、声を上げる価値はあると思います。

正攻法で声を上げてみましょう!
現在治療中で体力的に自信のない場合は、身近な人に意見を伝えて手助けしてもらうといいかもしれません。

そしてこちらが今月、川崎市議会に提出する請願書に添付する署名用紙です。署名が多ければ請願が通るというわけではなく、賛同していただける方が連名で請願書の提出人となります。

こちらが署名用紙です。

フジマルでは、店舗内に署名用紙を設置し、また患者さんご本人のご協力のもと、130人分の署名を集めることができました。

議会での様子は配信中継で

請願書の内容が採択されるか否かは、直接、市議会に足を運んで傍聴することができます。
また、配信中継されるので、体力に不安のある方やお仕事でその日、現地に行くことが出来ない方も、自宅や職場で配信を見守ることが可能です。

共感こそが前に進むチカラになる

これまでフジマルは、主に児童や女性に対しての支援を行ってきました。
辛い思いをしている本人の立場に取って代わることはできませんが、どのように辛いか、何に困っているかなど、思いに耳を傾け、自分だったらどうなのか?と共感することはできます。
人間には、その想像力があると私は信じています。
課題が見えて来たら、後は解決する具体的な方法を模索してみるのみ。
フジマルには、多くの仲間がいます。
共感こそが前に進むチカラになる!
これからもみなさんのご理解、ご協力よろしくお願いいたします。

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