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つらいなあ~、こんな世に誰がした!

 連休、一日だけ帰省した息子と孫
急に入った予定に レストランの予約も取れず、一夜の泊まりに布団の準備
それでも、君たちの帰省がうれしくって、ばあちゃんがんばった!
楽しいうれしい時間は あっという間に流れ
帰省後は 二日寝倒した!
年行くとなかなか疲れが取れへんもんやなあ
折角 治りかけたしわがれ声も 又出なおし!!

 連休3日後 チャイムの音で昼寝を覚まされた
玄関前の二人の大男
「00ガスから来ました。電気とガスを一体にされていてソーラーをつけてるお客様を訪問してます。玄関に出て来てもらえませんか?」
そのことばに 私の頭に火が点いた。
「00ガスやったら、前もってハガキか何かで連絡があるはず!何もない よォ」
「案内も電話も いってるはずです」
これには 出て行かない訳に行かない!なぜなら どこの会社かわからないこの関係の電話は 自分でも嫌になるほど『けっこうです!』と、頭ごなしに断っていたから…

玄関のドアから門扉までの間までに
「おかしいやん!たしかに電話は どこからの電話でもソーラー関係で掛かってきたのは、話も聞かず断っていたけど…」
と私は 犬のように吠え続けていた。
「わたしたちを疑ってる?」
その言葉に、私は一もなく二もなく 即座に
「ふん、疑ってる! 疑いとうないけど 疑ってる!」
と はっきり言ってのけた。
見ると二人の男性はマスクの上の額に 大粒の汗をかいていた。
冷や汗なのか 急に気温が上がったせいなのか…?
私は 急に気温が上がった「汗」と 判断して
「ここは陽が当たる。あっちの陰に入ろ!あそこならちょっとは涼しいから えらい 汗かいたはるやん!」と向かいの家の陰に行った。しかし、大きな体格の人の顔には まだ陽が当たる
「いや~、まだ陽があたるやん、 あ、ガレージの方やったら 当たらへんやろ、こっち行こ!」
彼らは誘導されるがまま 私の家のガレージに入る。
しかし、隣の塀は高いけど、透明な屋根のガレージは のっぽさんの顔を 半分しか影にしない。
「まだ、顔に陽当たってるやん、背高いんやねえ、何センチ?」
「181です」
「へえ、うちの息子180あるけど、まだ大きいんやねえ」
「いや~、時によって、179になったり180になったり…」
彼の気がゆるんで フッといってしまった事実だったようだが、私は
その言葉で『あまい!』と見抜いた。

そこで、本題に入るのだが、
「何処の会社かわからへんけど、何社からも電話はかかってくる。けど、 私は『ソーラー』と聞いただけで『けっこうです!』と言うて電話を切るね。
ガスと電気をまとめてるお宅とこでも、蓄電池とか工事費なんかかかるんやろ?」
素直に「うん」と首を縦に振る。
「私は 今までどおりでええんや!これ以上新しいことを始めたら お金はいるは工事でややこしくなるわで、これって嫌なんや、今までどおり質素に 生活してたら、なんの不足もない!」と言うと
「安くなるっていうても いらんのですね!」と、重ねて来る。
「そうや、いらんね!今のままで 質素に行って 何の障りもないもん!」
大きな声ではっきり言うと
「わかりました。そう言うときます」
「そや、そう言うといて!」
彼らがガレージを出る時
「水あげよか?」と声をかける私に 彼らは
「いえ、結構です。ありがとうございます」と、初めてはにかんだように頭を下げた。
「ほな、熱中症に気イつけてな!」と私はガレージの扉を閉めた。

彼らは下請けの会社の人達なんや
ノルマもあるかも知れん
けど、こっちも 後先短いのに 話に乗ってられるかいなあ
断るにも エネルギーがいるなあ!
ああ、しんど!

そこで、
以前、消防署の人が「10年過ぎた火災探知機を見にまわって来られた」時のことを思い出した。
(火災探知機は 息子が買って来てくれて各部屋に設置もしてくれていた)
その時も、私は てっきり「まがいもんや」と思いこんでいたので
「どうえ、こんな格好して、ほんまに消防士さんやと思うよなあ! そんで 家に入ってもらうやん、あぶないあぶない!」と言って、消防士さんの姿を しげしげと見てまわってしまった。
若い消防士さんは 怒りもせずあきれた顔をして
「そんなんなら、点検したことで電池を確認しておいてくださいよ!」と 言って帰られた。数日後 ご近所さんに話したら
「うちも来られたよ、あの人は本物よォ!」

それを聞いた私は すっかり落ち込んでしまった。
失礼なことをしてしまった!と詫びる気持ちを どうしたものか?と悩んでしまっていた。
憧れて! か、どうかわからないけど、希望をもって消防士になったその人に、私は なんてことをしたんだろう!?
居ても立っても居られない気持ちになって、消防士さんから渡された「点検済み」の用紙を出して見ていると ハンコが押されていた。
あった! 印鑑の跡、その若い消防士さんの名前だ! 
私はすぐに その消防署に電話して 彼を呼び出した。
「はい、△ですが…」
その声を聞いた途端、私は涙声になり
「この前はごめんね! 詐欺やとばっかり思てて… 感じ悪かったやろォ
堪忍してな!、勘違いしてたんや 気イわるかったやろォ 許してなあ!」と、許しを乞うていた。

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