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熊野古道・西国三十三所

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2022年6月の記事一覧

西国26番 法華山一乗寺 ローカル線再生の旗手に乗り 命の輪廻の山寺へ

西国26番 法華山一乗寺 ローカル線再生の旗手に乗り 命の輪廻の山寺へ

地域と連携しアイデアこらし3セク鉄道活性化

 神戸の新開地から神戸電鉄に乗った。六甲山の北にでて、長い長い緑のトンネルを抜けると広大な盆地が広がった。終着の粟生(小野市)でおりて北条鉄道に乗り換える。
 1両の気動車に、路線バスのように後ろから回数券をとって乗車する。
 エンジンが起動するとブルルルと床が細かく振動する。
 この響き、熊本の豊肥本線でも、のと鉄道でも、四万十川沿いの予土線でも体感

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西国12番岩間寺〜13番石山寺 山の海洋信仰、奇岩の山岳信仰

西国12番岩間寺〜13番石山寺 山の海洋信仰、奇岩の山岳信仰

醍醐寺を守護する女神のお宮

 上醍醐寺から東への山道をくだると、杉の森のなかに大規模な石垣が残っている。いったいなにがあったのだろう。
 くだりきると西笠取だ。京都の市街地からひと山越えただけなのに、獣害対策の柵に囲まれた田畑が谷間に折り重なる。岩間山と上醍醐をむすぶハイカーのための案内板が要所要所にあるのがありがたい。

 車道をたどって標高300メートルの峠にのぼると「清瀧宮」という広々とし

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西国11番・上醍醐 古代の超高級ミルキーの名をもつ水神の山寺

西国11番・上醍醐 古代の超高級ミルキーの名をもつ水神の山寺

「最上の食べもの」は乳製品

醍醐寺の「醍醐」は古代の乳製品のことだ。
仏教の経典「大般涅槃経」では「五味の最上なるもの」として以下のように記している。
「牛より乳を出し、乳より酪(らく)を出し、酪より生蘇(しょうそ)を出し、生蘇より熟酥(じゅくそ)を出し、熟酥より醍醐を出す、醍醐は最上なり。もし服する者あらば、衆病皆除く」
 修行により少しずつ高度な教義を習得し「大涅槃経」という最上の境地に達す

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