痩せは鎧にも刀にもなって、私を守ってくれる～かすみ嬢の居場所（15）

　いつになくハイで、何でもできる気がして。ここ２週間は、ひたすら勉強するか身体動かすかしかしてませんでした。あんまり寝られてもいない。その反動が今、どっときてます。もう何もできる気がしない。あんなに痩せ姫になれるって、張り切ってた気持ちは何処へやら。
　せめてあと数キロは、あともうちょっともうちょっとって減らしてたら、ゴールが見えなくなっちゃった。数字が減っても、思い描いていた腕の細さと脚の細さが、骨の出っ張りが出てこなくて。

　文字通り汗水垂らして、この２週間で削ぎ取っていったお肉は3.2キロ。まだここにもそこにもあるお肉は取れる気配すらないってのに。はたして、削いで削いだそのなかから、痩せ姫はぽっと生まれ出るのかしら。

　こんな、もう動けないよ歩けないよって叫ぶようなやり方じゃなくて、ゆっくり少しずつできるだけ気持ちを平らにしていく方が近道なのでしょう。痩せ姫への道は険しく遠い。三歩進んでも二歩下がるような今のやり方じゃ、その下がる時間がもう惜しい。

　それでね。「カロリー貯金ダイエット」というダイエット法の表現が素晴らしいの。私が「低体重のまま過食しない方法を探る」に至った動機そのまま。脱水して体重計の数値に一喜一憂したり、拒食過活動で三歩進んでも過食で二歩下がるなら、カロリー貯金で一歩ずつ平穏に進みたいと思った。
　それをすでに同じ思考に至っていた先達の方に褒めていただけることも、一個人として表現を褒めていただけたことも素直に嬉しいです。

　Tweetにせよ作文にせよ、文章を書くということは自分の脆い部分を曝け出すということでもあると私は考えていて、それが褒められることがどれだけ嬉しいか。今週は学校の先生にも英作を褒めてもらえていて、こんなしがないTweetにも目を止めてくれている方もいらして、有難いことこの上ないです。

　そしてこういうとき、支えになるのはやっぱりCoccoちゃん。彼女が骨骨しい身体でもなお素晴らしいパフォーマンスを見せ続けた頑張りを思うと、いつも励まされるよ。

「はしりすぎないもうゆっくりするをおぼえるすたっふやめんばーやおうえんしてくれるひとやじぶんをしんじるだいじょうぶげんきでみんなにありがとうをつたえるゆっくりをおぼえるだいじょうぶみんなにあえる」（Coccoちゃんの言葉）

　大丈夫。ちゃんとCoccoちゃんならきちんとやり遂げられる。私はいつだってそれに励まされてきた。
　一方、私は痩せたくてたまらなくて、その痩せたさを、私の必死の願いを後回しにして他の人の期待に応えられるかと言われたら無理だから、絶対にできやしないから…。

　だけど、痩せてるってそれだけで強くなれる。私にとっては最強の武器なんだよ。

　女の人はお化粧が武器ですなんて、言うでしょう？　外に出るとき、お化粧は鎧にもなるし刀にもなる。お化粧をしてないと外に出られないなんて人は多数派よね。

　それとおんなじ。私にとってはそれが痩せになるだけだ。痩せは鎧にも刀にもなって、外に出る私を守ってくれる。
　だからね、前に測ったときより少しでも減っていたら外にもるんるんで出られるし、不調だって我慢できる。一番怖いのは増えることだから。増えたらもうどうすればいいのかわからなくなるから、そのために私は毎日必死だよ。