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君たちはどう生きるか論 (ネタバレ少々)

公開3日目。居ても立っても居られず、最も近いTOHOシネマズなんばのIMAXで見てきた。
朝イチから入場する人たちで戎橋筋アーケードは行列が出来ていた。

全てが本作の客では無いだろうけど。。。入る前からこの状態というのは驚いた。

午前9時上映回で7割ほどの入り。
以降、日中の予約状況は△が並んでいた。なかなか注目は高いようだ。

こうなると一見さん(普段映画を見ない層)が増えるので、よく映画館に通う人間からすると環境はよろしくない。
まぁしかし、事前のPRほぼ無しという今作なので、ネタバレが漏れてくるより、早めに見る方が得策。そして、SNSでの感想も概ね良好なので、見ることにした(今朝になって)。

個人的なしきたりだが、映画を見たら、その余韻に浸りたいので、余計な寄り道はせず帰宅する。
今回は上映終了が昼前だったので、取り敢えず昼飯だけ食って帰宅した。

帰宅後撮った一枚。見出しの画像をコレにしようと横位置で撮ったが、受けを狙って事前公開された鳥人のイラストにしましたw

と、内容に触れずにここまで書いた。

まだ観てない人は、立ち去りなさいw

折角、鈴木プロデューサーが一切情報を出さず、宣伝せず公開したのに、他人の感想を見たら勿体無いぞ。

そう。

情報ゼロで観る快感は、たまらなく刺激的な体験だ。

是非、あなたにも感じて欲しい。

まだ間に合う。

立ち去れw

もうイイ?

ほな書くよ。


◾️駿の遺言

そう捉えた。

青ルパン、パンダコパンダ、コナン、ナウシカ、ラピュタ、トトロ、魔女宅、もののけ、千と千尋、ハウル。。。などなど、これまで多くの作品を我々に届けてきた駿。今作はきっと、そのラストとなるだろう。

もう限界でしょw

7、8年掛けて、さらにもう一作。。。というのはもう厳しいと思う。

タイトルの「君たちはどう生きるか」という言葉も含めて、今作は、駿の遺言なんだろうと受け取った。

それは、観ているウチに確信した。

画の端々に過去作を思い出す所が幾つもあったからだ。

トトロだったり、コナンだったり。
なんかこのアングル、見たぞ。
この展開、あの作品に似てるな。
そういう感覚が何度も有った。

昭和民なら分かる例えで言えば、
キャンディーズが引退ラストシングル「微笑がえし」で過去作の歌詞のピースを散りばめたアレである。

反戦、自然保護、人間の業、女性の自立、などなど色んなメッセージを込めてきた駿が、最後に若い人たちに託した想いが総合的に込められている気がした。

そんな事は台詞にも映像にも一切、ハッキリ出されてはいないけども。。。

◾️アニメ版2001年

2001年とは勿論「2001年宇宙の旅」だ。
公開当時から「意味分からん」と世界中の観客が困惑したキューブリックの代表作のアレだ。

上映終了後、明るくなった劇場の空気感もソレに似ていた。娯楽作、ヒット作の場合のザワザワしつつ会話の声のキーが上がっている「あの」感じがほぼ無かった。

ある人は単純に面白く感じただろう。
ある人は、何を見せられたのか?困惑しただろう。
前者はきっと、駿の過去作を多く観てきたファン。後者はきっと、話題に乗せられて、ラピュタや千と千尋の痛快娯楽作を期待したミーハーさん。

観る人によって評価が割れるタイプの作品である事は確かだ。

先ほどSNSでの感想を読んでも二分していた。

そんな中には「大人に分からないんだから、子供には無理じゃないか」という感想も有った。筆者はそうは思わない。
きっと純粋な子供こそ、今作を単純に面白がって心に沁みたと思う。

筆者がそうだった。
小学校の中学年頃から未知との遭遇やら2001年のリバイバルやら字幕で見たから、大人の半分も理解出来て無かったが、大人になるまでずっと頭の中に焼き付いていた。VHSもDVDも無い時代だから、ちゃんと観たのは公開時の一度キリだけど、子供時代に観た素晴らしい映画作品はずっと心に焼き付く。
今作なんて、大人でもなかなか理解に苦しむ話ながら、バラエティ豊かに描かれた映像は、きっと大きくなるまで心に焼き付くだろう。主人公が少年だから余計にそうだ。

◾️鳥人 

笑い飯のネタ。

では無くw 今作の大きな部分を占めるキャラたちだ。アオサギ、ペリカン、インコ。。。あっちの世界ではデフォルメされた擬人キャラなのに、こっちに来ると普通の鳥としてリアルに描かれている。

まぁファンタジーのお決まりといえばそれまでだが、何故、あっちの世界では、多くの住民たちが「鳥」なのか?

飛べるから、自由の象徴なのか?
駿が飛行機好きだから、飛べる存在を重視したのか?

作画する方は大変だったと思う。
哺乳類なら足4本だが、鳥になると動きが幅広いし羽も細かい。移動スピードも速いから、遠近の描き分けも枚数必要だろう。ましてや、どの人種(?鳥種?)も登場する数がおびただしい。
何故か、主人公にギュギュッと寄ってきて、おしくらまんじゅう状態になるw

スタッフの皆さんお疲れ様でしたねぇ(笑)。

◾️リアルとデフォルメ

鳥もそうだが、人間もだ。

主人公やその父、母、継母、車夫など、映画冒頭の空襲やら疎開の場面は、背景を含めてとてもリアルだ。人々の動き、乗り物の揺れ具合など、他のアニメには無い絶妙の動きをする。リアル系のアオサギの飛び方も素敵だ。

本編がスタートして10分程は「全編こんな感じの作画なのかな」と思った矢先、主人公と継母が屋敷の奥へ向かった途端びっくり!屋敷内の世話をする女中のババァ達が湯婆婆並みにデフォルメされた作画なのだ。顔デカい、シワ多い、動きがオモロい。どした?どした?
と思ったら、アオサギが着ぐるみ系キャラに!?(どういう身体の構造やねん)。さらに話が進むにつれて、インコが完全に不思議の国のアリス状態。

世界に引き込まれれば、それもすんなり受け入れてしまうのがジブリファンだろうけど、一見さんは、キッツイやろなぁ苦笑。個人的には、完全に受け入れましたけどねー。

◾️生と死

今作の主題の一つですね。
冒頭で母親を亡くす主人公。
疎開先で会った継母は既に子を宿していました。
引き摺り込まれる「あっち」の世界でも主人公は、生と死の意味を考えさせられます。可愛いあいつらは生命の元。しかし憎いアイツらにやられる。でもアイツらも生きる為には仕方ないという。
あっちの世界の管理人は亡き人。
火とお友達の少女も生と死の意味を考えさせるキーとなる台詞と行動をします。

きっと駿も、残り少ない時間を考えた時、何かを悟ったんだと思います。
もしかするとこの数年のコロナ禍、さまざまな人たちの死(の報道)に接して、生きる事の肯定、死という事象の意味を考えたのかもしれません。
全てを納得させる「答え」が込められている。。。とも考えられます。

◾️ドー生きろというんだ

で、結局ドーなのよ?タイトルの意味は?

まぁ、そこは観客一人一人がどう捉えるか?で、答えは様々ですね。

しかし。。。

駿が万能だとは思いません。
本来、ある程度大きくなった人は素直に後進の人たちに地位を譲るものですが、彼はそれが出来ずに今まで来てしまった。折角のチャンス、息子さえ潰してしまった。後継者を後押しする事も引っ張り上げる事もできなかった不器用な人。。。その人に生き方を問われても「あんたが言うなや」とツッコミを入れたくなりますw

まぁ作品に罪は無いけど。も。

最後に、
一つ残念な点。

主人公、終始立派なんです。
キリっとしてて。
あまり悩まないし。

振り回されてはしますけどね。

なんというか。
ユーモアの無いインディ・ジョーンズ?
周りのキャラは面白いし、アオサギも良い道化なんですけどね。
ちょいと感情移入出来ずに消化不良でしたかね。まぁ時代が戦争後期で、寡黙に、でも強い意志を持つという男子の時代だったから、仕方ないっちゃあ無いんですけど。。。今の若い人たちには、どう映るかなぁ?と。

ホンマは、女性キャラにイマイチ色気無いのも言いたい部分ですが、そこは今に始まった事じゃ無いので割愛w

さぁ、まとまりない記事になりましたが、あなたは如何でしょう。

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