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熊野古道・歩き旅【2周目】② 鳳〜泉南

熊野古道歩き1周目で歩く事、登り下りにも慣れたことも有り、山登りにも手を(足を?)出すようになりました。

しかし、暖かくなるにつれ、体感は暑さに変わります。専ら低山だったし、自然とお休みモードに。気付けば夏を過ぎ、秋に移っていました。
半年も休むと、身体も重くなり、どう見ても太ったのが分かります。
昨年秋、新潟から大阪へ戻ったのも10月だった…つまり移転一年の区切り。
そんな事で、半年ぶりにアクティブモードに戻すべく、ウォーキングを再開させる事にしました。

山登りも良いですが、先ずは平地歩きを!という事で、春に始めた熊野古道歩き2周目を再開させる事から始めようと思ったわけです。

▪️2周目② JR鳳駅〜JR和泉砂川駅 2021年10月1日(金)曇りのち晴れ

朝、起きるのが遅くなったので、鳳駅のロータリーに立った時には既に午前9:25でした。

半年前、30キロ歩いて辿り着いた商店街の入り口は、秋祭りの準備で提灯が飾り付けられていました。地元の方も、だんじり好きな方も、大きな模造紙を破って爆走するこの商店街の道が、実は熊野街道だったとご存じの方はいらっしゃるでしょうか?
ココが北は大阪天満橋、南は熊野本宮大社まで続いてるんですよぉ〜。
さて、開店前の静かな商店街、緩やかな坂を上っていきます。

▪️鳳〜和泉市・和気

数百mの商店街アーケードを南下します。アーケードが途切れた先、小さな四つ辻、本来の街道は右折します。しかし、すぐに広大なショッピングモールで分断されています。1周目の際にそっちに行って戻ったので、今回は直進し、素直に府道30号線に合流です。

上交差点。写真は渡って振り返って撮ったもの。実は「(8)大鳥居新王子」跡が、写真向かって右の府道を少し北へ戻った所、会社事務所敷地内に有るそうですが、特に碑も何も無いそうなのでスルーしました。
では広い府道を暫く南下。
立派な道が続きますが、先を見ると一気に狭くなる交差点が見えてきます。まぁ本来の道幅ですが、手前が広々なので驚くほど狭く思えます。

普通に考えると狭い方が街道か?と思いがちですが、斜め左の広いバイパス状の道を取ります。目印は遠くに見えるゴミ処理場の高い煙突の方です。数分緩やかな坂を上り、ゴミ処理場を横目に見た先、斜め右に入る細い道が見えてきます。ココが古くからの街道筋です。

こういう道に来ると、ホッとします。
普通の町中の道ですが、所々に古い御屋敷や塀が見え、熊野街道なんだなぁと安心します。
鳳駅を出て30分ほど、初めて街道の目印が登場です。堺泉北道の高架を潜った先に木製の大きな道標。ココから和泉市です。


堺市の不案内さを全否定するよう(笑)和泉市の気合いが感じられます。そうは言っても、和歌山県のような丁寧な案内は少ないんですけどね。
ただ、この先、和泉市区間は、ちゃんと街道筋の細い道がほぼ残されているので、それほど迷う事無く南下出来ます。道を残す事と再開発の狭間で自治体としては悩ましいと思いますが、歴史好きには有難い事です。地域住民は運転し難い筈ですがね。


さて、この道標から数分。
広めの交差点左手に、道の真ん中に鳥居が現れてギョッとします。

街道から東へ10分ほど坂を上がった所に有る聖神社の鳥居です。一周目の前回は寄り道しました。

結構急な坂なので今回はスルー(笑)。
その時の写真だけ上げておきます。

この鳥居の所からスグ南、(9)篠田王子が有ります。
入り口のレンガ塀の足元に小さい小さい看板があるので見逃さないようにw

ごく細い路地の奥に、王子跡の碑が有ります。
このレンガ塀のお宅、防犯用のセンサーアラームを付けているので鳴るとドキッとしますが、何も無いのでビビらぬように(笑)。
街道に戻り、さらに数分。Y字路に出ます。小さな神社のそばです。ココは左っ!

一応Y字の内側に熊野街道の看板は有るんですが、ボロボロで意味無し(笑)。
少し登り坂になっています。その先、街の小さな公園が左手に見えたら、反対側の右手に。

(10)平松王子です。
ココの公園、交差点を挟んだ向こう側にも広がっていて、そちらの方にベンチと共に小さなトイレもあります。鳳から丁度1時間。小休止しました。10月なのに気温がどんどん上昇、汗だくだったので、タオルでフキフキ。。。水分補給もしました。

さて、再開。こんもりした丘陵地の縁をなぞるような道を進むと、左前に立派なゲートが見えてきます。自衛隊の駐屯地です。その玄関の脇、再びY字路。ココは右下へ下りますよ。
また内側にひっそり道標が、それも相当古い石製の奴が置かれてますが、書いてる文字は分かりません。

この先は暫く真っ直ぐ。古い集落やら建売住宅地やら、学校やらを見つつ進みます。
10分ほど南下したら、ふと、右手に鳥居が現れます。泉井上神社。

案内を読むと「和泉国総社」と有ります。結構古い立派な神社です。熊野古道歩きをするようになって菊の御紋の神社にお参りする率が高くなりましたね。
さぁ、ココから数分歩くと、ひさびさに府道30号線に合流します。
合流地点では、府道の向こう側を注視!
ひっそりと(11)井ノ口王子が有ります。

2枚目は横断歩道を渡り、振り返って来た道を撮りました。

▪️和泉市・和気〜貝塚市・王子

この辺から暫く、基本的には府道30号線を歩く事になります。なんかね、やっぱり自治体によって熊野街道に対する意識の違いが有りまして、岸和田は殆ど無視ですね。府道の歩道も狭い所が各所に有る割に交通量多いのでご注意下さい。

さて。その前にまだ和泉市。

槙尾川を渡った所、和気交差点。
大阪府のガイドマップは府道を直進しますが、ココを西へ右折します。写真2枚目は振り返って撮りました。右折スグ!よ〜く観察すると。。。
斜め右後ろから来て広い道を渡って左上に進む細い道が見つかります。
そう、さっきの井ノ口王子の所から真っ直ぐ伸びるコレが熊野街道の旧道!

藪の脇を抜けたら右手に整備された遊歩道が出てきますから、こちらを散策気分で進みましょう。
突き当たりが、松尾川。そこに美しい橋がかかっています。

こういう案内板が有ると、自分の選択が正しいと思えて安心しますw  
橋を渡ったら、小さな公園の前の道を進みます。

街道に不似合いな牛乳瓶w
そう。毎日牛乳の工場で、熊野街道の旧道は分断されています。突き当たりを左折、住宅街を通って元の府道30号線に出ます。

ところで泉州の人たちはこの府道の事を「13号線」と呼びます。でも正式には30号線。色々と調査されたようですが、確かな理由、由来は分からないとか。一説には「国道が26号線だから府道は半分で13号線」という話も。。。
取り敢えず、道に迷った時は「13号線はどっちですか?」と聞けば地元の人なら教えてくれますから、お試しを(笑)。

さて、毎日牛乳の工場を過ぎれば岸和田市です。

黙々と13号線を南下。。。

実は、久米田駅の近くには(12)池田王子跡が有るんですが、一般のお宅の敷地内なので割愛します。
阪和線を海側に渡る必要も有りますしね。

さて、この辺に来ると、だんじり好きはワクワクです。あちこちにだんじり小屋も有りますし。
やり回しポイントも有りますし(笑)。
そんな中、面白いポイントが。

額町のだんじり小屋のそばにポツンと鳥居が有ります。ズーーっと山手の方に有る積川神社のサテライト鳥居です。正式には遥拝鳥居といいます。
街道からあまりに遠いから、熊野街道を南下する人たちが、遠くにある積川神社へ思いを馳せて拝んだスポットです。
で、この鳥居の額が特別な物。白河上皇が熊野詣での際、ココで積川神社へのお参りしようと見上げたら。。。鳥居の額の字が下手くそ!ならば!と上皇自ら筆をとって書いたのが、今ある額の文字だというわけです。本物は神社境内で保存されているので、実際ココに掛けられているのはレプリカです。で。それにちなんで、この周辺の地名が「額」。というわけだそうですよ。額町の皆さん。

さて。13号線を再び南下。久米田の隣駅、下松駅前を通過し作才町交差点の先、やっと旧道が現れます。

とは言え、1キロ有るか無いか?で旧道は太い道に突き当たり、途切れます。残念。再び東岸和田駅側へ向かい13号線へ合流。

因みにマップには、和泉式部の筆塚という表記が有りますが、現地に行ってビックリ!荒れ放題で見るも無残なのでスルーしてOKです。というか、気付かない可能性の方が高いです。
取り敢えず岸和田市にはもう少し頑張って欲しいところです。。。

さあ地元!貝塚市突入。お昼12:30なので、鳳を出てから3時間経過です。
谷を下りてこの津田川の古い橋を渡り向かいの坂を上がった所、ファミレスの裏に左側に入る小道が現れます。

1枚目は振り返って撮った物。
ココから旧道が続きます。
実は府道沿いには(13)麻生川王子跡が有りますが、これまた碑も無く某会社の敷地内だそうなのでココもスルーです。
さて旧道沿い、ラブホの廃墟脇を抜けたら小道の複合交差点。

ややこしいですが、取り敢えず坂を上がり、土手に上がる道を取れば正解。堂の池の土手道が熊野街道です。ココでついに、和泉山脈の山並みが一望出来ます。里は開発されても山並みは昔から変わって無い訳で、藤原定家たちもこの景色を見ながら南下したのかなぁ。。。と思える景色です。
実際、そういうロマンは和歌山県に入ればそこらじゅうで感じられますが、建物の多い大阪府下では、ココが初めての風景でしょうね。

そうこうしてると、貝塚市民なら小学校でも習うココ。

半田の一里塚です。昔のままのシチュエーションで現存してる一里塚は極めて珍しいそうですよ。

さて、この後、熊野街道の旧道は府道を海側に渡ります。まず中央小学校の角、お地蔵様の所を右折。府道を渡り、セブンイレブンの南側の斜めの道を入ります。

ため池脇を歩いた先のY字路は左側!

水間街道の広い道を渡れば、水間鉄道の踏切。
なかなかいい写真が撮れました。シンエヴァのポスターみたいw

さて、この辺は石才(※正式には『いしざい』と振り仮名が付けられますが地元では『いっさい』と発音します)の村の中の道。妙に立派な石才会館とため池の土手道を回り込み、坂を下ります。

貝塚中央線の高架をくぐり、右手に墓地を見ながら坂を下ると、府道の交差点。渡った先、右上に上がる細い道へ入りましょう。写真は渡ってから振り返って撮った物。

なので写真で見ると、正面から渡って、左側に向かいます。

近木川の深い谷を渡る橋のあとは急坂を上がります。望遠で撮ると趣き有るでしょ?
上がった先、橋本の村の中の細い道を抜けたら、和泉橋本駅への道に出ます。
大阪府のガイドマップでは、ココを右折しますが、道を渡って直進します。
向かった先、和泉橋本駅のホームに突き当たります。そう。阪和線建設の際、熊野街道が分断されたポイントです。旧道はこの先、イオンの敷地でも分断されていますが、本来はずっと真っ直ぐ繋がっていました。それも小学校の時に習いましたw

さぁ突き当たりは阪和線沿いに左に向かいます。先の踏切を渡り、住宅街とイオンの並びに沿って海側へ向かいます。

3枚目が、イオン側から和泉橋本駅方向、分断された熊野街道の道を振り返って撮った物。

さすがにココまで来て疲れたのでイオンの中で暫く涼みました。昔、ジャスコの頃は3階建てで、上にゲーセン(開店当初はスケートリンク)や飲食店街、映画館(!)も有りましたが、二階建てに建て替わってしまい、食料品&生活用品の販売のみに縮小されてしまいました。。。

このイオンの南側出口を出たところの交差点、府道を海側に渡ります。目の前に右斜めに坂を下りる道!ココを進みます。水茄子の看板が目印。

少し進むと右手に神社の森が見えてきます。
南近義神社。(15)近木王子跡と言われています。

この辺り、(14)鞍持王子、近木王子、(16)鶴原王子と碑が無いのでスルーしてもイイと思います。というか、岸和田から貝塚に掛けての王子が全く施設、看板等が整備されてないのは地元出身者として残念です。

▪️貝塚市・王子〜泉南市・和泉砂川駅

王子の村の道を進み、見出川の橋を渡ったら、川沿いから2本目、右へ進む道を取ります。


ミラーの左側、工場横の道が熊野街道です。
右手に広い池を眺めながら進むと府道64号線を渡る斜めの交差点。ココも注意深く見たら斜め右上に渡って進みます。
暫く行くと、国道26号線の信号。メガネ状にループした歩道橋が有りますが、右側は横断歩道が有るので海側に渡ります。
この先にファミマも有りますが、時計を見たら午後2時前!ロードサイドの天丼屋さんで遅いランチにしました。

鳳を出て5時間。ファミリーマートの前の交差点は左側へ広い道を進みます。さっき一度渡った府道64号線です。
前回、昨年12月、1周目の際は暫くココを歩きましたが交通量が多いので早々に旧道へ。

左手の池の土手に上がる道が有りますよ。
暫くすると再び府道に合流。大きな交差点を渡った先に、送電線の鉄塔下を左折します。

左側の歩道が緩く左側にカーブしてるので、元々の道がこちら!というのは自ずと分かります。入口は広い道ですが、すぐに狭い旧道になります。

数分歩いたら、右前に注意。手書きの熊野古道案内板が有りますが、その角を右折した住宅裏に(17)佐野王子が有ります。

ココから先は迷う理由のない一本道です。
太くなったり狭くなったりは有りますが、昔ながらの真っ直ぐの街道。ただ、辛いのは、どこまでも続く一本道ということです。

コレまた今年の秋は、なかなか残暑が厳しくて、午後3時前後で多分30℃近く有ったと思います。

関空からのJRと高速の高架をくぐったら、街道らしく古い家並みが落ち着く細い道になります。

長滝西交差点で広い道に合流したら、信号を渡らず右折。田んぼの中の中学校、ため池を通過したら、再び狭い村の中の道です。狭い割に町工場も多く、クルマの通りも多いので歩行にはご注意下さい。実はこの辺に(18)籾井王子跡が有ります。が、民家の敷地内なのでスルー。

とにかく西日が前の方から照ってきて、夕方歩きは辛い区間です。もうしんどい。。。と音を上げたくなった頃、道が左にカーブして橋が現れます。明治大橋。ココを真っ直ぐ渡れば泉南市!
長い長い泉佐野市区間がやっと終わりました。

この先、小高い丘への登り坂。左手には古代史博物館の立派な建物、右手に一岡神社を見ながら坂を上がり切ったら交差点手前にファミマが!
休憩休憩っ!

実はこの後、熊野街道を通ってJR和泉砂川駅へ向かいました。が、先日歩いた2周目第3回の歩き旅で、同じ区間を歩いてダブるので、今回の記事では割愛します。

和泉砂川駅着、午後4:50。所要7時間30分。

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