見出し画像

昨年までの 風景(15)

今年の確定申告の書類を 棚にしまっているとき、子供達の「幼い頃の作品」と書いた箱を 見つけた。それは 子供達の玉手箱のようなものだ。   二つの箱には娘と息子の幼稚園、小学校、中学校の成績表や文集等が入っていた。なつかしい子供達の小学校時代。二人ともよくがんばっていたね! お母さんは そんなあなた達のことを 褒めてあげたかしら?      あれから、いろんなことがあったね。大人になった娘も元気な時に「note」に投稿していたね、そして、私に教えてくれたから この「文集」の中から幾つか書き出してみても いいかしら? いいわよね!

「楽しかった小豆島」 娘小学4年生

朝、5時に起きた。 とてもよいお天気で、パッと目がさめた。ご飯を食べて、すぐ家を出た。港から船に乗った。船は、まっ白で、とてもきれいだった。神戸のポートタワーも見えた。しばらく乗っていたら、淡路島が見えた。地図で見ると、 とても小さく見えるけど、船で一部を通るだけで、とても時間がかかった。やっと小豆島に着いた。やっぱりすごい人だった。すぐ、着替えて海に入った。水がとても、きれいだった。お父さんが「ボートを借りて来て、沖の島の方へ行くぞ」と言った。私はこわくなって「私だけまっている」と言った。そしたらお母さんが「なんで、行きなさいよ。おもしろいじゃない」と、いったから、しょうがなしに、ボートに乗った。海の水の流れが、きついので、お父さんが疲れたので私がこいだら、力が足りないので、どんどん流されていた。また、お父さんにかわって、やっと着いた。私が一歩一歩歩いたら、しけむしが、逃げていった。ヒトデがあった。お母さんが急に「あ、うみうしがいる」と言ったので、急いで行ってみると、石と石の間で小さくなっていた。弟が「なんだ。うみうしって、もっと大きくて、モーッてなくのかと思った」と言った。お父さんが「もう、帰るぞ」と言った。帰りはお母さんがボートをこいだ。やっと、ついた。そして夕食にした時、おかずがコンニャクと里芋のたいたのがあった。それを見て、弟が「あ、うみうしがいる」と、言ったので、みんなで大声で笑った。そして、しばらくして、花火を買いにいった。打ち上げばっかりだった。お父さんに買ってもらってから、すぐ海べへ行った。弟と私とお母さんが見てお父さんが火をつけた。あっと言う間に、やってしまった。ほかの人もやっていたから、見ていた。いろんな、花火をやっていてとても楽しかった。あとで さん歩をした。とてもすずしくて、このままねたい気もちだった。ほんとうに、楽しい一日だった。

「運動会のリレー」

「用意、ドン!」出発の人が、ピストルで合図した。私はもう、リレーが一番どきどきして、きんちょうする。「ああ、もう女子のリレーだ、がんばらなくっちゃ」赤も白も、一生けんめいおうえんしている声が聞こえる。「もう次が、私の番だ」観客が「白!赤!がんばれ!」「あと少しだ、お父さんもお母さんも、ぬかされていいんだ、ただ、走っている時は、ぬかせるぬかせるという気持ちで走ればいいんだ」と、いう言葉を思い出した。もう私の手に、バトンをわたそうとしている、ガンバレ。私が、バトンをもらって思いっきり走った。その時、私は「ぬかせる、ぬかせる」と、いう言葉で頭がいっぱいだった。直線コースに入って、やっと一人ぬかせた。「やった!けど気をぬかしてはいけない、またぬかされるかもしれない」そしていっしょうけんめい走った。「ガンバレ、ガンバレ」みんなが、応えんしてくれる。白の応えん団の人も、お父さん、お母さんもみんなが、私に、応えんしてくれるような、気がした。そしたら、ますます力が、わいてきて、いしょうけんめい走った。「もうあと、半周。」ガンバレ「ああ、だんだん足がつかれてきた。しまった。一番最初に、いきおいを出しすぎた。もうあとから、後悔してもおそい」私は、できるだけ速く走った。あと少し、少々しんどくてもガンバレ!またぬかされたら、なんのために、ぬかしたのかわからない。あと少しだから、何も考えずに、思いっきり力いっぱい走ろうと思って走った。「あと少しで終わり、次の人にタッチができる」バトンをわたす時、気を付けないと、バトンをおとしたら、ぬかされる。「はいっ」次の人にバトンをわたした。「はっはっはっ」と、みんな息をきらした。「はっはっはっは」私も息が切れる。私は一番うれしかった。「やっぱり、いっしょうけんめい走ったら、苦しいけどその分うれしさが、ふえるなあ」と私は思った。今年の運動会の、一番の思い出は、リレーである。

「雲」

青い空に

ぽつん、ぽつん

白い雲が

おいかけっこしてる。

あ、

つかまった。

二つの小さい雲が

一つの大きな雲に

どこまで行くのかな

風に乗って

きっと、

遠くに、遠くに

行くんだろう


「鳥」

鳥っていいなあ

羽を 力いっぱい

空にむけて

いっきに

広い広い、大空に

どこまでも

どこまでも

とぶ

気もちが、いいだろうな

春のそよ風に

のって




私は そっと、「文集」をとじた。

まだまだ読んでいたい。けれど、胸がいたい。

そうなんだよ。今あなたは 身も心も自由になったんだから…

この時のように 自由に空を飛んどいで!

もうすっかり、自由なんだから…。

私は祈りをこめて、そっと 

娘の「文集」を 閉じた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?