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肩前方挙上の制限因子と介入

どうも肩関節機能研究会の郷間です。
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今回は『肩関節前方挙上』の制限に関与する因子について解説していきたいと思います。


本記事を読んでいただく事で

☑ADLには具体的にどのくらいのROMが必要なのか
☑肩前方挙上を制限しているのはどのような因子なのか
☑制限因子に対してなにをすべきなのか
☑種々の肩関節疾患に対してどのような戦略で可動域を拡大すべきか

という疑問を解決するヒントが見つかるかもしれません(^-^)ノ


では突然ですが質問です。

”あなたはなぜ関節可動域(ROM)を測っているのですか?”

この問いに対するほとんどの答えが

”可動域制限があるとADLやスポーツ活動にも制限が生じるから”

こんな感じだと思います。


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では”○○の運動”には”○○°の角度が必要”というような
具体的な角度を意識してその可動域拡大訓練を実施していますか?


実際に患者のNeed(やりたい動作)に対して
必要な関節可動域は獲得しているにも関わらず
その動作に制限が生じている場合は、他の理由を考える必要がありますよね。


ということで
まずはどの動作にどのくらいの関節可動域が必要なのか
というところを抑えなければいけません。

むやみやたらな可動域訓練、可動域の拡大はセラピストのエゴでしかないですもんね。




各ADL動作に必要な肩関節ROM


凍結肩患者において、日常でも頻繁に行う
物干し動作、更衣動作、洗体動作、洗髪動作の4種類の動作に必要な肩関節可動域は屈曲85°、外転40°、外旋20度、水平内転90°です1)。


これはあくまで参考的な可動域になりますが、
実際に上記の肩関節可動域に到達していない症例は数多くいます。

4つのADL動作(物干し、更衣、洗体、洗髪)が行えない場合は、まずこちらの可動域を目標にして可動域訓練を実施してみるのもいいかもしれません。

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余談ですが私の愛用品している東大式ゴニオメーターは、とある細工をしていて片手でも容易に肩関節の可動域評価を行えるようカスタマイズしています。
本当はダメかもしれませんが、興味のある方はお尋ねください(^-^)


肩前方挙上に影響を及ぼす因子

スクリーンショット (1572)

辰田ら2)は凍結肩における自動挙上角度の改善には、
他動の下垂位外旋90°外転位内旋の可動域が関与する可能性があると報告しています。

実際、臨床上で凍結肩や拘縮肩患者の可動域を経時的に評価していると
下垂位外旋、90°外転位内旋、結帯動作の制限が残存する症例を多く経験します。

※今月の記事では下垂位外旋にフォーカスをあててお話していきます。
いずれ90°外転位内旋動作や結帯動作についても記事を投稿していく予定です。


そもそも下垂位外旋の可動域制限にはどのような組織が関与しているのでしょうか?

下垂位外旋(1st外旋)の制限因子

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本記事では軟部組織に着目して解説していきたいと思います。

では、まずはこちらの図をみてみましょう。

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