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2022.10.08-11 九州一周福岡〜大分編【4日目】

行程

福岡
↓<R495>
北九州
↓<R10>
宇佐
↓<R213>
別府
↓<R10>
大分
↓<R197>
佐賀関
↓<R217>
臼杵

3日目 国東~別府~大分~臼杵

国東~杵築のアパート家賃水準の謎

 朝6時に国東市安岐町の宿を出発。まだ真っ暗だったが朝焼けが見えた。

 大分空港道路の入口。高速道路ナンバリングも付けられていて、E97になっている。

 国東市~杵築市にはアパートが多く、国道213号沿線でもよく見かける。築年数が20年前後と、比較的新しいようにも見える建物でも廃墟化しているものもある。国の「テクノポリス構想」の影響で東芝、ソニー、キヤノンなど大企業が進出し、キヤノンの工場進出を見越して多くのアパートが2000年前後に建てられた。しかし、リーマンショックにより工場は撤退。それに伴い従業員も減り、空室が目立つようになった。(参考:日経ビジネス「企業も人もカネも流出危機、コロナ禍で見えたわが街のもろさ」
 アパートの空室が増えるということは家賃を下げなければならない。その結果、2022年現在は【築20年、バストイレ別、30m2】ほどの1Kの部屋が家賃1.7万円/月にまで下がっていった。
 自分は愛媛県松山市で条件が近い物件に現在住んでいるのだが、月々払っている家賃は5万円台なのを考えると異常な水準ともいえる。都市の規模が小さく、駅までの距離があるのを考慮しても、ここまでの低い家賃水準の地域は初めて見かけた。一般的には都市規模が小さくなってもそれに比例して家賃が下がるのではなく、地方県庁所在地レベルの都市(人口20~50万程度)と人口2万人の市では家賃の水準はあまり変わらないどころか、競争がない後者の方が高いこともある。
 前日に泊まった宿がアパートをそのまま使っているのも「アパートとして貸し出しても入居者が来ない。それならホテルとして運営し、1人1泊4000円ほどにしよう。その方が収入が見込める」と考えたのが理由ということが、ここで分かった。
 家賃の安さに惹かれ、移住する人も今ではいるのだとか。空港も近く車があればそこまで不便に感じることはなさそうだ。

 杵築市を走っていると徐々に明るくなってきた。この日は有給休暇を取っていただけで「普通の平日」なのだが、平日という感じがしなかった。

 別府湾の向かい側には大分の工場群が見える。

 国東半島といえば「石」が有名。
 余談だが、遠く離れた鳥取・島根出身の人だと国東半島、という地名を知っている人は多いと思う。国東半島・熊野磨崖仏の映像が流れるテレビCM(足立石材株式会社)が流れているため。

 国道から見えた杵築城。

 なかなかの断崖絶壁の地形。

 別府方面へ向かう。標識はかなり昔からあるようで剥がれている。

 大分空港道路のインターチェンジ。

 日出町にて、別府湾を一望。大分自動車道がかなり高いところを通っているのがわかる。

別府散策

 国道10号に合流し、別府市へ。本来は昨日泊まることも考えていたが、予定になかった姫島にフェリーで行くことにしたため別府まではたどり着けず、国東で宿をとったのだった。

 地獄めぐりを始める。まず「血の池地獄」へ。

 血の色をしている。酸化鉄、酸化マグネシウムを含んだ赤い熱湯。温度は78℃。

 お土産に血の池地獄の入浴剤を買った。家の風呂がこの色になる、という優れもの(?)

 龍巻地獄へ。高さ30mほどまで熱湯が跳ね上がる。常に跳ね上がっているわけではなく、間欠泉のため30分~40分間隔でこの様子が見られる。数分間ずっと跳ね上がっている。

 別府の街並み。平地が狭く斜面の上に家が建っていて、あちこちから湯気が立っている。温泉街ならではの風景。

 「みゆき坂」を上っていく。白池地獄には立ち寄らず外観のみ。国指定名勝に指定されているとのこと。

 かまど地獄の前にある「大かまど」を見に行く。

 「山地獄」

 国道500号は海まで続く。標高170mからの眺め。

 みゆき坂、いでゆ坂を下っていく。

 黄金の鳥居。

 「湯けむり展望台」に登ってみる。湯気があちこちから立っているのがわかる。

 昼食は「海鮮いっき」というお店へ。器からはみ出るくらいの大きな刺身、厚みもあって食べ応えもある。

 山にある「地獄」からの高低差150mを下って海へ。日出町・国東市方面を撮影。

 別府のフェリー乗り場前を通過。ここから愛媛に帰ってもよかったのだが、今回は大分市・佐賀関まで走りたかったので乗らなかった。

 別府タワーは工事中。竣工から65年経過しているため、大規模改修工事を行っている。

 別府市内の国道10号は交通量も多い。地形の関係からも狭い平地に建物が密集しており、実際の規模以上に都会に感じる。

別大国道

 この辺りで別府の市街地は終わり、大分まで民家などの少ない区間へ。

 別大国道区間に入る。6車線+幅の広い歩道(自転車通行可能)という贅沢な造り。のんびり海を眺めながら走りたかったので歩道へ。歩行者はほとんどいなかったので自転車で走っても危険を感じなかった。
 この区間は九州の中でも交通量が多い区間で、2006年に6車線化された。

 振り返ると別府の街並みが見える。狭い土地に高いビルを建てているのがわかる。

 自動車専用道路ではないが「60km/h」の制限速度標識。ここまで直線的で道幅も広いと、それ以上のスピードを出してしまいそうになるためか。

 前を見ると大分の工場群。

 途中には公園もある。

 まもなく大分。

 このキャラクターは何ていう名前だろう??

 この「かんたん」は地名。「菡萏」(読み:かんたん、蓮の花の意味)が地名の由来。この近くに昔は遊郭もあったのだとか。フェリーの時間の関係からも大分市街地はほとんどどこも寄らずに通り過ぎることに。

大分市街地

 …とは言ったものの、少しだけ大分駅周辺は見てみたい。ということで大分駅前へ。新幹線が通っていない駅とは思えない規模感だった。

 アーケード商店街もなかなか大きい。松山の大街道と同じくらい?

 府内城跡にて。

 大分川を渡る。

 大分にも「大洲」という地名がある。愛媛の大洲(おおず)市とは違い「おおす」と読む。

大分~佐賀関~臼杵

 ここからは国道197号ではなく、工業地帯の海沿いの県道を走っていく。こちらの方が早く着けそうだったので。

 工業地帯らしく煙突が目立つ。

 しばらく走ると佐賀関方面の大型車は右折するように書いてある看板がいくつか出てきた。佐賀関は立派な6車線道路で直進方向でも行けるはずなのだが、なぜだろう?

 …と思っていると車線がどんどん少なくなっていく。 

 最終的には道がなくなる。Googleのストリートビューで確認すると工事中のようだった。

 国道197号に合流すると「お米の自販機」がある。24時間利用できる。5kg、10kgの米が売られている。値段を見てみてもかなり安め…?

 「道の駅佐賀関」にて。ここで関サバのコロッケを食べようと思ったのだが売り切れで買えず。
 この辺りは自転車で走るのには怖い道幅だったのだが、現在国道197号の拡幅工事が行われている。
 これからフェリーに乗るのか、追い抜いていく車の半分は愛媛ナンバーだった。

 佐賀関フェリーターミナル。国道197号はここで四国・愛媛県に渡って高知県まで続いている。一昔前は佐田岬半島の区間は災害の度に通行止めになったり、道が狭かったりと典型的な酷道だったようだが、今では快適な「佐田岬メロディーライン」となった。
 2019年春に日本縦断した際は、ここから愛媛県に渡った。当時は大学3年生、とても懐かしい…そして、これにてすでに走った区間を合わせて九州一周を達成。臼杵まではあと24km。

 佐賀関を過ぎると車も減っていく。国道197号だったのが217号に変わる。この区間は3年前にも逆方向で走行している。やはり、通っていく車のかなりの割合が愛媛ナンバー。

 よーく見ると「40高中」と書いてある。数か所発見した。

 穏やかな瀬戸内海を眺めながらの自転車旅。ゴールはもうすぐ。

 田園風景の中を走って臼杵市街地へ。

オレンジフェリー(臼杵→八幡浜)

 17時前にフェリー乗り場到着。自転車は分解せずそのまま乗船し、八幡浜港~JR八幡浜駅間を自転車で走ってから駅で分解し、松山まで輪行する。

 「日本共産党」ではなく「日本水産党」と書かれたトラック。宇和島の水産会社のトラック。

 夕食はフェリー乗り場で買った弁当。

 船の中の内装はカラオケボックス(コー〇・ダジュール?)にしか見えなかった。

 17時30分、臼杵を出発。夕焼けを見ながらの航海。

 外は暗くなってきた。

 19時50分に八幡浜到着。フェリーの通路にもブルーラインで「愛媛県」「大分県」と書かれている。牛を大量に載せたトラックとフェラーリ、その他「日本水産党」などの大型トラック10台ほどがいた。

愛媛県上陸~松山へ

 愛媛県に上陸し、八幡浜港から八幡浜駅へ。みきゃんの看板を見て、愛媛に帰ってきたという実感。

 立派なアーケード商店街がある。この辺りも昔はもっと賑わっていたのだろうか…?
 現在の八幡浜市の区域では人口が1950年に7万人を超えていたが、今は3万人台と減少が著しい。

 八幡浜駅に到着。松山まではJR特急宇和海で1時間弱。

 21時40分、松山に到着。

走行記録

  • 走行距離:106.42km

  • 獲得標高:596m

  • 平均速度:20.9km/h

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