見出し画像

やりたいことが形になった2024年。

今年も大晦日に1年の振り返りを書いている。
自分が書いて公開している文章のなかで、これは唯一自分のために書いているものかもしれない。
慌しかった1年を終わらせて、新たな気持ちでリスタートするための儀式のようなものだ。
常に何かに追われていて余裕のない日々だったけど、こうやってギリギリで乗り越える感覚がないとそれはそれで物足りなさを感じるんだろうし、結局はそういう生き方が好きなんだろうなとも思う。
今年もたくさんの方にお世話になりました。


【1月】『ケイコ 目を澄ませて』の三宅唱監督と進路相談

『ケイコ 目を澄ませて』の舞台挨拶で、シネマアイリスに来てくれた三宅唱監督(サプライズで主演の岸井ゆきのさんも登場!)。函館を舞台にした映画『きみの鳥はうたえる』のインタビューをさせていただいたご縁で、トークイベントをやらせてもらった!「学校では出会えない人たちに人生の話を聞こう」というテーマで開催している『Gスクエア的 進路相談』のゲストに来ていただき、映画との出会いから監督になるまでの道のり、そして次回作の展望などを聞かせてもらう回に。映画への純粋な好奇心を語る監督の話を聞いて、「ちゃんとやりたいことをやろう」と思ったのは僕だけではなかったはずだ。

ずっと気になっていたキリントレセンの取材で地方で事業を立ち上げる大変さと面白さを実感。知床ねむろマガジンでは鮭が紡ぐ1万年の歴史・文化を巡る標津の旅を書かせてもらい、『ZIP!』でGLAYのHISASHIさん、ずんの飯尾さんとも話させてもらった。妻の美容室『noqa hair design』はお陰様で1周年を迎えることができた。

【2月】『Forbes JAPAN』で地方特集

『Forbes JAPAN』で、ビジネスが活発に循環する地域の取り組みを紹介する記事を書かせてもらう。自分の街でも参考にしたい事例がたくさんあって役得な仕事だった。今まで一度も仕事をしたことのない媒体だったけど「地方特集」という文脈から声をかけていただけたのが、とても嬉しかった!

毎年やらせてもらっている環境省のブランドブック『自然の郷ものがたり』の取材でドット道東と一緒に阿寒へ。観光汽船で船長を務めた神好美さんにお話を伺った。湖が結氷する冬季には、汽船の船長たちが木彫り熊を彫っていたという話が印象的だったなぁ。立ち上げから関わらせてもらっていたトーチライトが書籍化。UNTAPPED HOSTEL/Seesaw Booksの神輝哉さん、タバブックスの宮川真紀さんeastern youthの吉野寿さんなど、どれも思い出深いインタビューばかり。「どこに住んでいても、つくってゆかいに暮らす。」という理想を掲げて作った本なので、興味がある方は是非手に取ってもらいたい。極東最前線に行った際、吉野さんにも渡すことができた。


【3月】『JINS PARK』でTaiTanさんにインタビュー

いつもお世話になっている『JINS PARK』で、Dos MonosのTaiTanさんに「聴く」というテーマでお話を伺った。『奇奇怪怪明解事典』『脳盗』のリスナーだったので、めちゃくちゃ嬉しいオファー。「興味がない話には嘘が混じる」という、人の話を聴く仕事をしている者にとってはドキッとする言葉もあり、自分でも定期的に読み返したい記事になった。

函館では移住者セミナーのファシリテーターを担当。今年で50周年を迎えた『はこだてわいん』さんが始めたワインに合う道南食材を発掘するプロジェクト『食とツナガルWINE』で、ハコダテアンチョビとの生産者対談を実施。ローカルレボリューションの齊藤亘胤さんとの対談を担当した。函館旧市街でクラフトビアバーを立ち上げる友人・平松祐太郎のクラファンに応援コメントを書いたりもした。完成した『White Seed』は、よく友人と遊びに行ってて人とビールとの出会いの場になっている。番組ナビゲーターをやらせてもらっているNCVのテレビ番組『ミライハコ』が北海道東北地域のケーブルテレビ番組アワード・コミュニティ部門でグランプリを受賞!ウォールインタビューを作らせてもらっている函館空港の案内所『がっつり道南』も、日本政府観光局(JNTO)主催の認定外国人観光案内所表彰において、部門別1位を獲得した!おめでたい!


【4月】無限の可能性が広がる〝函館アウトドアの今〟

函館空港の案内所『がっつり道南』で展開中のウォールインタビューで、『HAKODATE ADVENTURE TOUR』の中田夫婦に取材。そのフルバージョンをIN&OUTYahoo!個人のページで公開した。アウトドアという分野では、これまであまり知られていなかった函館でツアー会社を立ち上げたふたり。「まだまだ知られていない。だからこそ、可能性しかない」と語る姿に、まだまだ広がっていく函館の可能性を感じた。

友人の夏堀めぐみさんが、釧路の市議会議員に立候補することになり、ポスターのコピーや生い立ちを伺うインタビューを実施。新人でありながら2位当選という結果に!頑張れ、めぐやん!ジモコロでは「連続無休営業10000日」という前代未聞の記録を達成した、函館市の『たつみ食堂』の記事をリリース。自分で考え、仕事を作り、実直に続けていく先輩の姿に気合いが入った。


【5月】退職者が語る企業のインタビュー

キリンの公式noteで、キリンを退職した方々に話を聞くという取材へ。「辞めた人に語ってもらう会社の姿って、現役の人とは違う視点がありそうだよね」という話からスタートした企画だったけど、企業のオフィシャルメディアで退職者の方に話を伺うという取り組みができることにキリンの風通しのよさを感じた。キリンを辞めて五島列島でクラフトジンを造ることをセカンドキャリアに選んだ3人の言葉には、これまでの学びを社会に還元していきたいという強い想いと、現役従業員へのエールがたっぷりと込められていた。

道南の学生たちと一緒にローカルマガジンを作る『each』の3年目がスタート。今年はデザイナーさんや動画を作れるスタッフも加わり、プロジェクトがどんどん成長していってることを実感する。母校・函館東高校の関東同窓会が発行する『関東せいうん』にエッセイを寄稿。学校の繋がりって卒業すると疎遠になるし、ましてや世代の違う方々との接点ってほぼないけど、この媒体を通じて心強い味方がいることを実感した。ここ数年で先輩たちにフックアップしてもらう機会が増えていてありがたい。


【6月】『bar 途中』を初開催

コロナが落ち着いきたのでリアルイベントをやりたいと思い、前から考えていた『bar 途中』を開催することに。途中のことって話に表に出にくいけど、実は芽吹く直前の熱があると思って、参加者を募ってみたところ20人を超える人たちが自分の途中を持ち寄って集まってくれた。リアルイベントならではのグルーヴが生まれ、「一緒にこんなことやりましょう」という話もあちこちで生まれたのがよかった。来年も開催したい!

函館空港で『道南おせっかい横丁』のロゴを一緒に作ってもらったデザイナーさんのちほっしゅさんに誘ってもらい、釧路で100年以上の歴史を誇る酒蔵・福司酒造の新ブランド『五色彩雲』のコピーとブランドメッセージの制作を担当させてもらった。ヒアリングで釧路に行って、蔵の方々とお会いし、一緒に飲んで、メッセージを考える。とてもやりがいのあるクリエイティブだったので、来年はこういう仕事をもっとやっていきたい。キリンビール福岡工場で、入社3年目の社員が、リーダーとの対話を通じて⾃分なりの新しい指針を見つけていくという企画の取材。自分は会社の先輩も後輩もいないので、そういう関係のなかで仕事ができることに羨ましさを感じた。


【7月】フジロックでeastern youthのライブレポート

毎年恒例の不ジロックエキスプレスで、5年ぶりに苗場に帰ってきたeastern youthのライブレポートを書いた。思い入れがあるフェスで、思い入れがあるバンドの記事を書くのは、独特な緊張と高揚がある。「我々はいずれ暮らしの果てに散るが、命をかけて走れるなら、それはきっと素晴らしい世界なのだ」、そんなことを全身で受け止めるライブだった。

この月から函館を代表するローカルマガジン『peeps hakodate』の編集部に参加。90年代の函館特集で、高校生の頃に通っていたライブハウス『Bay City's Street』の元店長さんへインタビューや、当時のまま時間が止まっている自分の部屋のエッセイを書いた。最近の騒動や、今後の関わり方についてはコチラキリンビール仙台工場が100周年を迎え、地元の高校生と共にロゴを作ったという取材も面白かったな。若者に夢を与えてくれる企業が地元にあることの重要性!


【8月】函館旧市街での暮らしをまとめた雑誌『生活圏』が完成

昨年から取材をしていたのにやり切れていなかった雑誌『生活圏-函館旧市街編-』が完成した。僕がいつも行っているお店の紹介や、普段の暮らしを綴ったエッセイ、お世話になっている町会や遊び場、学童のインタビューなどを詰め込んだ内容で、自分が住んでいる街を友達に紹介するようなつもりで作った。

 500部刷って1年くらいかけて売れればいいなと思っていたが、ありがたいことに2ヶ月を待たずして完売。350部は函館旧市街で買ってもらい、残りは道内各地や東京の書店さんが仕入れてくださり、個人で注文をしてくれ方も全国各地にいた。本当にありがとうございます。最後まで粘り強く付き合ってくれた制作チーム、印刷の立ち会いもさせてくれた函館の辻印刷さんには感謝しかない。

最初は誌面に出てくれたお店に配本し、近所で会った人に手売りして、地元の書店さんが仕入れてくれて、さまざまな取材を受け、ネットで注文してくれた方には発送し、街を超えて横浜でも出版記念イベントをさせてもらった。どんどん自分の手を離れて広がっていくの本の存在が心強かった。企画から販売まで自分で経験したことで、多くの人の協力によって本が届けられていることを実感したし、モノづくりが道を切り拓いてくれる体験を味わうことができた。手に取ってくださった皆さん、本当にありがとうございます!


【9月】函館はスタートアップシティだった!? 老舗洋食店『五島軒』の5代目に聞く商売人の歴史

今年で144年目を迎える、北海道最古の洋食レストラン『五島軒』のインタビュー。今では函館を代表する老舗として知られているが、もともとは東京で商売に失敗して一攫千金を夢見て函館にやってきた商人と、教会で腕を磨いた旧幕府軍人の料理人が立ち上げたベンチャーだったという話がめちゃくちゃ面白かった。開港後の函館は人口が急増し、ビジネスチャンスが溢れる新天地で、スタートアップシティだったそうだ。シンプルに「函館ってすげー街だな」と思う内容なので、是非たくさんの方に読んでもらいたい!

去年は滞在したアーティストがみんなで函館に家を借りるという、想像してなかったゴールに辿り着いたアーティストインレジデンスを今年も開催。新たに2名のアーティストを迎え、街案内や飲み歩き、地域とアートの関係性を探るトークイベントもやった。今年も青柳中学校で『総合的な学習の時間』の授業を担当。「生き方を見つめる」という難しいテーマだったけど、終わった後に「希望を感じられる話でした」と言ってもらえてホッとした。


【10月】JobPicksで「職業欄、1つでは書ききれません」の取材を受ける

「いろいろやってて、肩書きがわからない人の話を聞きたくて」という、面白そうなオファーをいただき、JOB PICKSの「職業欄、1つでは書き切れません」という企画で取材を受けた。「いろいろやってるけど、何の人なの?」と聞かれることが多かったのですごくありがたかったし、ライターさんが同業者だからこその具体的な質問と丁寧な執筆でまとめてくださって、自己紹介のようなありがたい記事になった!

僕が演劇を観に行くきっかけになったモダンスイマーズの津村知与支さんと蓬莱竜太さんにインタビュー。北海道出身の津村さんと犬飼淳治さんが結成した道産子男闘呼倶楽部の新作『きのう下田のハーバーライトで』ができるまでのお話を伺った。作品の成り立ちはだけでなく、演劇自体の可能性を強烈に感じる取材で、何度も鳥肌が立った。いつか北海道で上演してほしい。日本橋でK5を手がけたStapleの岡さんや、札幌で空き地を仕掛けるHBUの増永さんなど、各地で街を面白くする取り組みをされているゲストを迎えて『SMALLTOWN MARKET』でトークイベントのファシリテーターもした。


【11月】『はこだてみなと大学』のロゴとコピーを制作

デザイナーの妹とタッグを組んで、函館旧市街に誕生した『はこだてみなと大学』のロゴとコピー、ステートメントを制作した。ここは自分でさばいた魚を食べたり、料理を通じて地元の海を知れる、地域全体をキャンパスにした体験施設。港のようにたくさんの人と物が行き交い、大学のように知的好奇心が刺激される場所なので、地元の方も観光客の方も是非遊びに行ってほしい。こうやって地元に残る仕事させてもらえるは本当にありがたいー!

定年退職後にパソコンを購入し、エクセルアートの考案でマイクロソフトから「エクセルの新しい使い方」と評価され、Appleのティム・クックからは「世界最高齢のアプリ開発者」と紹介されるなど、柔軟な発想でネットを駆使する若宮正子さんが函館に。地域のDXについてのトークイベントに登壇させてもらった。年齢とか関係なく、本当に柔軟でパワフルで優しい方で感動した。『バターのいとこ』を生産するGOOD NEWSの宮本吾一さんが、ドット道東と共に道東のお菓子を巡る旅に同行。各地で出会ったお菓子は新千歳空港の店舗『GOOD NEWS HOKKAIDO』で販売されています。旅の様子をまとめたタブロイドも置いてあるので、年末年始の旅行や帰省の際に是非お立ち寄りを!

【12月】雑誌『生活圏』が、函館市長・大泉潤さんのもとに!

函館旧市街での暮らしをまとめた雑誌『生活圏』が、ついに市長である大泉潤さんのもとに。初めてお会いしたのだけど、これまでの自分の活動に興味を持ってくださったり、本も面白がってくれてとても励みになった。自分で作った本が、想像もしていなかった未来に連れてきてくれた。まだまだ函館での未来を広げていきたい。

昨年から通っている、京都の亀岡で新しい集落を作る『A HAMLET』プロジェクトのレポート。今年は土と石灰とニガリに水を混ぜたものを踏み固めて床を作る『三和土』という作業に参加した。地面を素足で踏み、木の棒で叩いて平らにするという行為には、言葉で説明できない原始的な喜びがあった。北海道新聞・みなみ風で連載を開始してから3年目となる『函館Uターン紀行』。年内最後のコラムは、外で接点を作る重要性を感じた今年の振り返りと、「函館の人や物を外に伝え、外の人や物を函館に伝えるGATEになる」という来年の目標について書いた。


【おわりに】

こうやって振り返ってみると、今年も本当にいろんなことがあった。
ありがたいことにいろんな仕事をやらせてもらいつつ、『生活圏』の発行をはじめ自分がやりたいことを形にできた1年だったと思う。
大変な仕事もたくさんあったけど、嫌な仕事はひとつもなかった。
本当に幸せなことだ。
だからこそ、来年はできることの土台を引き上げて、そこからもっとはみ出していくことを心がけたい。

『IN&OUT』では「内側と外側の視点から函館を知る」ということに取り組み、『生活圏』では「友達に街を紹介するような本」を作った。
次は「地域の人や物を外に伝え、外の人や物を地域に紹介する」ようなことをしたい。
そのために『GATE』の役割を果たすような事業をやることを、来年の大きな目標にしようと思っている。
そして、また来年の大晦日に「大変だったけど、いい1年だったな」と振り返られたら、そんなに嬉しいことはない。

あとは、いよいよ腹を決めて函館旧市街に家を買いたいと思っている。
いい物件や土地の情報あったら連絡くださいー!

今年も大変お世話になりました。
いろんな方のお陰で充実した1年になりました。
来年もよろしくお願いします🖖

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?