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[読書記録 vol.15]行動経済学が最強の学問である


友達にどんな本か簡単に伝えるとしたら

人間は理論ではなく、感情の生き物だとよく聞くよね。
寝る前のケーキがダイエットにいいことないのは百も承知なのに、今日はがんばったからとか何かと理由をつけて結局食べてしまう。
合理的な理論が優先されるのであれば絶対しないような選択をすることがある。
こと、これが商売での企画やマーケティングとなったときに、
「結局最後はその人それぞれの気分や状況によって、よくわからない行動をとるんだから、理論立てて戦略練っても無駄」という袋小路に(笑)
そんな人間の非合理な部分と経済をなんとか結びつけられないだろうか、というのが行動経済学の基本なのだそう。
行動経済学は今やこぞってテック企業などが経営に取り入れていて、最近よく聞く言葉でもあった。
そんな行動経済学を入門的に教えてくれるのが本書になるんだ。

書籍概要

行動経済学が最強の学問である
著者:相良 奈美香
初版発行日:2023/6/1
出版社:SBクリエイティブ
kindle unlimited:なし(投稿時)
kindle:1,683円(投稿時)


マーカー引いた箇所、メモ、気付き

・行動経済学とは合理的な面を持つ経済学と、非合理的な面を持つ心理学を掛け合わせたもの
・人間が非合理な選択をする理由
 1.面倒なことはやりたがらないバイアス
 2.人間はプラスよりマイナスな側面に影響を受けやすい
 3.未来より現在に重点を置きやすい
・Netflixのように自動再生されると、人は現状維持バイアスでとりあえず見続けてしまう
・現状維持バイアスをうまく使うには? or そうなっている人を変えるには?
・スターバックスのスターシステムに代表される「目標勾配効果」
残り4日!と期間限定情報が来たり、ゴールドスターまであと何ポイント!みたいに煽られると人は釣られる傾向がある
・人間は「非合理な意思決定」→「非合理な行動」の連続

・非合理な意思決定をする3つの要因
1、認知のクセ(自分の頭の中)
・直感的思考(ファスト/システム1) vs 論理的思考(スロー/システム2)
システム2を使った方がいいのに、人は時にシステム1で素早く選択してしまう時がある
ex)疲れているとき、情報過多な時、わかった気になっている時、etc
・色々と頭を使う場面があると「論理(システム2)」を選択する余裕がなくなる
・会議でこのプロジェクトがうまく行っていない理由をあげる時に正論はたくさん出るが全然解決に向かっていない場合は、システム2の側面で考えてしまっていて、システム1んことが抜けているケースが多い
・埋没コスト/一度何かを始めたらもったいないから続けてしまう感覚、そこに費やしてきた時間・労力・お金などのコスト
・機会コスト/うまくいってない物に費やすコストをもっと他の機会に活かすことができるもの

2、状況(自分以外)
・人は、自分で主体的に判断しているつもりで言いるが、周りの状況に判断させられていることが多い
・情報&選択オーバーロード
人は情報や選択肢がたくさんあると選べなくなる。多くても10個くらいが限界
・Netflixにはたくさんのコンテンツがあるが、それぞれの人にカスタマイズしたオススメを絞った選択肢として提供している作りになっている

3、感情
アフェクト(一瞬過ぎる微妙な感情)とエモーション(喜怒哀楽の様なはっきりとした感情)
・人はアフェクトに影響を受けている時間のほうが長い

感想

いやー、久々に学術書読んでいる気持になりました(笑)
消費者目線の話なの??経営者側目線なの??結局どうしたらいいの??が最後までハテナでした。

この本を読もうとする人は、学者になりたいのではなく、自分の日々の仕事やビジネスに行動経済学を取り入れたいと思っている人がほとんどではないだろうか。
色々セオリーは紹介されているが、ではいざ自分のビジネスにそれを導入するとしたらどう使えばいいのか、という思考を想起させる作りにはなっていないように感じた。
また、セオリーごとに例を出してはくれるが、そのほとんどが至極シンプルな状況であったり、学問のための実験結果である為、いざ自分のケースに当てはめた場合どう用いればいいのかイメージしづらい。
他の読者の皆さんはこれだけでイメージがついたのだろうか。
イメージついていないの僕だけ??

ビジネス上でこんなシンプルな状況などほとんどなく、さまざまな思惑や状況が絡み合って解決が難しいケースがほとんどだろう。
そして、セオリーが一つ一つ解説されてはいるが、多分実際には複数のセオリーを臨機応変に組み合わせながら施策していくことになるのだろう。しかし本書はそのような構成にはなっていない。

合理vs非合理がメインテーマで、行動経済学は「非合理」を扱う学問とあるが、
この本自体が「読者はこういうものは求めていない」という非合理部分に目を向けず、合理的な説明に徹している印象だった。
著者の第2段があれば、ケーススタディをメインに、これとこれを使うというような具体的な話を願わくば読んでみたい。
まだまだ掴みきれていないし、本を読んだだけで会得するもものでもないだろう。
こういう側面もあるのだと知った上で、日々の業務に少しずつ取り入れていくのが正解なんだろうね。


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