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銃•病原菌•鉄 ジャレド•ダイアモンド著

〈読書を始めたきっかけ〜この本にした理由〉
1投稿目なので、読書を始めたきっかけも。
そもそも小説などの文芸に触れようと火がついたのは2021年の夏、趣味のレザークラフトのために難波の店を訪れたとき、新型コロナウイルスの影響で制限がかかり、入店が予約制になっていたことを知らず、3時間程度の暇ができたとき。
その時は「店内誰もおらんのになんで3時間も待たなあかんねん」とイライラしたが、それと同時に「25歳にもなって、こんなことでイライラするって何?」と思い、冷静になろうと思った。
こういう時に有効に時間を使えてこそ大人だと、紳士だと思った。
その際に本屋に向かって、平置きになっている話題の1冊を買って、カフェで読もうと思った。
本屋に着くと東野圭吾の小説があと3作品で100作品になるというpopが貼ってあった。
人生において初めて好きな作家ができたと感じたのは東野圭吾の作品で、残り3作品が発表される前に東野圭吾の作品を全て読もうと思った。
ブックオフで30冊くらい買って、全部読んで全部売るということを繰り返し行なっていたが、同じ著者のものばかりを読んでいたため、浮気したくなった。
そんな時QuizKnockの動画で本作品を目にし、読んでみたいと思い、梅田のジュンク堂書店で購入した。

〈感想〉
noteの最初に相応しい1冊だと思う。
現在の経済のあり方や発展途上国と先進国の地理的な位置関係など、そういったことを論理的に説明してくれる本。
当たり前だけど、全ての結果には理由があるということを再認識させられた。
本書は1つの出来事の検証に対して、生物学、地理学、言語学、歴史学など、様々な視点から検証を行っている。
物事を多角的に考えることの大切さを学んだ。
大袈裟だが人生観が少し変わったと言えるような本でした。
この本を読んでから色んなことに対する「なんで?」を知りたくなった。
知識欲が掻き立てられるというか、そんな感じ。
今後の人生でたまに読み返したい。

〈1投稿目を書いて〉
要約が長くなりすぎた。反省。
人に話す時に上手く喋りたいからしっかり目に書いたけど、要約が3000文字超えとるがな。
日記とかランニングとか、数多くの挫折の経験上、こういうのはカジュアルにやらな続かん。
1発目に気合い入れてめっちゃ描くと、脳が「めんどくさいもの」として認識するから次からやりたくなくなる。
次から気をつけます。

〈要約〉
著者のジャレド•ダイアモンドはアメリカの生物学者でカリフォルニア大学の講師だ。
本作品の始まりは、著者がニューギニアを訪れた際にヤリという優れた政治家に下記のように問われたことから始まった。

「ヨーロッパ人はニューギニアを征服したが、なぜニューギニア人が欧州を征服することはできなかったのか。」

私の頭が古い価値観を手放せていないということも理由の一つだが、先住民族を連想する際に黒人の姿で想像してしまう。
それが映像作品の影響か、昔教科書で見たものの刷り込みかはわからない。

では白人や黄色人種に対して黒人が能力的に劣っているのか?
そうではないことは多くの人が感じている通りである。
100M走世界記録保持者のウサイン•ボルトの影響か、身体能力は黒人のほうが高い気がするし、アメリカ合衆国44代大統領には黒人のバラク•オバマが就任している。
芸能でもアイク•ぬわらは面白い上に世界的に有名な証券会社ゴールドマンサックスの出身だという。
一昔前にテレビで半ば笑いものにされていたタレントのボビー•オロゴンも聞くところによると株取引ではちゃめちゃに成功して、大金持ちらしい。

しかし歴史上黒人と括られる集団が虐げられていたことは事実で、現在でも発展途上国国の多いアフリカ大陸の主要民族は黒人である。
それではなぜ、現在のGDPランキングの10位までのうち8つが白人国家なのか。
この差はいつのまについてしまったのか。

その理由を紀元前1万年以上前に遡り、地理学、言語学、生物学の観点から解説している本である。

結論
「ヨーロッパは地理的に恵まれていたから」
である。

紀元前7000年ごろ、現在のシリアが位置する肥沃三日月地帯ではすでに人間が住み、農業が盛んであった。
その土壌の豊かさ、動植物の分布が、農耕民族にとって理想的であったためである。

まず農耕民族と狩猟採取民族のどちらが生存において有利かということを考えていきたい。
狩猟採取民族は動植物を狩り食べることで生活をしていた。動物を狩ることは常に怪我のリスクが高まり、作業効率が上がりづらい。
そして植物の採取が終わるとその場を移動する必要があり、決まった拠点を持つことができない。
その性質上、財産の形成や継承が起こりづらく、飼える家畜の数も制限される。
種族の繁栄に必要なものを長期間持ち続けることが難しいのだ。

反対に農耕民族は稲や麦などを生産して暮らしていた。
拠点を持つことで技術の進歩、継承が起こりやすく、また家畜を飼育することができる。
家畜と農業を掛け合わせることにより、フンを肥料に使い作物を効率よく生産することができる。
牛に鋤を引かせてより広い土地を耕すことができる。
土地の広さや人間の数に対応して家畜の数をコントロールし、安定して食料を生産できる。
少人数で大人数の食料を生産できるのだ。
それによって非生産者を養う余裕ができるため、鉄器を作る人、政治をする人、戦いに備える人など、専門職が増えていく。

現時点で農耕民族の方が有利な気がするが、実際に侵略においては農耕民族が持っている病原菌が農耕民族の勝利を確実なものにした。

農耕民族の間では家畜を媒介として、あらゆる病原菌が誕生した。
その都度多くの人間が死んでいき、全滅する集落もあったが、病原菌に打ち勝った集落は多くの抗体を得るに至った。
この病原菌と抗体を持った農耕民族が、狩猟採取民族と戦う際に、鉄器や職業軍人により劣勢を強いられる狩猟採取民族は、原因不明の病に罹りだす。
狩猟採取民族は農耕民族が当たり前のように持っている抗体を持っておらず、戦いの最中に罹患して帰ってくる。そして自陣で他の人間に移して、その集団は病により自壊する。

それではなぜ、狩猟採取民族たちに農業が伝播しなかったのか。
それは経度の違いによって起こる気候の違いのためである。
肥沃三日月地帯では紀元前七千年前には農耕が始まり、前3000年ごろには、大規模な文明であるメソポタミア文明が起こった。
ユーラシア大陸は横に長い。肥沃三日月地帯と経度が近い地域は気候条件も近いため、同じ植物が育つ。
しかし経度が違うと北は寒くなりすぎ、南は暑くなりすぎるため、肥沃三日月地帯で育つ濃厚に優秀な作物が育たない。
そのため経度が離れている地域には作物が伝播しなかった。

また家畜においても同様で、肥沃三日月地帯では家畜の条件に合致する動物が多く分布していた。
家畜の条件とは下記の6項目である。

  1. 飼料の調達が安価であること
    多種の食料を好んで食べ、またヒトが食べられない秣や牧草などを食べる動物は飼料コストが少ないため優秀である。

  2. 成長速度が速いこと
    ヒトより早く成長し、繁殖させることができると、短期間で品種改良的に性質を変えることができる。

  3. 飼育下で繁殖できること
    人間の飼育下ではストレスや環境などの理由で繁殖しない/しづらい種がある。

  4. 気性が穏やかであること。
    ヒトが制しやすい気性であることは重要である。水牛やイノシシは気まぐれな性格のため、家畜となり得ない

  5. パニックを起こしづらいこと
    驚いた時にすぐに逃げ出すような動物は家畜になり得ない。ガゼルなどは臆病な性格のため、すぐに逃げてしまうし、脚力が発達しておりジャンプ力が高いため柵などで囲うことが難しい。
    羊は臆病だが群れに対する意識が強く6の序列による制御が行いやすいため家畜となりうる。

  6. 序列のある集団を形成すること
    牛や馬、羊などは序列のある集団を形成する。そのため序列の先頭にヒトや犬を置くことで、群れの制御が可能になる。

動物も植物と同様に急激な環境の変化には対応できないため、経度の違う場所での繁殖は難しい。
そして不運なことに肥沃三日月地帯には家畜にしやすい動物が多く分布していたが、赤道以南の地域には家畜の条件に見合う哺乳類は殆ど分布していなかった。

またアフリカはアマゾンに代表されるように動植物が育ちやすい環境であるが、肥沃三日月地帯とアフリカを隔てる大きな砂漠を動植物が越えることは難しかった。
南北アメリカ大陸も同様に、パナマ海峡が2大陸を分断することで、動植物の伝播が難しかった。

現代のように飛行機や車などの移動手段がない時代には、家畜や植物が伝播しない以上、文明も伝播しづらい。
このような理由で赤道以南の国々はある意味ガラパゴス化し、文明の発展が遅れたために、様々な地域の先住民族は、白人の武力侵攻に対抗できなかったのである。

これらは進化生物学、生物地理学などに基づいた推論だが、下巻では言語学に基づいた推論なども入っていた。

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