不動産は一生に一度の買い物ではない話

「不動産は一生に一度の買い物である」

っていう言葉を聞くことがあります。確かに人間の人生のうちで、不動産(一戸建て住宅やマンション)は一番高い買い物である可能性は否定できません。しかし、実は一番高い買い物は、知らず知らずに加入してしまった生命保険だったりもしません。

今日は生命保険のお話はしません。あくまでも今日のテーマは「不動産は一生に一度の買い物ではない」話です。実際に、マンションを3室購入・売却し、新築分譲住宅を1軒購入した富士ヶ丘サービス株式会社の社長大石ひろゆきのリアルな体験談です。

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これを書き始めると、社長だから、マンションを3室購入・売却し、新築分譲住宅を購入できたのでしょう、と言われるかもしれません。「社長だから」、そんなことができたわけではありません。はじめてマンションの1室を購入した時には、みなさんと同じサラリーマンで勤め人でした。年収は300万円くらいだったと思います。それでも、勇気を振り絞って、不動産を購入したのが25歳でした。

1室目のマンションを売却して、同時に2室目のマンションを購入したのもサラリーマンで勤め人でした。年収は300万円以上にはなっていましたが、日本の平均年収をちょっと超えたぐらいだったと思います。今となっては、具体的な年収金額は覚えていません。

そして2室目のマンションを売却した時、希望に合うマンションを購入できず、一時、賃貸マンションに引っ越し、売却した3ヶ月後に、3室目のマンションを購入しました。

最後に、仕事の舞台を、東京から静岡県磐田市に移し、東京で購入した3室目のマンションが不要になっても、希望額で売却をすることができず、一時期、賃貸マンションとして2年ほど貸し出しました。2年間の貸し出し後、頃合いを見計らって売却をしました。

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なぜ私が「不動産は一生に一度の買い物ではない」と断言できるかというと、上記のように、3室のマンションを購入し、売却をしてきた経験があるからです。実は東京など首都圏・関西圏・中部圏の大都市には、中古マンションに関する流通市場が確立していて、必要な時に購入し、不要になったら売却できるんです。

もし私が新築分譲マンションを購入していたら、こんなに不動産を購入・売却していなかったし、住宅ローンが残ってしまったことでしょう。中古マンションだったので、購入後、大幅に資産価値が落ちることなく、売却時に残債(住宅ローンの残り)を上回る金額、実は購入額をも上回る金額で売却をすることができてきました。

新築分譲住宅、新築建売住宅の資産価値はどうなる?

新築分譲住宅、新築建売住宅の資産価値は、新築マンションと同じように、購入して初めて鍵を開けた瞬間、2割~3割資産価値が下がると言います。3000万円で購入した新築分譲住宅は、立地がよい、方角がいい、周辺環境が良かったとして、鍵をあけた瞬間に、良くて2400万円。条件が悪ければ、2100万円の資産価値になります。そして現在の木造住宅は22年間で徐々に価値が減っていき、22年を経過すると価値が0円になります。

価値がゼロになるからと言って、固定資産税を0円には、しれくれません。さらには価値がないとはいえ、住めないかといえば、十分に住めます。ただ評価額が0円なだけで、住むことはできます。売却の価格はどうかというと、0円ではないにしても、土地の代金+α(アルファ)で、価格の中心は土地の代金になるでしょう。

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22年経過した木造建物の価値は0円と書きましたが、35年間のローンを組むことになる多くの皆さんにとって、残り13年を評価額0円のものに対して、住宅ローンを支払い続けていなかければいけないのは事実です。実際に多くの方が支払いを続けているし、私も残り27年の住宅ローン返済期間を有しています。

この木造建物の法定耐用年数が22年であるという事実と、金融機関が木造建物を22年の法定耐用年数でしか評価できないところに、日本の不動産評価の問題点が存在しています。あまりに深入りすると難しいので、今日は解説しません。

不動産を代々つないでいく時代ではない

かつて不動産(土地)は先祖より子孫代々繋いでいくものでした。今もそう考えて「自分の代では、先祖の土地は売れない」と頑なに不動産を守っている方もいらっしゃいますが、私はそうはしません。世代やライフステージによって、不動産の活用状況は変わってきます。居住用だった土地・建物は、子供たちが巣立っていったファミリータイプの土地・建物は賃貸用に変わる可能性もあります。ずっと住むことができればいいですが、交通の便が悪い、スーパーなどの日常生活を営むための施設がない、など住み続けたくても、住み続けられなくなることも想定しなければなりません。

不動産を代々繋いでいくものではなく、ライフステージにあわせて、移り住んでいくものだとしたら・・・移り住もうと思ったときに住宅ローンが終わっているとベストです。完全に終わっていなくても、1円でも住宅ローンが少なくなっている必要があります。そのためにはどうしたらいいでしょうか?

結論は、あまり大きなお金をこれから建築しようとしている建物に投下しないことです。このまま、同じ家に住み続けられる、子供たちが必ず建物を使ってくれるのであれば、大きな資本投下をしても大丈夫でしょうが、家族形態がどうなるかわからない現在です。変化に対応できるための準備として、住宅ローンをあまり多く残さない、多く借りないことが求められています。

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答えは、新築分譲住宅にあります。

仮に、「磐田市浜部 新築物件 1号棟 AN」を購入したとします。諸費用を含めた借入金額総額を1650万円とし、住宅ローン借入期間を35年の固定金利1.3%とします。

住宅ローンを25年の返済が終わった時の、ローン残高は、約550万円。

住宅ローンを30年の返済が終わった時の、ローン残高は、約280万円。

どうでしょう。このくらいの住宅ローン残高だったら、身動きが取れると思いませんか?

同じことを借入金額総額4000万円とし、住宅ローン借入期間を35年の固定金利1.3%として計算してみます。

住宅ローンを25年の返済が終わった時の、ローン残高は、約1290万円。

住宅ローンを30年の返済が終わった時の、ローン残高は、約668万円。

60歳、70歳になった時のライフステージが変わるときに、不動産を売る・貸すなど次のアクションを取ることができるのはどちらでしょうか。私は磐田市や袋井市、袋井市などの遠州地方であれば、その答えは、借入総額2500万円以下の新築分譲住宅にあると思っています。それでもなお、3000万円、4000万円の高額な住宅ローンを組みますか。今ではなく、将来を考えた家探しをしてほしいと強く希望します。

取扱会社
富士ヶ丘サービス株式会社
静岡県磐田市見付5789番地1
TEL:0538-31-3308
静岡県知事 (1) 第14083号
http://www.fujigaoka-service.co.jp/
公益社団法人 全日本不動産協会
公益社団法人 不動産保証協会









静岡県磐田市という中部地方に生息しています。サポート頂きましたら、介護従事者の待遇改善に活用させていただきます。多面的な見方ができるように、異論を発信してまいります。