私を震撼させた8歳息子の言葉「ちゃんとした大人になりたい」

我が子が

「ちゃんとした大人になりたい」

と言った時、世の親御さんたちは

『嬉しい』

と思うのだろうか。

だとしたら私は完全に親失格だ。

私が思う『ちゃんとした』人間は

『自分の頭で考え、自分で行動出来る』

なのだけど、
息子の言う『ちゃんとした大人』はそうじゃない…


私「ちゃんとした大人ってどんなの?」
8歳息子「ちゃんと人の言うこと聞いて、素早く行動する人」

ほらきた。

私、息子に
そんな『大人に都合のいい人間』に
なって貰いたくない。

それは今の担任の先生がなってほしい
『ちゃんとした大人』だよね。

でもその担任の先生って、
おそらく小学3年生の1年間しか一緒にいないじゃん?
その担任のために担任好みの『ちゃんとした大人』目指したってさ、
君が大人になった時には会うこともないだろう?

8歳息子が素直で『言われたことをきく』のはもちろん長所だ。

でも君、私は思うのだよ、
誰かに何か言われた時、
君は『言われたから』それをやるのではなく、
自分の頭で考えて、
やるかやらないかその他かを決めなくてはいけない。

だからさ、少し言い辛いけれど、
君は他人のことを『疑わなくてはならない』んだと思うんだ。

もちろん先生だけじゃなく私が言うこともお父さんが言うことも、
『それが自分の心に反してないか』
毎回自分で考えなくてはいけないのだよ。


考えずに言われたままをやるのは楽だけど簡単だけど、
先生が言う『ちゃんとした大人』で『いい子』なのかもしれないけど、
自分で生きる力をなくした人間になってしまうのだよ。


今の担任はけしてわるい人ではない。
たぶんいい先生。
でも学校はそういう所なんだ。

学校は『社会』が使いやすい人間を作る場所。
その社会だって昔とは違うのに。
言うこと聞いて勉強出来れば幸せが保障されるわけでもない。

むしろ自分の頭で考えること、
世界をいい方に変えられると信じられること、
変える方法と仲間を探し見つけ実行出来ること。

そんな力を育てなくてはならないんじゃないかな。

私はそんな『ちゃんとした大人』になって貰いたい。


8歳息子は大いにとまどう。
息子は私の言うことが理解が出来ない。

(「ぼくは『いい子』になりたいのに、
お母さんは喜んでくれると思ったのに、
どうしてそんなこと言うの?」)

って感じだと思う。

やはり息子を混乱させ息子に応えられない私は、
親失格なのか。

息子がなりたい『ちゃんとした大人』の要件
その2『素早く行動する』人間。

さんざん学校でせっつかれているだよね。
家でも「帰ったらまず明日の準備」とか私にせっつかれてるもんね。

だから遅いことがわるいことのように思えてしまうのだろう。

でも『遅い』ってわるいのか?

こちらが急かしておきながらこう言うのもなんだけど。

『遅いから急かす』のって、
たいがい『自分の都合に合わせて欲しい』って動機なのだと思うけど。

例えば
「早く食べ終わって」は「早く片付けたい」
「早く歯磨きして」は「早く寝させて大人が自分の時間が欲しい」
「早く教科書出して」は「時間内に今日の授業範囲をオワラセタイ」
とか。

それは君のことを思っているように見せかけて実はその人の都合なのだと思う。

そりゃあゆっくりなことでヒトサマにご迷惑おかけすることもあるだろうけど、
でもそのせいで下に見られたり悪く言われるようなことなのか?

私とて
『帰ってすぐ翌日の準備をしよう』
と息子に言うけれど、
これはその習慣をつけることによって今後の学校生活の煩わしさが減るのではないか、
という勝手な押し付け。
(息子にとっての煩わしさなのか私の煩わしさなのか突き詰めが必要なところ)
これだって『息子のため』としながら私の都合に合わさせてるのだと思う。

『遅い』の、そんなに言うほど悪くない。
そんなに気に病むことじゃない。

それに素早く行動できる人が『ちゃんとした』大人ってわけじゃない。

こんな私のもとに生まれてしまった息子は、
不幸なのかもしれない。

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