パーソナルトレーナー藤井自伝37

奇妙な居候生活

たこ焼き屋から離脱後、最も親しいお客さんの家に居候することになった。
部屋は一人暮らしのため、1Kである。

メインのベッドはロフトにあり、僕は部屋の真ん中に布団を敷いて寝ることになった。
どこでも寝れる性質なので十分快適である。

しかし一つ問題があるとすれば、非常に部屋が汚い事であった。
おじさんはヘビースモーカーで、部屋中の至る所ににびっしりとタバコの吸い殻が放置してある。

元々の床のマットは裸足で踏み入れないほど何かの汚れで充満していた。
部屋で僕が入れるのは布団の上だけである。

そこで恩返しと言わんばかりに、おじさんが仕事でいない間に掃除機を買って掃除をすることにした。
もちろんダイソンである!

さすがダイソンの強力パワーでグングンと何かわからない汚れをバチバチと大きな音を立てながら吸い込んでいく。

「本当はそんな色だったんだ」

と感心するくらいマットは綺麗になってゆく。
タバコもすべて除去。
そしてすべてを掃除し終えたあと、掃除機は動かなくなった。
寿命1日の短命な掃除機であった。
ただ一生分のゴミは吸ったのではないかというくらい太く短く生きたと思う。

と部屋がスッキリしたところでおじさんとの奇妙な共同生活が約1年続くことになるのである。

続く

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