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【成功談・失敗談】ゼロウェイストを目指す藤間の長い道のり

前回の記事をご覧いただいた方はご存知かもしれないが、今年の夏に環境問題に初めて関心を持ち、その深刻さに衝撃を受けた私。個人にもできることはあるはずだと考え、少しずつ生活を見直すようになった。その中のひとつが“ゼロウェイスト(ごみのない暮らし)”を目指す活動だ。

とはいえ、これまでの私の生活はなんともプラスチックフレンドリーなものだった。もちろん今も、「プラスチックは断絶すべきもの」とは考えていない。私のつけているコンタクトも、コンタクトを外したあとにかける眼鏡もプラスチックだし、どうしてもなくしてはいけない部分もあるとは思っている。それにしたって、ビニル袋やストローから始まり、身のまわりにはプラスチックが溢れてかえっていたのだ。

まず私(そして夫)がはじめたのは、使い捨てプラスチックをなくすこと。というより、プラスチックに限らずすぐにゴミに変わってしまうものはなるべく使わないよう心掛けた。今回は、我が家でこれまでに行った“ローウェイスト(ごみの少ない暮らし)”な試みを、成功談・失敗談をあわせていくつかご紹介したい。

1.ゴミ袋をやめた

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もはや、買い物でビニル袋をもらわないほうがよいというのは日本人の共通認識となっているように思うが、「そうは言ってもビニル袋がないとゴミが出せない」と思う方は多いのではないだろうか。私も「ゴミ袋を買うくらいなら…」と罪悪感を抱きながらレジ袋を受け取っていたひとりだ。

しかしあるとき私は考えた。「本当にゴミ袋がないとゴミは出せないのか?」と。一縷の望みを持ちながら住んでいる区のサイトを開き、ごみの出し方を調べ直すと、そこには「半透明のごみ袋・もしくは容器にて回収」と書いてあるではないか!

容器って何?ポリペール?何に出しても回収してくれるってこと?と興奮気味に区役所の環境清掃部へ問い合わせる。すると、「本当になんでもいいんですよ。ただし、汚れてしまうので生ごみは新聞紙でくるんだりして出してくださるといいかと思います」と丁寧に回答してくださった。思わずモニターの前で拍手したくなる。

というわけで我が家はこの小さなステンレスバケツにごみをそのまま入れることにした。新聞はとっていないので、生ごみはうんざりするほど毎日ポスティングされているチラシやDMに包むことにした。あとはバケツにフタをしたまま、指定の曜日の朝軒先に置いておけば、きちんと回収されている。初めて回収された日の朝には、ステンレスバケツをひっくり返して回収してくださる清掃員の方の姿を、夫と揃って窓の上から眺めて感謝したものだ。いつもありがとう、清掃員さん。

もちろん回収が軒先ではなく、指定の収集所であったり、そもそもゴミ袋が市町村区の指定のものである場合もあると思うのだが、「もしかして?」と思う方は一度お住まいの自治体のサイトを確認し直してみてもいいと思う。お恥ずかしながら無知な私には、サイトを改めて見てみることでたくさんの発見があった。チラシやDMも資源ごみで回収されることとか…。

2.市販の洗剤をやめた

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皆さんは、“ソープナッツ”という木の実をご存知だろうか。日本でいう無患子(むくろじ)の実なのだが、日本でも古くは洗髪やシャボン玉液として利用されていた、洗浄効果のある木の実なのである。

私が参考にしているゼロウェイストライフを送る人々の多くが、ケミカルな洗剤をやめ、ソープナッツで洗濯をしたり皿洗いをしたりしていた。これで本当に問題なく洗えるのなら、有害物質を排水することもなく、プラスチック容器を捨てることもなくなるのだからいいことづくめである。とはいえ「本当にこんな木の実で汚れが落ちるのか?」と疑心暗鬼になりながら、メルカリでソープナッツを検索してみる。250g・500円!?ためらうこともなく購入…。

洗濯の場合は、だいたい5kgの洗濯物に対して6粒くらいをコットンのハンカチにくるんで投入。難しいことはなにもなく、ただ一緒に入れて回すだけ!市販の洗剤のように甘い香りはしないけれど、汚れはきちんと落ちている。

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食器用洗剤の場合は、水100mlに対しソープナッツ1粒を鍋に入れ、20~30分煮出し、茶こしで濾したものを容器に注ぐだけ。あとは汚れた食器にそのまま垂らしたり、食器洗いにつけたりして洗えば油汚れもしっかり落ちる。

ただしウレタンスポンジとの相性は最悪で、後述の麻たわしやびわこふきんなどの布製品と併用したほうがいいと思う。ソープナッツの洗剤はただでさえ泡立たないので、スポンジを使用するとただ吸収されて終わる。

あと、もう1つ失敗談として紹介するとすれば、画像のソープボトル。我が家は保存容器にメイソンジャーを愛用しているが、amazonでたまたま見つけたメイソンジャーのソープボトルを購入したら、これが公式ではなくまったく別の会社で改造されたまがい物だった。3日くらいで壊れたため、今はニトリのビネガーボトルを使用している…。メイソンジャー部分はふつうに保存容器として再利用しているが、無駄な買い物であった。

3.ウレタンスポンジをやめた

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先述の通り、市販の食器用洗剤をやめたタイミングでウレタンスポンジもボロボロになっていたため、変えることに。ボロボロになったウレタンの細かいカスは排水されていたのかと思うと胸が痛む…。

私が縫い物や編み物などの作業が不得意なのに対し、服飾系の学校を出ている姉は手先がド器用なため、たいていのものは自分で作れる。そんな姉に甘えていたがために未だに不得意なような気もするが、姉が麻のたわしを編んでくれたため、それを使うようになった。

するといままでなぜスポンジにこだわっていたのか?というほど見事に汚れが落ちた…。使い込んで油を吸ってしまうと威力が落ちてくるものの、使いたてはソープナッツの食器用洗剤がなくてもきれいに洗えるほど。天然の麻なので処分する際にも安心!これは大成功で、今後も使っていきたいと思っている。ゆくゆくは自分で編めるようになればいいのだが…。

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浴室のスポンジも、研磨されるたびに排水されていくことを思うと心配になったので、変えてみることに。ネットで評判のよかったドイツ製のレデッカーブラシ(木の持ち手、植物繊維のブラシ)を購入したのだが、我が家の浴室の洗い場はタイルだし、隙間の汚れもとてもよく落ちる。

のだが…結論からいえばこれは失敗…だったのかも……しれない…(認めたくない)。たしかに洗い場の掃除には大変活躍してくれたのだが、浴槽洗いには不向きだった。もしかすると、ドイツの家庭の浴槽は陶器やホーローだったりするのかな…我が家のはどう見ても強化プラスチックだけど…。

そして、購入時から姉に「持ち手カビるんじゃない?」と忠告されていたのだが、おもしろいくらいあっという間にカビた。水場に置いているのだから当たり前かもしれないが、一応風通しの良い場所に置いてあったつもりなのだけれど。

というわけで浴室スポンジはいいものを未だに探し続けている。当面はレデッカーブラシと付き合っていくと思うが、いつか玄関用に格下げされるような気もする。悲しい。

4.ラップをやめた

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残ったお米の冷凍や、ごはんのおかずの冷蔵、まとめて買ったお肉の冷凍などにも活躍していたビニルラップ。私はおにぎりを握るときにも大量のラップを使用するタイプだったが、ラップも使い捨てのプラスチック製品であることに気がついた。

はじめは代用品として蜜蝋ラップ(布に蜜蝋をコーティングしたもの)を使用していたのだが、熱に弱いということをすっかり忘れレンジにかけたり、酸性のものに弱いということも失念しトマトソースの料理の保存に使用したりと、何かと失敗も多かった。

今は蜜蝋ラップはパンの保存や深い器のフタとして使用しており、食材の冷凍・冷蔵にはほとんどスタッシャーというシリコン製の保存容器を使用している。

私はスタッシャーのまわしものでもなければこのブログでアフィリエイト収入も得ていないが、ラップの消耗に悩むすべての人にスタッシャーを強く勧めたい!!なぜならこのスタッシャー、冷凍・冷蔵に対応しているだけでなくそのまま鍋にかけてもレンジにかけても大丈夫なのだ!買ったお肉をスタッシャーの中に入れて冷蔵すれば、そのままレンジで解凍できる優れもの。ジップロックのように調理に使用することだって可能だ!

今までは平面タイプしか売っていなかったが、最近は自立式のものも登場したらしいので、保存できる食材の幅も広がるはず。ちなみに私は、八百屋で野菜を買うときなんかもビニル袋をもらわずスタッシャーに入れてもらったりしている。とくにプチトマトなんかに便利!

5.インスタントコーヒーをやめた

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昔は一口も飲めなかったのに、いつからか飲まずには1日をはじめられない存在になってしまったコーヒー。我が家はコーヒーは粉末のインスタントのものをペーパードリップして飲んでいたのだが、もちろんインスタントの袋はプラスチック。そしてドリップするたびにフィルターがゴミになる…。

というわけでインスタントのものを飲み終わったタイミングで、量り売りの店へ豆を買いに行った。「この瓶に入れてもらえますか?」と言ってメイソンジャーを差し出せば、ビニルも紙袋ももらわずに購入できる。そして自分で豆を挽いて淹れたコーヒーはなんだかおいしい!…気がする。まとめ買いしたフィルターはまだ残っているものの、使い切ったら姉から譲り受けたセラミックのフィルターを使う予定だ。

ちなみに余談だが、豆から挽いたコーヒーを初めて淹れた日、我が家には友人が遊びに来ていた。友人はもとからコーヒーは自分で豆を挽いて淹れるタイプだったのだが、私と夫の雑なコーヒーの淹れ方に驚愕し、正しいやり方を実践してくれた。いかにコーヒーの味がわかっていないか露呈してしまったが、私たちはコーヒーの奥深さを改めて知ったのだった…。

6.プラスチック容器の卵をやめた

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先述の通り小さなゴミ箱に変えた我が家で、もっともかさばるゴミは卵のプラスチック容器であった。卵はたいてい最寄りの激安スーパーか八百屋で購入していたが、どちらの卵もプラスチック容器に入れられている。近所を散策した結果、紙パックで売っていたのは高級スーパーのみ。値段の差は150円であった…。

余裕があるとはとても言えないフリーランス夫婦の家庭。安いからと卵を使いまくっていた食卓…。私たちは悩みに悩んだ。もともと痩せすぎが悩みだった夫は、貴重なタンパク源を失うことにも抵抗があった。

しかし、このとき既に食肉と環境問題の結びつきについて考え、週に2日のミートレスデーを設けていた我が家。鶏が産んでくれている卵だって、安いからとありがたみをなくして食べまくるのは間違っているのではないか?と思い直し、多少高級だとしても、そのおいしさとありがたさを味わうべきだという考えに至った。そして結局はそれが決定打となり、私たちは高級スーパーへと足を運ぶことになったのだ。

だがやはり高価なだけあり卵はとてもおいしく、その上紙パックはスーパーで回収し、再利用されているものであった。これは嬉しい発見!私たちは卵をありがたく味わい、食べきったら古い紙パックを持ってスーパーで新しいものを買うようになった。これこそ私たちの理想の買い物だったかもしれない。


ほかにも環境への負担を考えて変えてみたことはいくつかあるのだが、ローウェイストのテーマからは少し離れてしまうので、今回はこのくらいに留めておこう。

今回紹介した6つのことを実践してみただけでも、我が家のゴミは格段に減った。まだまだゼロウェイストにはほど遠いものの、これからもゴミを減らしていくためにさまざまなことを試してきたいと思っている。

とりあえず、次に挑戦したいのは、生ごみを分解できるコンポストの設置だ。虫が大嫌いな私はコンポストに踏み切る勇気もなかなかなかったのだが、ちょうどきょうコンポストにするための鉢を買ったところである。次回はコンポストのレポートができたらいいな。失敗談が盛りだくさんになる予感がしないでもないけれど…。

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