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後藤達也さんの記事

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2022年4月に日経新聞を退職されフリーランスになった後藤達也さんのnoteをまとめています。冷静客観的で誠実な切り口が参考になるとtwitter,YouTube,Noteでも人…
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2022年7月の記事一覧

米企業決算集計 PERに映る市場心理は?

米企業決算集計 PERに映る市場心理は?

米企業の決算はピークを越えつつあります。企業によって明暗がありますが、Amazon, Apple, Microsoftなど主要企業は発表後に株価が上昇するなど、全体として市場の反応はよかったといえます。

今回は少し視野を広げて、2022年、23年の米企業の利益がどうなりそうか。そして、GAFAMなど主要企業の内訳はどうなっているか。さらに株価との関係(PER)はどうなっているか。言葉の説明は最小

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たくさんのチャートでマーケットレビュー

たくさんのチャートでマーケットレビュー

月末月初の定点観測で、さまざまなマーケットチャートを並べます。知っていたことでも、改めて横串を刺すように振り返ると、いろいろ発見があります。チャートは今後、その時々の注目度に応じて柔軟に入れ替えていきます。時価総額上位は世界トップ10のみですが、数日後にはトップ100や日本の上位なども流す予定です。

▼ 7月はS&P500が9%高、NASDAQが12%高とリバウンド色が強まりました。日経平均は相

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Apple決算 グラフで解説

Apple決算 グラフで解説

日本時間7/29早朝、Appleが4-6月期決算を発表しました。グラフをたくさん使って、Appleの現状をわかりやすくお伝えします。noteでは今後、日米企業の情報も拡充していきます。今回は初回なので無料公開にします。

◆ まず売上高と純利益まず、年末商戦の10-12月は収益が増えやすいので波がありますが、トレンドとしては過去数年、売上高・利益ともに伸ばしてきたことがわかります。最近は売上高純利

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【スピード解説】円高反転 132円台に  24時間で3円も

【スピード解説】円高反転 132円台に 24時間で3円も

まずは下記のチャート一目瞭然、急激に円高ドル安が進んでいます。7/29の15:00台には1㌦=132円50銭程度に。24時間のうちに3円近くも円高が進みました。

👇10秒でわかるポイント

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FRB入門#7 市場との対話㊥

FRB入門#7 市場との対話㊥

日本時間きょう未明のFOMC。パウエル議長の記者会見中にナスダック株が急上昇するなど、市場で注目を集めました。きのう配信した「市場との対話㊤」(下記リンク)の延長線上で、今回の記者会見をケーススタディーとして、「対話」の難しさとおもしろみをみていきましょう。

たてつづけのリンクで恐縮ですが、きょうの記者会見の主な発言一覧は下記の速報解説にあります。

今回の0.75%利上げは市場でもほぼ織り込ま

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【解説】FOMC 0.75%利上げ 株価は急騰

【解説】FOMC 0.75%利上げ 株価は急騰

◆まずアウトラインを◆ 株高につながったパウエル会見から【冒頭発言】

雇用最大化と物価安定促進という使命の観点から、強い労働市場が続いているならば、インフレ率を目標の2%まで引き下げるのが不可欠。

現状は一目瞭然だ。雇用は極めてひっ迫し、インフレは著しく高すぎる(too much high)

政策金利を2.25-2.50%へ引き上げる。今後も継続的な利上げ(ongoing increases

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FRB入門 #6  市場との対話 ㊤

FRB入門 #6 市場との対話 ㊤

日本時間あす7/28(木)未明にFOMCがあります。直前の「FRB入門」のテーマは「市場との対話」。アメリカの金融政策を読み、そして楽しむうえでの醍醐味ですが、その意味合いのコンパクトな解説はあまり世の中にないように思います。

今回は大きなテーマなので、㊤㊥㊦にわけます。【㊤】はこの1年ほどを振り返りつつ、FRBの説明の変遷を確認。【㊥】はあすのパウエル会見という鮮度の高い題材を「市場との対話」

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FOMCプレビュー  あす速報・解説

FOMCプレビュー あす速報・解説

まずはアウトライン日本時間あす7/28(木)のAM3:00に結果発表です。私はAM1:00ごろに起きてスタンバイする予定です。AM3:00以降、パウエル議長の記者会見を含め、noteを何度も上書きする実況スタイルで速報・解説し、AM5:00前後には解説を一段落させる予定です。金融機関お勤めの方や個人投資家など、早起きでチェックしたい方はぜひご活用ください。

では、あすのFOMCのポイントをみてい

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FRB入門#5 逆イールド

FRB入門#5 逆イールド

【注】7/26配信の記事をもとに、9/15時点の状況を踏まえ上書きしました

前回、「逆イールド」とはなにか、なぜ「景気後退(リセッション)の兆候」とされるかを説明しました。今回は過去の逆イールド局面も簡単に振り返ります。

上記は1987年以降の長期チャートです。緑のシャドーが「景気後退(リセッション)」(NBERベース)です。そして赤丸が「2年-10年」の逆イールド。いずれも景気後退の少し前に

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FRB入門 #4 イールドカーブとは?

FRB入門 #4 イールドカーブとは?

【注】7/25の配信記事を9/14時点の状況を踏まえ上書きしました

FRBの大幅利上げ観測が強まっており、9/14には2年債が一時3.83%まで上昇し、15年ぶりの高い水準を付けました。2年債利回りが10年債利回りを上回る「逆イールド」が深まっています。景気後退のシグナルといわれる「逆イールド」や、そのもととなる「イールドカーブ」をできるだけかみ砕いて解説します。

国債は3カ月債や10年債、3

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YouTube 収益のしくみは?

YouTube 収益のしくみは?

きのう配信した下記の記事、1万以上の閲覧があり、いろいろ反響がありました。

サブスクのnote、広告収入のYouTubeを私なりに比較し、発信者の意識に大きな影響を与える点について考えました。「個の発信の時代」ともいわれます。こうした新たなマネタイズはnoteやYouTubeをやっていない方にも関心のあるテーマのようです。

SNS時代の情報発信については、これからいろいろ記事にしますが、今回の

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FRB入門 #3 そもそも10年債って?

FRB入門 #3 そもそも10年債って?

10年物国債。いろいろある国債のなかでも主役といえ、マーケット報道でよく耳にします。「10」がキリの数字ということもありますが、それ以外にも注目される理由があります。そこを理解すると、「金利と株価の関係」や「イールドカーブ」など債券市場の重要な概念もかなりわかってくるようになります。

前回、3カ月物国債や2年物国債の金利は今後のFRBの政策金利の予想でほぼ決まると説明しました(👇リンク)

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サブスクと広告収入 本質的な違いは?

サブスクと広告収入 本質的な違いは?

フリーランスの私のいまの主な収入源にnoteとYouTubeがあります。いずれも経済情報を発信している点で同じですが、noteはサブスクリプション(継続課金)、YouTubeは広告収入です。実際に両方経験してみて、肌身で大きな違いを感じています。

YouTubeは…私がYouTubeをはじめてもうすぐ4カ月になります。登録者数は18.3万人で、総再生回数は400万回強となりました。私はマイペース

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FRB入門 #2  利上げと国債金利

FRB入門 #2 利上げと国債金利

前回、中央銀行の「利上げ」は「銀行間の短期金利の引き上げ」と伝えました。一方、最近の報道では「米国債金利」「米長期金利」という言葉も報道でよく目にすると思います。今回のテーマは短期金利と長期金利の関係。少し複雑ですが、ここを理解すると景気や株価との関係も一気にわかりやすくなります。

国債金利と銀行間金利カードローンや住宅ローンに返済期日があるように国債も3カ月債や30年債など様々な種類があります

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