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考える#1 動物は「動ける喜び」を感じるのか__動物病院のキャッチコピーを見て

近くを通るたびに私の視線はこの看板に吸い寄せられる。

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「全ての動物に動ける喜びを」

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動物が本来の運動機能を取り戻し自由に動けるように、という主旨のメッセージは動物病院としてごく自然でどこもおかしくないし、ペットを想う飼い主の心にも響くだろう。

(誤解のないように先に書いておくと、私は動物を飼っていないけれど、愛玩動物そのものに反対というわけではありません。)


しかし、私はなんだか奇妙な気持ちになった。その理由は2つ。

1) 文字の読めない動物に向けたメッセージに見える
…もちろんそんなことはなくて、飼育する人間向けのキャッチコピーだ、当たり前だ。

2) 動物の心に「動ける喜び」が存在し、それを経験できることが前提になっている
…うーん、動けない状態から動ける状態になったときに「動ける喜び」が生じるのか。

後者の疑問について少しググってみた。

Animal sentience(動物の感覚)という分野における近年の研究によると

人間以外の動物にも私たち人間のもつ感情のようなものはあるらしい。

そして'Animal sentience'の考え方は動物実験反対や集約畜産批判の科学的根拠にもなっている(参照サイト’FARM ANIMALS ANIMAL SENTIENCE’)。


ただ、人間のような感覚や感情があるからといって、人間の言葉でそれを指せるとは限らない。

となると、あとはワーディングの問題で、あのキャッチコピーを見るたびに私の頭の中で、擬人化された動物が「動けるようになって嬉しい~」と走り回っている…。

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