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睦月、凍てつく冬の夜

睦月、 凍てつく冬の夜

暗がりの
巨大な地蔵の前の水入れに
水仙の 
こんもりとした花束が 
投げ込まれていた
 
見上げる地蔵に至る階段には 
冬菊の大きな花束が
一つ
二つ
三つ
四つ
段々になって飾られていて
凍える風に
さわさわと揺られていた

そこでまた 
どうと
どうっと
強い風が吹き

顔の見えぬ地蔵の
巨大な涎掛けや 
数多の幟を
ざわざわと揺らした
 
どこから来た風なのか
これはどこから来た風なのか


そして わたしはどこから来たのだろうか


やがて わたしは 風になり 
地蔵に巻きつき 流れていった


どこともしれない  凍てつく場所へ
 

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