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ラジオディレクター「でした」

なんかパナソニックさんの企画で #はたらくってなんだろう  というテーマが有りまして、書いてみましょうか。

自分はラジオディレクター「でした」。
いや、ラジオディレクター「です」と言いたいところですが、今は何もしていません。
新聞やWebでも記事になったので見掛けた人も居るでしょう。
新潟県のFMPORT(新潟県民エフエム放送)で番組制作をしていました。
昨年2020年6月末までは…。
県域民放ラジオ局初の「閉局」「停波」となりました。
ラジオ局が無くなったので、仕事を失った訳です。

noteを始めたのも、それが理由。

ラジオのディレクターは番組でDJに向かって”キュー”を振ってる人です。

でもキューを振ってるだけじゃありません(笑)。

番組を企画して
構成を考えて
ネタを探して
リサーチして
取材をして
原稿や台本を書いて
打合せをして
選曲をして
生放送ならタイムキープして…
ワンマンスタイルならコンソール(調整卓)を操作して
録音番組なら編集をして納品して…
ゲストにお礼のメッセージを書いて…

要は番組制作全般ですな。

TVだと、それぞれを分業でするんでしょうけどラジオの現場は最小限の人数で作っていることが多く、地方なら特に少人数で制作しているので、ホンマに全般に渡ります。

その大元になるのが「書く」という仕事。
企画書を書くのも、台本を書くのも、すべての元になるのが文章。
だから、書く力を維持する為にnoteを書き始めました。

自分のnote記事リストをご覧頂ければ分かると思いますが…
ラジオ制作やラジオ業界についての記事だけでなく、
結構街歩きもしています。映画についても書いています。
つまり、ラジオというのは「アウトプットの場」であって、インプットは多岐に渡ります。色んな事を吸収して、自分なりに纏めて…多くの人に伝えるのが”お仕事”。

仕事が無くなって、ふと頭をよぎったのは「自分の仕事は無くても人は困らないよなァ…」。いわゆる第一次産業でも第二次産業でもない第三次産業。
物を生産するでもなく加工するでもない人。
ちょうどコロナ禍の中、同じように思った人…いません?
お店の方なら、経営が苦しく…お店を畳んだ人も少なくないでしょう。
仕事させてもらえないという状況になって「自分なんか」と。
大変ハードな世界となった医療現場の人たちや…
”おこもり”需要で突然ニーズが膨れた物流サービスの皆さん…
無くてはならない業種は別として。

レジャー。エンタメ。外食。などなど…。
コロナで苦しい業界。
本当に不要なのか?

自分はモノノフです(笑)。突然ですが。
昨年からずっと”現場”に行けてません。
リーダー:百田夏菜子さんは国立で「みんなを笑顔にするという部分で”天下”を取りたい」と宣言しました。我々は常に”笑顔”にさせてもらっていました。それって大事な事です。
物質的に何かを届ける、届けてもらう事も大事ですが、精神的に助けてもらうというのも、とても大事な産業です。
無くてもいい物なんて無い。

つまりは「働く」事は、どんな事も尊い”お仕事”である…と。

詳しくは言えませんが、こんな真っ白な状況なので、少しでも繋ぐ意味でとあるアルバイトをしていまして…。真冬の寒さに耐えながら現場に立っていると、ふと「なんでこんな仕事…」と頭をよぎる事が有りました。
ラジオというエンタメの片隅に籍を置いていた”インドア”派でしたから、外の寒さが余計に身に沁みたんです。
でもね。
高給取りだろうが、時給、日給で食い繋ぐ貧乏人だろうが関係無いんです。社会を構成する”細胞”の1つ1つなんです。
そこが欠けると”困る”人が必ず居ます
「いや、自分が仮病で抜けても、別の人が穴埋めで入るもん」
でも抜けた穴を埋めようとリストとにらめっこしたチーフや、家事で忙しい中、急な電話で慌てた同僚も困ってますし。もしかすると毎週その日その時間”あなた”に一瞬会う事を楽しみにしていたお客がいるかも知れません。
ちっぽけな事ですが、大きな存在なんです。

ならば、全うしましょう

正社員であれ派遣であれパートであれバイトであれ日雇いであれ見習いであれ「その業務をしているなら、一人一人がその仕事の”プロ”であるべき」です。

プロっていうと、その仕事を上手くこなせるベテラン…みたいなイメージが有りますが自分的に訳すると「その現場(会社・店)の顔であれ」。
取引先やお客様が会う「1人のスタッフ」では有りますが、その瞬間だけ見れば”あなた=お店(会社)”となります。
「いや、まだ見習いなんで…自分に言われても…」という逃げは通用しません。「でも、あなた〇〇社のスタッフなんでしょう」「そりゃそうですけど…」「ならお願いしますよ」
なんだかドラマでよく見る場面です。

自分には分からない。でも、上司なら分かる。同僚なら知ってる。
「少々お待ち下さい。確認致します」それで済む事です。

働くって、自己完結するものじゃ有りません。
必ず誰かが絡んできます。
相手が居るなら、その相手にどう対応すれば潤滑に物事が回るか?そこが大事です。

相手の言いなりになる…という意味じゃ有りませんね。
頑固一徹の職人さんだと「いーや、1週間で頼むと言われても出来ません」「いや、そこをなんとか~」「手を抜きゃ1週間でも仕上げるさ。でも俺の商品は完璧な物しか世に出したくねえんだよ」
ドラマや映画で観た事あるシーンですねえ。
職人さんにはプライドがあるから…。
いや、それだけじゃないですね。
自分が生み出す商品の品質をキープする”責任”があるから…です。
納期と品質を天秤に掛けた時、大事なのは品質だ…と。
何故品質が大事なのか?その商品が世に出た時、劣化した物だと…人々の評判が下がり、ユーザー本人に失礼なのは勿論、周り回って自分に返って来る訳です。取り扱っている取引先の信用さえ下げてしまう。

そういう風に、自分だけでなく”周りすべての事”を客観的に見て対応できる人がプロだと思います。逆を云えば、どんなちっぽけな業務だって立派な仕事だということです。
駅のトイレは掃除スタッフが居なければ汚れます。
ネジ工場の職人さんが居なければ、世界の家電が完成しないかも知れません。

聴取率コンマ数パーセントの弱小ラジオ局の番組だって、何人かのリスナーが聞いて、わずかなひと時、笑顔になってくれているはずです。

その笑顔を届ける為に、これからも番組を作りたい。

そう思って、今、知り合いを頼ったりハローワークに通ったりしています。

好きな事だろうが、辛い単純作業だろうが、働く事で「笑顔」が生まれます。大変な時ですけど、お互い、頑張りましょうよ。

(そういっても、やっぱり収入は欲しいですよね(苦笑))

こんな作文で如何でしょう?松下さん(笑)

モノノフらしく最後に…
働こう 働こう その人は輝くだろう
働こう 働こう 生きていると知るだろう

(作詞 大槻ケンヂ 「労働讃歌」より)

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