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熊野古道・歩き旅【2周目】③ 泉南市・厩戸王子〜伊太祁曽神社 +和歌山電鐵「たま電車」少々

半年ぶりに長距離ウォーキングすると、疲れや痛みが残るかなぁ?と思ってましたが、意外と後に引かなくて。やはりブランク有っても土台の体力はUPしてるのかな?という事で、中6日で続きを歩きに出かけました。

▪️2周目③ JR新家駅〜伊太祁曽神社 2021年10月8日(金)晴れ

先週、帰宅してガイドマップを見直したら、1周目もスルーして、今回も見逃していた王子を見つけてしまいました。厩戸王子。毎回休憩するファミマのすぐ先、横道に逸れて入った先に有るそうで、折角なので、そこから再開する事にしました。

朝イチ、阪和線に乗って向かったのは新家駅。
踏切を渡り、何かとご縁のある府道30号線を南下する事およそ10分。午前8:30スタート。

▪️泉南市・厩戸王子〜山中渓


府道沿い、ファミリーマート泉南信達大苗代店を基準にしましょう。すぐ南側、熊野街道が左に曲がる交差点が有ります。熊野街道の看板が目印。
パノラマ写真、向かって右側の小道を入ります。

墓地を通過、正面のゴルフ打ちっ放しの角に(19)厩戸王子跡が有ります。ここ、よくよく観察したら、ゴルフ場のネット脇に畦道が伸びてまして。
前回渡った明治大橋は、明治な訳で、昔は川を渡って上がる道が元々の熊野街道ルートとして有ったんだろうと思います。つまり、この小道が街道。確かに先程の交差点に戻ると、和歌山方向には直進ですわ。
納得して、街道筋の旧宿場の街並みを歩いてゆきました。泉南市は街道を大事にしてくれてまして、各所に案内板を設置してますし、ベンチを置いたスポットも有ります。

宿場エリアは結構長い区間ですが、飽きる事なく散策出来ます。前回歩いた時は、街道裏手の市場稲荷神社にもお参りしましたが、今回はスルー。
宿場町が終わった先、登り坂の掛かりに有るのが(20)信達王子

大きな2本の木、二つの祠がいい感じ。小さなベンチも有りますから、コンビニで買ったパンを朝飯代わりに食べました。

この先、森を割る切り通しを抜けるとため池前の交差点が有ります。

直進の道は真っ直ぐでキレイですが、ココは道なりに左カーブの方を取ります。信号の脇の案内板も←を指します。
阪和線の大築堤をくぐると、昔ながらの集落を抜ける細い道になります。
集落を抜けて小橋を渡ると、広い府道63号線の信号。前回もココでトイレを済ませたポイントなので角のローソンへ。しかし、午前の早い時間、また阪和道のIC下りて直ぐなので、トイレがなかなか空きません。すぐ近所のファミマへ移動して、トイレを済ませましたわ。

実はココを逃すと、県境を越えた和歌山側まで沿道にコンビニが無いから、確実にトイレを済ませたかったんです。

熊野街道はローソン脇の小道。坂を上がると直ぐ府道と合流するので、ファミマ前の広い道をそのまま上がります。坂を上がれば狭くなり1.5車線。兎に角、道幅に注意が必要でクルマで走るのは大変そう。
地図で見ると府道30号線(大阪和泉泉南線)。そう、大阪市内の谷町筋から延々続きココまで来てる訳で、正に現代の熊野街道です。
小高い竹藪の山を一つ越えたら和泉鳥取。阪和線の駅が右下に見えてきます。この駅前の信号を右折、急坂を下った駅前広場に(21)長岡王子が有ります。鳥居の真裏ですね。鳥居は波太神社の遥拝鳥居。岸和田のアレは山側でしたが、こちらは海側の麓にある神社です。

坂を上がり府道に戻ります。
すぐに右側から合流する道が出てきますが、府道30号線はここまで。この先は、府道(県道)64号線(和歌山貝塚線)となって、峠を越えて和歌山は向かう道です。貝塚の二色浜から続いてます。
この辺り、左手には険しい山肌が間近に見えますが、元々の熊野街道は、そんな山の脇ギリギリを進んでいました。そんな事からか?王子も密に続きます。府道沿いの新興住宅地の中、(22)地蔵堂王子が有ります。

滑下橋バス停の先、鋭角に曲がる道を左折。

住宅街の小さな公園のフェンス前に石碑があります。で、さっき言った山肌にへばりつくように進んだ昔の古道跡、この先に残っていますが危険な為、通行止となっています。覗き込みましたが、人も通らない為、草ボーボーで確かに危険。無理せず諦めてください。
府道に戻りましょう。

両側を山に挟まれた谷間、左に阪和道、右に阪和線を見ながら緩やかな坂を上りますと、程なく左カーブの途中、道の脇に(23)馬目王子の石碑が有ります。ブラインドカーブなので、道を渡るなら、見通し良い暫く先まで移動した方が無難ですよ。

土地が少しずつ開けてきたら、程無く山中渓の集落です。

急にキレイな石畳w 元宿場町として整備された区間が数百m続きます。
途中、山中神社と書いた道標が。この細道を入った先に神社が有りました。

実は和歌山県側のガイドマップには、こちらに馬目王子の表記があります。要は、本当の場所が先程の府道沿い、王子の神様を合祀した場所がココ、という事らしいですね。神社といっても小さな祠が幾つか並ぶだけです。

街道道はJR山中渓駅手前で府道に合流します。
あ!!

駅舎が壊されてる!何も無い!
今年1月訪れた時は、こんな素朴な小さな駅舎が有りました。↓

残念。。。
さて、ココで午前10:50。少し早いですが、もう暖簾が掛かってたので駅前食堂に入ってみました。

老夫婦お二人でやってる集落の小さな食堂。
お母さんは足腰痛めてるのか?小上がりに座ったまんま、いらっしゃいと迎えてくれました。
さっきパンも食ってるので、きつねうどんをオーダー。お話を伺うと、駅前で狭まってる府道を拡幅する為、駅舎を壊して工事してるとか。
「こっち側が潰されなくて良かったですねー」と笑いました。本来は、訪れた翌日から二日間「やぐら」の秋祭りですが、コロナ禍の影響で昨年に続き今年も中止になったそう。一昨年新調したのに残念と仰いました。

▪️山中渓〜布施屋

うどんを食べて、午前11:10ウォーキング再開。
ここから峠越えです。と言ってもずっと府道(県道)歩きなので傾斜は緩いもんです。ただ交通量が意外と多いので、歩く場合は充分にご注意下さい。

和歌山との県境を越えると、和歌山最初の王子が有ります。右側へ上がるスロープへ。踏切を渡ったらそこが(24)中山王子

この岩に緑色の案内板を見ると「和歌山に来たなぁ」と実感します。和歌山県内の九十九王子の統一デザインの案内板がコレです。一つ一つ丁寧な案内も記されたいますよ。
さて、集落の道を通った先、再び踏切を渡って県道に戻ります。行って戻ってくる二ヶ所の踏切、要は70年ちょっと前に阪和線を作る際、真っ直ぐ築堤を設ける為に集落用に県道に出るための踏切を二か所設けた訳ですね。元々は峠越えの街道沿いの村だったという。。。
前回歩いた時は、朽ちながらも立派なお屋敷が有りましたが、この半年の間に取り壊されたようで更地になっていました。

県道に戻るとグッと坂が急になり、空が広くなると、いよいよ雄ノ山峠のピーク間近。狭い山あいの標高高い位置を県道と阪和道が並んで通ります。

最高点を過ぎると一気に下り勾配がキツくなり、和歌山側の景色が見えてきました。大阪側に比べると谷がきついんですね。つづら折れで一気に下ります。

前回は今年1月でしたから寒さが厳しく、道の脇の枯れ葉が凍った部分も有りましたが、今回は残暑ざんしょ?日陰は心地良い涼しさが有りました。
さて、峠の坂を下り切るとお馴染み、嫌な巨大建造物。京奈和道の高架が不粋です。

取り敢えず巨大過ぎて全体像がファインダーに収まりません。試行錯誤しながら坂を下ってると、阪和線のガードを過ぎて、ついにあのポイント!

県道から左下に下るのが熊野街道。分かれて直ぐに有るのが(25)山口王子です。
前回訪れた時は、スタンプ押印帳をまだ入手してなくて、半年を経過して、やっとスタンプを押す事が出来ました。

前回は仕方ないから手帳のノート欄に押したんです。だから「別紙有り」と赤ペンでひと言入れてた訳です。コレでひと安心です。

前回はこの先、道を右折して少し先の山口神社に寄り道しましたが、今回は直進。

山口神社に行くならこの角から細道を通り、畦道を通って行きます。

今回は直進、緩やかな下りを行きます。バス道に出たらすぐ、墓地の手前の道標を右折し、山口神社参道へ合流します。

さてさて。県道7号線に出たら、広い交差点の角にローソンがあります。午後1時。山中渓の駅前食堂を出て1時間50分。そろそろ…と、トイレを借りようと入ったら「しまった!!」。
店内は水のペットボトルだらけ!水タンクだらけ!そうです。数日前に起こった水管橋破損の影響で紀の川の北側一帯が断水中でした。
勿論、コンビニのトイレも使用不可。
すんなり諦めて歩を進めることにしました。

この県道7号線、西へ暫く進みます。交通量多いのでご注意。。。
単調で退屈なので色々写真撮りましたわ。

真っ直ぐだった道が左へ右へと曲がった先、やっと熊野古道の旧道への曲がり角が出てきます。

道の右側(北側)小さな道標が有るこの角です。
見逃さないように!JR紀伊駅まで行くと行き過ぎですからね!

しかし、ここからは安心です。
和歌山市万歳の「導き石」が味方となります。

曲がり角ポイントになると、手前と向かう先の2箇所にこの「導き石」が埋められているので、「どっちかな?」と思ったら足元を眺めてみましょう。

村の中の細道に入ってほどなく(26)川辺王子
この先が好きなポイント。田んぼの真ん中をクネクネ歩くビュースポットです。北側の和泉山脈から南側の和歌山の山まで望めます。

田んぼゾーンの後、集落を抜けたら県道7号バイパスの交差点を渡ります。その先は道なりですが、目印がコレ。
高いシュロのあるお宅の前を左へカーブして進みます。

数分進むと左前方に説明板が。

(27)中村王子跡。何故かココだけ緑の説明板無しです。見落とす人も多いので、「道が細くなる角」と覚えて下さい。そして熊野古道は直進です。
ほどなく鳥居が見えてきます。
力侍(りきし)神社。午後1:50。
2箇所目のスタンプポイントでも有ります。
そして、ニャンコポイント(笑)。
前回も戯れましたわ。

境内にはベンチも有るので休憩できます。
公衆トイレもあります。
が!やはり使用禁止でした。むむむ!
やはり紀の川の南側へ行かないと仕方なさそう。

力侍神社から数分、国道24号線にぶち当たり、古道は分断されています。左右に信号があるので迂回して正面の古道に直進です。因みに左手の押ボタン信号が反応速く、すぐ横断出来ますよ。

渡った先の集落、ウネウネと曲がる角が多いので、足元の導き石を確認しながら進んで下さい。パッと開けると目の前に大きな土手。ついに紀の川です。

ついにココまで来たか!パート1。いよいよ和歌山の山々に触れ合うゾーンに突入!向こうに見える山並みを見てるとそんな気分になります。


県道64号線の橋を渡ると突き当たりは左折。横断歩道を向こう側に渡りましょう。
直ぐのスロープを下ります。下った先の突き当たりも左折。

で。この先がポイントですわ。
本来の熊野古道は、紀の川を渡し舟で渡って向かったそうで、暫く東側(川上側)に行った右手、JR和歌山線の踏切を渡った所に(28)吐前(はんざき)王子が有ります。
まぁ、律儀に行ってもイイんですが、行って戻って来るだけなので、今回はスルー!それだけで30分近く節約出来ますし。
前回オシッコを我慢しながら律儀に回ってエラい目に遭いました。
今回は、すぐ右折して真っ直ぐJR布施屋駅の踏切を渡りました。

布施屋駅前の看板にもスルールートの案内板が。
吐前王子の名前は小さく出てます。

▪️布施屋〜伊太祁曽神社

さて、踏切を渡ってすぐ、自治会館前の角を右折です。真っ直ぐ向かえばスルーした吐前王子方向に向かえます。

右折した道、直ぐに左に直角に曲がって数分進むと(29)川端王子です。ココもスタンプポイント。

さて。川端王子の先、こんな道標が。
地元の人は、見て欲しいスポットが有るからでしょう、真っ直ぐ行って直角に南下するルートを推奨しています。が、自分は左折して頂きたい。斜めに向かう道、コレも実は熊野古道です。そして、この先にあるのが、セブンイレブン和歌山和佐関戸店

そう。コンビニ!
あのね。雄ノ山峠を下ってきた所のローソンからこのセブンまで、熊野古道沿いにコンビニ無いのよ。そして、この先は、ひと山越えた伊太祁曽駅前のローソンまで無いのよ。
確実に、買物&トイレを済ますには、ココは必須!正に現代の王子!(笑)。まだ大丈夫かな?と思ってても、念の為立ち寄って頂きたいと思います。後悔しない為に。
因みに座れる場所はココの店には無いですが、この先に屋根付きの休憩所はあるので、食べ物を仕入れて、座っての休憩はそっちまで我慢でイイと思います。

さて、熊野古道はセブンの北側を斜めに通る道。目の前の信号を渡った先、クランク状に曲がるこの細い道へ向かいます。

この分かりにくい看板が出ても、東西南北で悩むので無視して下さいw それより足元の導き石の方が確実。注意深く見れば迷いません。一つ右折して、田んぼに出る手前、用水路を渡る小道へ左折。少しすると橋を渡って小川沿いに南下します。

この日、この辺で大体午後3時過ぎでしたから、下校する子どもたちと沢山すれ違いました。すっかり変なおじさん。そう、歩いて行くと右手に和佐小学校&幼稚園が有ります。その先に現れるのが旧中筋家住宅。

余裕が有れば見学してもイイかも?
そこから数分南下すると、並行する県道138号線と合流します。そして左手に(30)和佐王子
さっき言った座れるポイントです。

午後3時過ぎだと西日で眩しくて、キツかったですが、布施屋駅起点で朝から歩くならイイ朝ごはんポイントになりそうです。

本来の熊野古道は、目の前の横断歩道を渡り、坂を下った集落の中の細道です。畑の間を通り、階段を上がれば再び県道と交差します。
と言いつつ、今回は県道をそのまんま歩きました。というのも。。。

階段を上がりきった所、横断歩道が無い!そしてブラインドカーブ!
午後遅くの交通量多い時間帯、リスクが高過ぎると思ったわけです。

さて。お待たせしました。
紀伊路、最初の試練:矢田峠の登場です。
大阪からココまで、全く平和な道を歩いてきた人には、ココの峠は緊張する筈です。

薄暗い竹藪の中の細い坂を、落ち葉、雑草、蜘蛛の巣、蚊を避けながら上がりますよぉ〜(笑)。
まぁ中辺路全ルート経験した今は、なんて事無いですが、前回ココを上がった時は緊張しましたね。僅か数十m、時間にして3、4分で上がり切れる坂ですが初体験はいつもドキドキです。

4枚目の写真の竹藪を抜けたら舗装した農道に出ます。そしたら右へ取って坂を下ります。藪を抜けて明るくなったらそこはミカン畑。電気が通ってるワイヤーに触れないようご注意下さい。
坂を下りきったら県道と合流します。
暫くはクルマに注意しながら県道沿いを歩きます。

そして右手にミカンのセルフ直売箱が並ぶ広場の先、斜め右に上がる道を取ります。こっちが古道。あ、ミカン!コレからの時期、美味しい奴が一袋100円とかで購入出来るのでオススメですよ。

湯浅辺りまで、結構あちこちで売ってると思います。

さてさて、熊野古道。暫くは県道と並行しながら集落をつなぐように細い道が続きます。

目の前に四角い道標を見つけたら右後ろを振り返って下さい。(31)平緒王子です。町会館の玄関にw

ココまで来たら今日のゴールも間近。さぁ県道に出ましょう。と思ったら、目の前に大きなクレーンが!小川を渡る周辺で工事による通行止でした。なので迂回。真っ直ぐ伊太祁曽神社に向かう道へ出て、そのまま向かいました。

本来は工事中の小栗橋を渡り、県道を横切り直進するのが熊野古道です。

伊太祁曽神社は寄り道になりますが、紀州を代表する「木の神様」なので挨拶せずに通れません。いや、何よりもココもスタンプポイントですからね。

御朱印も頂きました。ありがたや。
午後4:30。

▪️番外編 和歌山電鐵

前回は山中渓スタートだったので海南まで足を伸ばせましたが、今回はココまで。和歌山電鐵の伊太祁曽駅から帰ることにしました。
和歌山電鐵といえば、たま駅長で全国的にも話題になった私鉄です。元々は南海の支線でした。
なので旧南海の車輌を使用してますが、それぞれにユニークな改造をして乗客を楽しませています。
伊太祁曽駅は路線の中間にある、車庫を持った主要駅。本社もココです。乗務員の交代もこの駅で行われます。

残念ながらこの日は、たま駅長不在の日でした。
駅前をうろうろしてたら、何やら踏切が鳴り続けている様子。まだ電車が来る時間じゃ無いのに?
裏に回ってみたら。。。

丁度、車庫とホームを使った入れ替え作業の最中でした。鳴り続けていたのは、改札とホームを繋ぐ構内踏切でした。

どこを切り取っても画になる駅です。
さぁ和歌山に向かう電車が来ました。

なんと!たま電車!当たり!

(コレは和歌山駅降車の際に撮った正面写真)

まさか、たま電車に乗れるとは思ってませんでした。内心大興奮。乗客が写らないように注意深く。。。

僅か20分程度でしたが充分に楽しめました。

という事で今回も30キロ歩きました。

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