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スポーツパフォーマンス分析の授業展開

🔶はじめに

 スポーツアナリスト、スポーツパフォーマンス分析、データ分析を取り入れる高校~大学、県のスポーツ協会が増えてきました。 
 2月~3月かけて、2022年新年度に向けて準備してきたシラバスや評価項目を作成して学校へ提出しました。学校によってはシラバスがWEBで公開されているようなので、ベースとなる内容を簡単に紹介します。
 カリキュラムは、海外で実績があるプログラムを取り入れていますが、日本で実績や開発を続けて発展したい思いもあります。

🔶スポーツアナリストやパフォーマンス分析教育の必要性

 以前の記事でも記載しましたが、アスリートやチームに向き合うコーチ、アナリスト、「それぞれの役割」が重要と思います。アナリストがテクノロジーから得たデータだけ伝えても目標達成はできません。
 コーチやアスリートは、トレーニングやゲームのパフォーマンスを、平均30%しか正しく思い出せないといわれています。パフォーマンス分析を実施することにより、アスリートの改善に不可欠な要素となる「何が起こったのか」という事実を提供することにより、残りの70%を支援できます。
 分析に関わるアナリストは正しい情報を早く、的確に提供することにより、証拠に基づく意思決定が可能になり、得た経験と知識が増え、憶測が減り、適切なタイミングで適切な判断、決定を行う能力が強化されます。
 ミスしたこと、成功したことを、テクノロジーを駆使して、より分かりやすく正しい方向へ伝えらる分析教育とカリキュラムの開発が必要と考えます。

🔶桐蔭横浜大学で実施例

1年前に公開した記事で、コロナ前の授業風景。
昨年度は、オンラインと対面のハイブリッド授業。
先生の授業計画通りの授業進行と準備努力はいつも尊敬してます。

🔶ダートフィッシュカリキュラム概要

 動作分析、ゲーム分析、クラウド共有のすべてが装備されているソフトウェアツールを使用しながら学ぶカリキュラムになっています。
 スポーツ種目の特性、動作分析、ゲーム分析、テクノロジー、コーチング、統計をベースに構成されいます。

トータルで、13コマ~15コマで構成され、それぞれの単元では、
4~5項目を細かく展開している。

  1. 動作分析における体系的アプローチ

  2. 2種類の主なパフォーマンス分析について

  3. 表記分析へのアプローチ

  4. 体系的な観察戦略について

  5. コーチングプロセスに映像のリプレイとライブディレイを適用する

  6. フィードバックにおけるフォーカスすべき点

  7. 映像撮影機材と撮影方法ガイドライン

  8. パフォーマンス指標と統計、ゲーム分析タギング

  9. フェーズごとのスキル/動作分析

  10. クラウドを使ったフィードバックと共有

  11. 動作分析における体系的アプローチ

  12. パフォーマンスアナリストの主要なスキルセット

  13. 生体力学分析の概要

🔶教材・文献

使用している教材は、国内海外の研究文献や、『スポーツパフォーマンス析入門』(ピーター・オドノヒュー著、中川昭 監修)、など。

昨年度、ダートフィッシュカリキュラムを講義を担当した橘さんの連載記事です。

🔶高校、スポーツ分析教育の施設

 パソコン情報室にダートフィッシュ専用のPCとタブレットが設置され生徒それぞれが自主的に分析。教室を分析ルームに改装して、実践授業を学ぶ環境が整えらてれいる学校もあります。
データの深掘り。データ教育をスポーツからアプローチする数学を得意とする高校も取り入れてています。

工事段階の写真です。懐かしい教室の雰囲気…。使用していない教室を、分析しやすい環境にリノベーション。
競技別に1台設置した高校、サブスクリプション契約で、最新のテクノロジーを、常に利用できるのも魅力。

🔶実習の現場

 私が講師を担当している学校では、1年生から、スポーツ分析現場実習へ積極的に訪問しています。
 受け入れる側も、アナリストが普段在籍しているチームもあれば、配属していないチームもあります。
 目標を達成するための必要なスポーツアナリストをお互いが学べるいい機会では?と思っていいます。実習の現場では、環境や受け入れも今後増やしていけるように働きかけていきたい。

 Jリーグ、ファジアーノ岡山と久永啓先生(岡山理科大学)の取組みも注目です。このような学びの提供を様々なチーム、学校でできたら、運動は嫌いでも観るスポーツが好きな人、データをみるのが好きな人、実践的な学びの場が生まれそうです。キャリア教育にもなりますね。

🔶学会発表、研究について

 最新のスポーツアナリストに役立つ研究成果は?
勉強のため参加している学会です。あらゆる方向から研究して再現した内容が盛りだくさんです。
 一昨年、ハンドボールの研究で、日本コーチング学会、日本ハンドボール学会へ、分析データの収集のため、研究参加しました。実践研究がそのまま、トレーニングに活かすことができデータでもわかりやすく成果がでたので、貴重な経験でした。

*ここ数年参加したことがある学会のリンク集です
日本体育学会日本スポーツコーチン学会日本ハンドボール学会日本バイオメカ二クス学会日本トレーニング学会日本水泳・水中歩行学会日本フットボール学会日本武道学会日本器械運動・体操学会日本陸上競技学会 他には医療系、教育系の学会もおすすめです。

🔶最後に


思い付き(笑)で1時間くらいで仕上たので、雑で深い内容ではございませんが、次回は、授業の様子などを紹介できたらと思います。


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