正しいこと=したいこととは限らない~かすみ嬢の居場所(57)


 目算でカロリーわかるようになっていたはずなのに、余裕を持たせたくって少し多めにカウントしてたら、どれがどれくらいのカロリーなのかわからなくなっちゃった。ぜーんぶ100は超えてるように思えちゃうの。
 とりあえず、起きているほうがカロリーを使う気がして、夜更かし。筋トレ途中に気を失うことが最近ちょっと多くなったから、勉強の割合を少し増やしてます。脳をフル活用、できてたらいいなぁって。
 すぐ忘れちゃうから、何回も執拗に何度も何度も繰り返して脳に刻みつけようって。この粘着質なやり方が功を奏して、脳萎縮しないといいなってひっそり思います。
 うーん、でも萎縮しないくらいにはエネルギー消費できていないことを思うと、それもそれで怖くなって、まだまだ頑張らなきゃなって思って。
 なかなか身勝手なのです。

 私としても、一歩外に出たらひそひそ噂され、ひと駅分もぶっ通しで歩くことができなくて、自分でもいつ倒れるかしらってびくびくする、こんな生活が正しいとは思ってないの。
 ただ、正しいこと=私がしたいこととは限らないのよね。
 他所様に迷惑をかけないから。私を見ることで不快な思いはさせてしまうかもしれないけれど、でも、こんな私の身勝手で救急車はもちろん、お医者様の手を煩わせることはするつもりなくって。だから、ほんのひとときの期間限定の我儘を許してほしいです。
 期間を区切ったこと、目標を明確にできたことで、私もほどよく追い詰められていい感じ。死ぬ気でやれば何でもできるでしょって、大嘘だと思っていたのだけれど、頑張る方向性=死ぬ方向性になると、一気に頑張れるみたい。痩せて痩せて透き通って消えられたらいいのにのって、今も思います。

 とかく私は、悪意に敏感になって善意を見逃しがちだけれど。
「見すぼらしい」「哀れだ」と蔑んでくる人がいる一方で「人は好きに生きればいい」と無関心を貫いてくれる人、さらには「貴女の身体は綺麗と思う」って言ってくれる人もいらっしゃること、忘れないでいたいとしみじみ思います。
 変なしがらみがない分、都会で一人暮らしだとそこまで関心を持たれる機会がないし、たくさんの人がいる分、私に敵意を持たない人も見つけやすいので、とても生きやすい環境に今はいると思うの。

 Coccoさんの「blue bird」聴いてる。
 I don’t care to jump out of here. But I wanna see you tomorrow again.
 ここから飛び降りてもいいって言い切れる強さも、でも貴女にまた明日も会いたいから生きるよって一本通った芯も、大好き。救われています。
 こっこさん、元気かな。
 あの細い身体で大きく歌って舞い踊るツアーのDVDを繰り返し見ています。あんなに細くったって、こんなに動けること。自分のルーツを堂々と歌う彼女みたいに、私はなりたい。
 痩せるのを目指したいならば、それが今の私に価値があるなら、誰が反対しようとも胸を張って突き進めばいい。これもこれとて今しかできないことなんだから。
 こじつけかもしれないけど、彼女の姿を見てそんなことを思っています。

 ここでは、綺麗なものだけ見ていたいっていう我儘。憧れる感受性とそれを露わにする素敵な文体と。一目惚れするような呟きを見られる幸せ。


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