貴方がリーダーならどうしますか?シリーズvol 121 新人の技術教育で、早く習得してしまう『器用な子』に合わせると、『不器用な子』が落ちこぼれたり、かといって、『不器用な子』に合わせると、『器用な子』が手持無沙汰になってしまう‥と悩んだ経験ってございますか?

 毎年新卒者を採用する会社では、新人研修からはじまり、技術教育に入りますよね。シャンプー技術から教え、マッサージ、トリートメント、カラーリング、パーマ、基礎カット‥と、教えていきますよね。

 新卒者が1人であれば、その子の習得スピードに合わせて教えてあげれば問題ないのですが、新卒者を複数人採用(例えば一店舗で3人以上採用)しているサロンや、多店舗経営の場合、全店舗の新卒者を集めて一括して教育をされているところでは、スタッフによって技術習得の早い遅いのバラツキが出てきますよね。

 生まれつき器用な子もいれば、不器用な子もいますよね。新卒者を集めての一斉指導をする場合、習得スピードの速い器用な子に合わせると、不器用な子がどんどん遅れていき、落ちこぼれ感が出てしまいますよね。そうなると、美容師としてやっていく自信を無くし、最悪退社してしまう子も‥。また、教育者も、早く進む子、進まない子を別々に教えることになるので、時間的な負担が大きくなり過ぎる事態になりますよね。

 かといって、習得スピードの遅い不器用な子に合わせると、その間、器用な子が手持無沙汰になってしまい、「早くスタイリストデビューしたい‥」とういう気持ちを削いでしまいかねないですよね。こちらも、それが不満で最悪辞めてしまうこともありますよね。

 いくらでも新卒者を採用できる会社であれば、多めに採用し、器用なできる子に合わせて、できない子をふるいにかけるという強硬手段に出る会社もあるかも知れませんが、せっかく美容業界に入ってきた貴重な人材を他業界に行かせたくないですよね。

 ベストなやり方かどうか?は分かりませんし、ご参考になるかどうか?も分かりませんが、私のオススメのやり方をご紹介いたしますね。

 私の会社では、スタッフ自らがデビュー計画を立てる仕組みを作っております。最初から、新卒者の希望のペースでスタイリストデビューを目指すことができるので、

『早くデビューしたい子は、早くデビューする計画を‥』

『自分のペースで確実にデビューしたい子は、若干遅めにデビューする計画を‥』

 但し、いくら自分のペースで‥とはいえ、デビューするのに10年もかけていたら、スタイリストとしての活躍する期間がそれだけ短くなるので、上限を決めておかれるといいと思います。※ちなみに私の会社では3年半を上限にしています。

 技術指導者の時間的負担ですが、技術項目別に、年間を通じて教える月と教える日を限定することによって、負担を回避できております。

  同じ月に、同じ内容の技術講習はありません。(いくらスタッフの要請があっても‥)ですので、受講したい技術の日程が年間を通じて決まっていますので、1回逃しますと、次に受講できるのは、最低でも次の月になります。ですので、デビュープランをしっかり立てて、どういうペースで受講申請して、どういうペースで試験を受けて‥を自発的に考える仕組みを作っております。

 ちなみに、今年デビューした男の子は、ちょうど2年でスタイリストデビューいたしました。かといって他の同期のメンバーは焦ることなく自分のペースで進んでおります。

 自分でデビュープランを立てる仕組みづくりですが、一つ一つの技術項目ごとに、『平均のレッスン回数』『平均のレッスン時間』の目安となる表を作成することと、参考にできる『標準のデビュープラン』を作成しておかれると、後は、先ほどお伝えしました、年間を通じて決められた講習日程を参考にデビュープランを立てることができるようになります。

 ご参考まで‥。

 

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