見出し画像

【深田様、tsmc を悪く言うために、デマを拡散して台湾人の傷をえぐるの?】

「半導体工場、かなりの重金属ですとかまあ金属をですね排出するんですけど、銅もかなりね排出されているみたいなんですけれども、台湾ではですね、テクノロジーグリーンオイスターと呼ばれる牡蠣が緑色になっちゃうよというそういう現象が起こっているんですよ。この真緑の牡蠣、何かと言うと、40倍もの銅が検出されるほど工場からの廃水、銅が含まれているということなんですけれども、半導体工場がたくさんある新竹市や桃園市の海域で養殖されていた牡蠣が緑色に変色してしまってですね、売り物にならなくなっちゃったよと。そのため新竹市の牡蠣の養殖業者はほとんど廃業に追い込まれてしまいました。緑になった理由というのは銅が世界基準の40倍も牡蠣に含まれていたためにかなり緑になってしまったのではないかなというふうにここでは報じられているんです。」

グリーンオイスター?…今度は何だ😑?

と、深田様のご発信について、また読者様からの調査依頼をいただいたので、調べました。

ここ最近、朝から晩まで、常に「綠牡蠣」について、ググったり、台湾の環保局に勤めている友人に聞いたり、台湾の環境保護団体に聞いたりしていた。だいたいの事件の経緯は分かったが、より詳しい情報や現在の状況を知るために、昨日、

・新竹市環境保護局

・新竹縣政府農業處

・桃園市政府環境保護局

・桃園市政府海岸管理工程處

・桃園市政府觀光旅遊局

・台南市牡蠣產業發展協會

・「蚵舉狀元」(新竹香山にある養殖業者&レストラン)

に電話してみました。

聞き取りの結果をお伝えする前にまず、台湾のグリーンオイスターの歴史を振り返ってみよう。

・二仁渓事件

「二仁渓」は台南市と高雄市の境界あたりを流れる河川。

70年代、高雄港で船の解体産業が発達した。更に米国から電子廃棄物が高雄港に運ばれ、台南湾在の業者に処理が任され、二仁渓の「廃五金」時代が始まった。廃棄されたものから金や銀を探すのが狙いで、当時、台南湾や近くの村では、ほぼ住民のみんなが廃五金産業に加わっていた。

こうした廃棄物処理の廃水は本来しかるべき処理が必要だが、しかし当時、海に行ったら薄めてくれるだろうというような、甘いというかずるいというかのような考えを持っていた多くの業者は、自身の利益のために、金属を燃やしたり洗浄した後の廃水を処理しないで、そのまま二仁渓の中に捨てた。この廃水が海に流れこみ、港にあった牡蠣が金属の銅の成分を吸収し、グリーンオイスターになってしまった。

色がおかしいために、養殖業者は売る勇気がなく、市場に持って行っても買ってもらえなかった。

そして1986年頃に、このことが報じられ、環保局は国民の健康を考慮して、グリーンオイスターを全部焼却し、養殖業者に8億元を賠償した。それ以降政府はひどく汚染された二仁渓での養殖を禁じた。

・香山事件

香山(現在の新竹市香山区)は台湾最北の牡蠣養殖地域である。「南東石、北香山」と呼ばれているほど、ここの牡蠣は美味しくて有名。全盛期は100軒ほどの養殖業者があったが、1997年頃にグリーンオイスターが一部で発見された。2000年に、とある学術会議でグリーンオイスターの件が提起され、それがメディアに大々的に報道された後、問題の発生していない養殖業者も風評被害で打撃を受けて数多くが廃業し、今現在香山の養殖業者は十数軒しか残っていない。

・桃園

その他、香山事件と同じ頃に桃園の大園工業区や觀音工業区の港でも野生のグリーンオイスターが発見された。

それ以降も、台湾各地の工業区の近くの港で時々野生のグリーンオイスターが発見された。

・・・歴史編は以上です。

https://zh.m.wikipedia.org/zh-hant/%E7%B6%A0%E7%89%A1%E8%A0%A3%E4%BA%8B%E4%BB%B6

では、上述の2つの事件から2、30年経った今、台湾の牡蠣の状況はどうなのか?

まず、一生懸命Google でググってみた。台湾のニュースサイトでも探してみた。

しかし、2017年以降の報道はほとんど見つからない。

電話をして調査しなくちゃと思い、現状を知るために前述の役所や協会に電話してみた。

・新竹市環境保護局

電話に出られたのは吳さん。

吳さんによると、「グリーンオイスターは聞かないし、そのような陳情もない。養殖業者は何軒あるかは農業處にお聞きください」

・新竹縣政府農業處

先方「今現在、香山には養殖業者はある。何軒あるかは本日担当の人がお休みなので、お答えできない。電話番号教えていただけますか?折り返します。」

私「国際電話なので、申し訳ないと思って」

先方「ではメールアドレスを教えてください」

私「教えるのは大変なので、まず、私からメールを送りします」

先方「ご都合の良いようになさってください」

と、かなり責任感のある担当の方が電話の応対をされた。

・桃園市政府環境保護局

電話に出られたのは白さん。

白さんによると、「聞かないし、陳情もない。このようなことは隠せないので、ネットで検索してもないなら、現在はないと思います。詳しくは海岸管理工程處にお聞きください」

・桃園市政府海岸管理工程處

先方「担当の人は本日お休みなので、お答えてきません」

私「感覚でも構わないんですが、現在の状況を教えていただけますか?」

先方「適当なことを答えられないので、私の担当分野は違うし、また月曜日にお電話いただけますか」

明日は土曜日だから今日中に聞いておかないと、と思い、他に聞けるところがないか、さらにググってみた。

・桃園市政府觀光旅遊局

先方「桃園市政府です」

私「觀光旅遊局ではないんですね。」

先方「…はい」

ありゃりゃ。

もうこれ以上の情報はないか🤔と…そっか!🤩「なんとか協会」に聞いてみよう!

台湾のどの牡蠣養殖協会でも台湾全体の牡蠣の状況を知っているだろうと思い、有名な養殖地 台南に電話してみた。

・台南市牡蠣產業發展協會 理事長の陳さん

先方「グリーンオイスター?それはかなり昔のことよ。今はないよ、そんな話は誰から聞いた?」

私「…ですよね。私もググっても出てこないし。そうそう、1つ教えていただきたいんですが、そもそも桃園は養殖業者ありますか?」

先方「ないよ。台湾の有名な養殖地はね…」と台湾で現在有名な養殖地を教えてくださった。

電話を切ってしばらくしたら、なんと理事長から電話がかかってきた。

理事長は、台湾はいま、政府が補助金を出して牡蠣養殖産業を振興しているところであり、私(富士子)の書く文章には過去のことよりも未来のことについて書いていただきたい。あと、協会の Facebook へのいいねをよろしく、と言われた。

https://www.facebook.com/profile.php?id=100064600215118

・「蚵舉狀元」(新竹市香山の牡蠣養殖業者&レストラン)

もっと情報が欲しくて、新竹の養殖業者に電話してみた。しかし、丁度お昼の時間帯で忙しかったからか、誰も電話に出なかった。

そして昨日の夜、レストランが一段落落ち着いたからか、新竹香山の養殖業者兼有名レストランのオーナー張さんから連絡が来た。

張さんは、自分が育てた牡蠣の写真を見せてくれて、今日本で流されている情報について、

「非常に悪質なデマだ」

と怒りをあらわにした。

「グリーンオイスターの事件は自分の子供時代に実際に起きたことである。でも(深田氏のご発信の)映像のようなグリーンではなかった。あんなグリーンなんて見たことない。あれ以来、汚水処理場や関連法案が厳しくされ、一旦違法した場合、営業停止になる。グリーンオイスター事件が起きた1997年頃、ここは本当に大変だった。みんなにとって悲しい事件であった。

今ではこのようなことが起きていないのに、この映像を作った人は誰ですか?なぜこんなひどいデマを拡散するんですか?」

私「…『深田萌繪』」という女性ですが、台湾でも有名のようで、張さんがググれば出てくると思います。。。」

「分かりました、後で調べてみます」

https://www.facebook.com/StrongOysters

電話での調査は以上です。

上記の聞き取り調査をまとめると、

グリーンオイスターは確かにあった。しかし、昔の事件であり、現在はない。

では、深田氏が映像で述べられた桃園や新竹だけにフォーカスしてみよう。

犯人は誰だったのか?養殖業者が廃業に追い込まれたというのは事実なのか?

まず桃園の場合、野生のグリーン牡蠣が出現したのは大園工業区や觀音工業区の港あたり。これらの工業区には石油化学工場、自動車工場から食品まで、種々様々なたくさんの工場がある。

そして新竹の場合も同様で、港に流れ込む河川沿いに、半導体を含むいろんな工場がある新竹科学園区や様々な工場がある香山工業区がある。

https://www.moeaidb.gov.tw/iphw/kuangin/

https://www.moeaidb.gov.tw/iphw/kuangin/

https://www.moeaidb.gov.tw/iphw/dayuan/factory.do?method=list

https://www.moeaidb.gov.tw/iphw/hsinchu/factory.do?method=list

https://www.sipa.gov.tw/

桃園の場合も新竹の場合も、これらの工場群のうち他の産業でなく半導体が犯人だ、と言い切ることのできる根拠・論拠は見つかっていない。

台湾のグリーンオイスター事件は「半導体が犯人だ」という主張は、とても短絡的で全く台湾の実情がわかっていない無責任な言い方だと言わざるを得ない。

実際に事件は科学園区のせいだったのかどうかについては、台湾の環境保護局も台南牡蠣産業発展協会の理事長も「可能性はある」「言い切れない」と述べられていた。(産業名の特定はなし)

ある意味、政府や市民に監視された有名企業が入ってる科学園区の方が悪さができないのでは?

今回グリーンオイスターをgoogle等で調べている時にとある日本語の記事が何度も何度も出てきた。

おそらく深田氏または深田氏の関係者が書かれた文章だと思うが、明確な根拠を示さずに、結論ありき、というミスリードのような書き方について、正直遺憾で怒りすら覚える。

この記事の文章中で、台湾の「公視」の製作された番組「我們的島」を引用されていたが、自分の都合のいいような切り取り方になっており、残念ながら相変わらずだなと思わざるを得なかった。

この番組の本来の主旨は、「新竹の香山地域では確かにグリーンオイスターは一部出ていたが、それによる風評被害で養殖業者は廃業に追い込まれた。環境を保護しよう」

この番組の中で、半導体どうのこうのは言っていないし、半導体のせいだとも言っていない。

今現在の状況は、

かつて台湾 で1位か2位の汚染された川であった二仁溪は、まだ20%くらいは汚染が残されているが、自然が戻ってきて生き物の種類もかなり増えてきた。https://youtu.be/x5BeeYYz7v8

新竹の香山には、他のところで食べられないオイスターを求めに客が訪れている。

昨日の「蚵舉狀元」のオーナーの話によると、「ベトナムのオイスターが入ってきているが、やはり台湾人は国産のオイスターが食べたい。いま国産のオイスター実は需要と供給が合っていない(注:需要が多く供給が少ない)、困っています。」

大卒のオーナーの張さんは、香山の土地への愛が深い。
普通のサラリーマンの仕事よりも、大変な仕事だと知りながら家族の反対を押し切って家業を選んで継いだ彼はまだ30代だが、しっかりしていて、仕事に対する情熱は半端ないと私は感じた。

詳しく説明してくださり、自分が育てた牡蠣の写真も見せてくださった。

お店の映像が YouTube で見つかった🤩、名物のジャンボ牡蠣があるそうです😳今度台湾に帰ったら絶対に行きたい。美しい「カキ畑」を見に行きたい。https://youtu.be/S44-QknFfgE

台湾には、台湾のために頑張っておられる方々が様々いらっしゃいます。

私は、皆さんに「聞いた話を必ず伝える」と約束したので、この文章で完全再現ではないが伝えさせていただきました。

最後に、深田様に私からのメッセージです。

熊本なんとかが書いたnoteに引用された映像の中に、とあるおばちゃんが出てたよね。

https://youtu.be/cecmxjuh7WE

(02:41〜)


当時番組に出ているおばちゃんは台湾語で喋っていたから、わからなかったでしょうけど、通訳するね、

「天が見ているから、私はでたらめなことを言わない。私は10代から、牡蠣に携わってきた。(公視のスタッフの)小姐、私の手を見て。毎晩薬を塗らないと痛いのよ。私の牡蠣は大丈夫なのに、でもメディアがあれこれと言うから、私の牡蠣は売れなくなっちゃった。3食が食べられればそれだけでいい。目が閉じてしまうまで私は頑張るわ」

おばちゃんの話を聞いて、私の胸はぎゅーっとなり、涙が出てきそう。

深田様はどうお感じになりますか?

「公視/我們的島」、「新新聞/榮光的代價」

両方とも私が深田様に教えたソースである。
私の目的は、日本人に台湾の環境汚染や台湾の庶民の生活ぶりを知ってほしい、ということ。

あなたが事実を歪曲して自分の都合のいいように解釈して使うために教えたわけではないよ。

目的をなんとしても達成しようという思いがあるのかもしれませんが、目的のためなら事実でないことを発信してもよい、ではないでしょう。

深田様、台湾のことに関しては、正しくご存じないようなら、無理にご発信されなくてもいいのでは?

台湾には台湾人のプライドがあり、台湾には揺らぎようのない事実がある。

本当に台湾のことについて詳しい方にお任せしましょう。

(拡散自由)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?