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聴覚障害向けの情報保障って?(情報保障シリーズ.0)

こんにちは。フジえもんです。

今日は、情報保障、とくに聴覚障害に対応したものについて共有します。

だいぶ長くなるので、シリーズ化する予定でいます。(更新頻度は不定期)
今回の記事では、情報保障の種類について軽く共有して、後の記事で深堀りできればと思っています。

情報保障って?

「情報保障」という言葉をご存知でしょうか。検索してみると、下記のような記載がありました。

情報保障とは、障害のある人が情報を入手するにあたり必要なサポートを行うことで、情報を提供することを言います。

MIRAIRO-情報保障より引用

例えば、聴覚障害であれば補聴器をしていても聴覚情報が不十分だったりするので、別の感覚情報で、視覚情報として文字や手話でサポートを行うわけです。
ちなみに、視覚障害であれば、文字サイズを拡大することがありますが、音声読み上げや点字など、聴覚情報や触覚情報などとして伝達することもあります。

2022年5月30日現在、障害に関する法律はいくつかあります。今回の記事ではとくに下記については触れません。ちなみに、3つ目の法律は最近成立した法律です。

  • 障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)

  • 障害者雇用促進法(障害者の雇用の促進等に関する法律)

  • 障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法(障碍者による情報の取得及び利用ならびに意思疎通に係る施策の推進に関する法律)

企業や学校、公共施設等で情報保障が行われるわけですが、具体的にどういったシーンがあるかと言うと、例えば講演会や通院、会議、窓口での受付などがあります。


①字幕(文字通訳)

字幕というと、TVの字幕が一番身近だと思います。
テロップがOC(Open Caption)と呼ばれるのに対し、字幕はCC(Closed Caption)と呼ばれます。デフォルトでは隠れて表示されないけど、設定したら見えるようになるからですね。

TVの字幕は、ニュースやスポーツの実況だとリアルタイム字幕がついたり、予め録画されたものに対しては字幕をつけてタイミングを合わせて放送されています。


リアルタイム字幕の作成について、特殊なキーボードを使い、音声を生で聴きながら高速で入力しています。基本的に、2人で連係して入力(片方が入力、もう片方がその修正。)話者が多いと3人以上で行うこともあるようです。



ちなみに、大学の講義や講演会等での文字通訳もあります。
以下のソフトがあります。近年の、オンライン講義での情報保障は2つ目、3つ目が主流となっています。どちらも筑波技術大学の教員が開発したものです。

  • IPtalk

  • T-TAC Caption

  • captiOnline

  • まあちゃん



また、音声認識技術を用いて自動で字幕を作成することも最近では増えてきました。

 音声認識

音声認識については、音声アシスタントのSiriやGoogleアシスタント、Alexaなどを使われている方ならご存知だと思います。

音声認識のアプリについては、以下が有名です。とくにUDトークは企業での情報保障に使われることが多いようです。Zoomへapiを送ってスマホのUDトークで認識した結果を、ZoomのCC(Closed Caption)で表示するなどの使い方がされるようです。

  • UDトーク

  • こえとら

  • Vosual

  • 音声文字変換

  • YYProbe(2023/1/15追記)

また、GoogleドキュメントやMicrosoft Word,PPTでも音声入力が使えます。

②手話通訳

近年、TV等で記者会見の場で手話通訳がつくようになりました。

話者が話した内容を聞いて、手話(日本語対応手話が主流?)で通訳を行うというものです。

話者はマスクをしているため、読唇(口の動きを読んで話の内容を推測すること)ができません。
手話通訳者は透明なマスクをしていることがほとんどですが、それは読唇での情報取得もできるように配慮されているためです。

手話通訳士は、厚生労働省の認定する試験を合格することで得られる公的資格で、手話通訳の専門学校に通うなどして取得される方が多いようです。

手話に関する知識や技術は勿論、聴覚障害に関する知識なども勉強する必要があります。

また、話者の話速(話す速度)はバラバラであり、全員が同じような話し方ではないため、聴き取りにくい状況もあります。しかし、その中でも、うまく環境を調整して、また各々の努力で通訳しなければなりません。

私は、手話通訳を依頼した経験がないのですが、各県ごとに手話通訳派遣センターがあり、そこに依頼することで、通院や講演会、その他の場面で手話通訳を受けることができます。


③筆談

ブギーボードや電子メモパッドを使用されている方、いらっしゃるのではないでしょうか。

市役所や病院、携帯ショップ等で筆談対応していたりします。

話の内容を要約して筆談ボードに書くというやり方ですね。
ただ、資源は限られているので、ある程度書いたら消さないといけなかったり、書くのに時間がかかるなどデメリットもあります。



④ノートテイク(要約筆記)/PCノートテイク

主に大学でのアルバイトとしてノートテイクが提供されることが多いと思います。

講師の発言を要約筆記という技術(省略、記号などの使い分け)を用いて、文字情報として障害学生に提供するというものです。

PCノートテイクは、そのPC版で、先程出てきた字幕と同じように、講師の発言を全文入力するなどします。
(※状況によります。要約で構わないという方もいれば、できるだけ多くの情報を入力して欲しいなどというニーズもあります。)

勿論、その講義の内容を理解していなければ聞いたことをそのまま書き出すことは難しく、また、それを障害学生に伝わるように配慮することも必要です。



終わりに

以上、聴覚障害向けの情報保障についてざっとまとめてみました。
ひとまず、私が知っている手段は以上になります。(他にもあればコメント欄にて教えてください!)

今後、時間があればシリーズとして、それぞれについて詳しく扱います。

また、筆者自身、受けたことがある情報保障は①字幕と②手話通訳です。
なので、そのことについては共有しやすいのですが、それ以外についてはメリット、デメリット、技術などは知りません。

この記事を読んでくださった方で、知見をお持ちでしたら、ぜひコメント欄にて情報提供してくださると助かります。
また、TwitterのDMでも結構です。

2022年5月30日 ふじえもん


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