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雨の中へ
ボローニャからミラノ
春のロンバルディア平原を
列車がすすむ
通り過ぎてゆく緑の平原
糸杉が空をさして並ぶ
はるか行く手に立ちこめる雲
列車がすすむにつれて
厚く、低く
そのうちに私たちは
灰色の雲に覆われる
尖塔も
町も
列車も、私も
記憶の中の
あなたも
すっぽりと雲の中だ
私はあなたにメールを書く
遠い京都のあなた
雨が降りそうです
雲が下りてきています
ロンバルディア平原に
雨が降りはじめた
記憶の中の京都にも
雨は降っている
列車は走り続ける
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